じい散歩 妻の反乱 の商品レビュー
90歳を超えた夫婦。新平と英子。長男で引きこもりの孝史、次男で長女の健二、三男で借金王の雄三。明石家は5人家族で安穏?とした毎日を過ごしている。 前回ラストで英子が倒れ、今回は新平が介護をしている毎日が描かれている。 一見、八方塞がりっぽい明石家だが読んでいる内に、なんというか、...
90歳を超えた夫婦。新平と英子。長男で引きこもりの孝史、次男で長女の健二、三男で借金王の雄三。明石家は5人家族で安穏?とした毎日を過ごしている。 前回ラストで英子が倒れ、今回は新平が介護をしている毎日が描かれている。 一見、八方塞がりっぽい明石家だが読んでいる内に、なんというか、、クスッと笑えてホンワカした気持ちになるから不思議。 何だかんだいっても皆がそれぞれ、それなりに前向きに今出来る事をやっているからなのか… とにかく、私も頑張ろうかな!って気にさせてくれるのです。 新平さんのじい散歩。まだまだ続いて欲しい。
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散歩を続ける「じい」新平94歳。それだけでも凄いのに妻の介護までこなします 三男に、父は死なない(だから遺産が手に入らない)とぼやかれる新平。破産手続きをしろと何度も進言しても諦められない三男。新平は中途半端にお金を助けてきてしまった事に、頭を下げて謝ります。子供の好きにさせて...
散歩を続ける「じい」新平94歳。それだけでも凄いのに妻の介護までこなします 三男に、父は死なない(だから遺産が手に入らない)とぼやかれる新平。破産手続きをしろと何度も進言しても諦められない三男。新平は中途半端にお金を助けてきてしまった事に、頭を下げて謝ります。子供の好きにさせてきた新平。でも自分も好きに生きてきた 自分の介護をさせることが「妻の反乱」?介護も自分のための運動と思ってる新平
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面白かった。新平長生きして欲しい。 おしゃれなカフェにも気後れせずに入れてすごい。外食の描写がおいしそうだった。 建二とたけひろ君やさなえさんはちゃんとしてるな。雄三はなんなんだ。ばかやろうだ。
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「じい散歩」続編。 妻の英子が倒れ、自宅で介護をする新平の日常を描いた作品。 寝たきりとなった妻の介護をしつつ、たまに散歩に出る。それが新平の毎日となった。自身も高齢だがまだまだ身体も気持ちも元気。たまに出る散歩で富士塚に登ったり、昔行った洋食屋でハンバーグを食べたり。 昔語りと...
「じい散歩」続編。 妻の英子が倒れ、自宅で介護をする新平の日常を描いた作品。 寝たきりとなった妻の介護をしつつ、たまに散歩に出る。それが新平の毎日となった。自身も高齢だがまだまだ身体も気持ちも元気。たまに出る散歩で富士塚に登ったり、昔行った洋食屋でハンバーグを食べたり。 昔語りと現在とを行き来しつつ、あいも変わらず頼りにならない三人の息子達とのやり取りも描かれている。妻の闘病を「反乱」と表現するの面白いな。 前作ほど散歩が描かれていないのがちょっと残念。
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途中までは1巻目とほぼ同じ。後半コロナ禍になるので少し変化があるくらい。 さすがにおじいちゃん元気すぎない?それとも元気な場面だけを見ているのかな。
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健康オタクの新平さんの朝のルーティンは、89歳の頃よりは更にバージョンアップされていた。4-50分の独自の体操が、1時間半に。朝食もヨーグルトにきな粉、すりごま、干し葡萄を、カフェオレボウル一杯に頂き、梅干し、米ぬか、蜂蜜も加えるという定番はそのまま。加えて塩煎り大豆20粒がプラ...
