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金星の蟲 の商品レビュー

2.8

5件のお客様レビュー

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2024/12/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

どの短編も想像力を掻き立てられる興味深い世界が広がっていたが、特に好みなのは表題作だった。寄生虫を治療せず、街にも異様な事態が起き始めているのに、それを瞬時に受け入れていくところが恐ろしく、面白い点でもあった。話が進んでいくと次第に知らない言葉が増えてきて、波のように押し寄せる変化がたまらない。何かが広まっていくのはあっという間で、それに慣れるのもあっという間なのだ。 どの作品も肉体に対する考え方が一貫していて面白かった。この先いつか人間が最初の肉体を捨てて乗換えたり、使い捨ての体や人格があったり、自由に意識を移動したり、記憶を外部保管したりする時がくるのだろうかと考えると楽しかった。変化を受け入れるのはそう簡単なことではないだろうことが、登場人物たちの症状や拒否反応で想像できるように書かれていて、あり得る未来に思えてくる。

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2024/07/02

酉島伝法氏の作品は、「皆勤の徒」以来、大好きです。 この唯一無二な世界観が、氏の作品の真骨頂だと思います。 ・・・でも、率直に言わせていただいても、良いでしょうか。 飽きます。この世界観に。 日本語の語感を駆使した造語の本流と、まだ温かい死体の内臓のように人間味があると同時に...

酉島伝法氏の作品は、「皆勤の徒」以来、大好きです。 この唯一無二な世界観が、氏の作品の真骨頂だと思います。 ・・・でも、率直に言わせていただいても、良いでしょうか。 飽きます。この世界観に。 日本語の語感を駆使した造語の本流と、まだ温かい死体の内臓のように人間味があると同時に彼岸の景色を見せつけてくる、この針の振り切れっぷり。 鴨は、嫌いではありません。でも、同じような作風で短編を並べられると、正直ちょっときついなー、とは思います。 たぶん、長編向きの作風なのだと思います。短編だと見た目の奇異さが際立ってしまい、徹底的に構築された世界観に辿り着けないんですよね。 鴨は氏の長編「宿借りの星」「奏で手のヌフレツン」を未読なので、この2作品を読んで、改めてレビューしたいと思います。 大好きな作家であることに、変わりはありません。鴨の価値観が変わっただけ、かもしれません。これだから、SF読みはやめられないのよねー。

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2024/02/29

ほぼすべて再読、再再読。 でも覚えていたのは『環刑錮』のみ。 印象深かったのは 『環刑錮』『彗星狩り』『クリプトプラズム』 『クリプトプラズム』は特有の造語があまり無く普通のSFっぽく読めた。

Posted byブクログ

2024/02/21

酉島伝法ってSFマガジンの最後にキモチワルいイラストを描く人ですよね。あれ、じーーっと見ていると引き込まれそうになる。何故だろう?毎回テーマが変わるのだが、それでも毎回キモチワルい。 さて、イメージ操作は置いておいて、この酉島伝法の作品「るん(笑)」を最近読んだのだが・・・全然...

酉島伝法ってSFマガジンの最後にキモチワルいイラストを描く人ですよね。あれ、じーーっと見ていると引き込まれそうになる。何故だろう?毎回テーマが変わるのだが、それでも毎回キモチワルい。 さて、イメージ操作は置いておいて、この酉島伝法の作品「るん(笑)」を最近読んだのだが・・・全然面白くなかった。笑えなかった。なのに、ベストSFの2022年版のランキング(国内篇):ベスト30の第2位受賞。そしてこの「金星の蟲」は「オクトローグ」の改題であり、しかもこの「オクトローグ」はベストSFの2020年版のランキング(国内篇):ベスト30で、なんと第1位受賞。全然意味が判りません。大森望の印象操作にみんな惑わされているんじゃないの?だって、読みにくい、全然前に進めない。当て字・造語・ルビをふっている画数の多い難読漢字。そもそもルビが無かったら読めない。これが100年前だったら発行不可能。印刷所出入り禁止だ。一応、最後まで読んだけどさぁーー。疲れた、とっても疲れた。読むのに膨大な時間を要した。これ一冊読む時間があったら、とうの昔に数冊は別の本を読んでいた。時間、