健康オタクの新平さんの朝のルーティンは、89歳の頃よりは更にバージョンアップされていた。4-50分の独自の体操が、1時間半に。朝食もヨーグルトにきな粉、すりごま、干し葡萄を、カフェオレボウル一杯に頂き、梅干し、米ぬか、蜂蜜も加えるという定番はそのまま。加えて塩煎り大豆20粒がプラスされた。それに加えて、毎日していた散歩が妻の介護のために難しくなったことを鑑みて、健康器具を使って「キーッ、ガッシャン」とやっている。 一つ下の妻、英子が倒れて車椅子生活になり、老々介護の日々。けれども新平、平成30年春、92歳は実に淡々とこなしている。そもそもそういう性格なのだ。女好きではあるが、愛人を作るほど家族を愛していないわけではない。むしろ、英子を愛している。これが昭和のお父さん。新平には理解できなかったが、あれほど新平の行動にいちいちチェックをかけていた英子の嫉妬はピッタリと止み、傍目には仲睦まじい老夫婦に見えるはずだ。 「じい散歩」も、合間を見つけてはやっている。ドラード和世陀(早稲田)、ミカド喫茶店(日本橋)、キッチンABC(池袋)、造園業が始めた喫茶店2つ(実在かどうかは不明)、浅間(せんげん)神社の年に6日しか開山しない富士塚、等々、趣味の美味しいものや建築物巡り、これが最後と思いだ定めた(←きっと未だ大丈夫)小さな登山と、それなりに彼は世の老人のように内に籠ってはいない。 相変わらず引きこもり長男、自称長女のトランスジェンダー次男、大借金まみれの三男は健在だ。次男以外は父親に寄生している関係は同じだけど、仲は悪くない。むしろあれだけ会話していたら、いい方だろ。英子さんも、そういう家族の関係が分かったからか、ずっとニコニコしている。 そして、ときはコロナ禍の令和の時代へ突入した。なんやかんやあって、英子さんも大往生する。題名が「妻の反乱」とあったのだが、目次をどう見ても、それらしき章はない。これは売るためのフリックか?と思いながら本を閉じかけると、ありました、最終頁に!! これが「小説推理」2022年5月号〜2023年8月号連載、というのにやっとガッテンいったわたしでした。終始、新平の一人称で話は進んでゆくけど、ホントは色々問題抱えている英子や3人の息子のホントの気持ちを「推理」するのが、この本の娯しみかたなのだろう。 「ふらりと好きなものを見て歩いて、終わる。人生なんてそんなものだろうけれど、べつにそれでいい」新平さんの人生観に、わたしは味方する。2022年の秋、新平さんは96歳になった。まだまだ元気である。 兎も角、新平さんには元気貰っている。96歳迄とはいかないけど、80歳ぐらいは新平さん同等に歩き回れる程には元気でいたいと思わせる作品。次の題名は3人の息子の「逆襲」となるのか、「父の百歳」となるのか?はてさて。
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93歳で元気なじい。カフェやレストランに散歩に行く。死後は大学の医学部に献体することも決めている。中々に好ましい爺さんではある。
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じい散歩 妻の反乱 著者:藤野千夜 発行:2023年10月21日 双葉社 初出:「小説推理」2022年5月号~2023年8月号(2023年5月号除く) 2020年に出版された「じい散歩」の第2弾。前作では夫婦とも80歳代から話が始まり、妻が倒れ、コロナ禍に突入するところで終わり。今回は、2018(平成30)年の春~2021年11月までの物語、プラス、エピローグで2022年7月に献体に出していた妻の遺体が帰ってくるまで。従って、前作の最終部分を詳しく語っているという感じ。2021年5月31日に介護していた妻が自宅で息を引き取り、その後、日光に旅行にいくまでが本編。エピローグがその後。妻が死んだので、もう続編はないかも。 今回も、前作同様に面白く読めた。 話の始まり時点で、明石新平は、92歳。10月に93歳に。29歳で明石建設を興し、70代のときにやめ、10年ほど不動産仲介業、それからは小さな賃貸アパート「あすなろハイツ」経営。管理人として、6戸のうち1戸(101号室)を自分の事務所にし、5戸貸す。池袋近くにあり、以前は毎日のようにそこまで散歩し、一人でパソコン(マック)を使いながらエロ画像などを楽しむ。エロ本も集めている。西武池袋線・椎名町駅が自宅。 関東の北、M町出身。同じ町出身の英子と昭和25年に結婚。2人とも郷里からは足が遠のいている。 新平:1925(大正14)年生まれ 英子:妻、旧姓若松。新平より1歳下、11月生まれ 孝史:長男、50代、高校中退後に引きこもりで同居 健二:次男、自称長女、トランスジェンダー、フラワーアーチスト、男と住む。早生大学に1浪して入るが中退 雄三:商売道楽、アイドル絡みの仕事、父親に2200万円の借金、同居、父親の車を使い放題 このあたりまでの状況設定は前作にあったが、今作でも最初にうまく説明している。今回は、毎日のように通っていた貸アパートで管理室(事務所)にしていた101号室を引き払い、それも貸すことにしたところから始まる。妻が倒れ、自宅で看取ると宣言したものの、入院先で回復して自宅で介護しつつ暮らす。ホームヘルパーが来てくれるし、引きこもりの長男もいるし、ずっと家に居なくてもいいのだが、それでも気になる。それもあってアパートの清掃や改修などを次男(自称長女)の健二にアルバイト料を出して任せ、自分は家賃と年金生活をするといいつつ、公共交通なども使いながら出かけるのが好きな新平。食欲も旺盛で、早稲田大近くの洋食でハンバーグを平らげ、喫茶店にもよく入り、甘い物に目がない。積極的。通販で買った健康器具で体を鍛える。 アパートの102号室で孤独死が出たり、2018年5月には妻にトイレに行かせることをあきらめ、尿道に管を通してバルーンに溜めるようにしたり、いろいろあるが、それでもなんとか毎日をそれなりに楽しく過ごしている。 三男は、いよいよ借金生活も終局を迎えつつあり、カードは止められ、借金を返すために何とか使えるカードで商品券を買ってスタンプ店で売って借金払いをしている状態に。新平に何度も泣きついてきたが、もう貸さないを通し、破産を勧め、出て行けとも言った。ところが、コロナで持続化給付金をもらい、公的資金の融資を受け、審査が甘くなった金融機関からお金を借りて、なんとかやりくりできるように。 妻の具合が良くなりますようにと神社などにお参り。中板橋に行った時、近くに住む健二に電話して喫茶店に呼び出し、一緒にお茶する。うちに寄っていってくれといわれ、そうすることにしたが、その日は恋人が在宅していると聞いていっぺんに尻込みしてやめる。 ただし、大正の末に生まれ、昭和に育ち、青春期を戦争と供に過ごした新平は、自由でなくてどうするという思いが常に心のどこかにあった。息子と立ちには自由にさせすぎたかもとも思うが。(50P) 三男がコロナに感染し、入院した。リスクの高い肥満者だったのが幸いし、入院先が見つかった。長男と新平は家に閉じ込められた。長男が珍しく玄関を開けて外を見ている。新平は内と外の境に、初めて透明の膜を見た気がした。彼も大変なんだなあと思う。 こんな話の繰り返しだが、どうして面白く読めるのか。生活感があり、その日常の雑多を90代の男性が背負っている。しかし、外食をし、適度に楽しんでもいる。ヘルパー、訪問看護師、訪問医という現代の制度もあるからできる面も。だから、妻を自分が看取るという優しさ、愛情表現の中に、自らの生の楽しみも見出していけるのかも。そんな日常に、超高齢社会においてほっとする面があるのかもしれない。 「妻の反乱」は、銀行に預けていた妻の遺言書の内容や、不動産の権利書が行方不明になっている点に、少しその気配が感じられる。
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「じい散歩」の続編 90歳越えの新平による超老々介護。 どうしても読んでいて、新平が90代という設定に脳内変換できない。 このまま「目指せ100歳じい散歩」で第3巻が出るんだろうか? 新平が亡くなった後の三兄弟の行く末が不安でならない。
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状況としては、ドロドロなのに、飄々としている新平さんに、こちらが脱力。しかし、最期まで面倒見てもらえた妻の英子さん、よかったね。 夫婦は、先に亡くなった方が幸せかも。 と書いてから、小見出しすべてが「妻の・・・」で始まっていることに気づいた。 若い頃はさんざん好き勝手やってた新平...
状況としては、ドロドロなのに、飄々としている新平さんに、こちらが脱力。しかし、最期まで面倒見てもらえた妻の英子さん、よかったね。 夫婦は、先に亡くなった方が幸せかも。 と書いてから、小見出しすべてが「妻の・・・」で始まっていることに気づいた。 若い頃はさんざん好き勝手やってた新平さん、いまだスケベ心は消えないが、妻への愛は老いてなお、って感じ。 うちの義父(92歳)も数年前まで同じ器械(脚広げるヤツ)でガシャガシャ運動していたが、昨年ついに施設に入所。でも新平さんは、まだまだ元気に息子(一人は自称娘だけど)たちの「親やってる」のがすごい。 80‐50問題どころか、90にして問題状態にはなってないところに拍手。 まだまだ元気に、あちこち散歩しては美味しいものを食べてほしい。
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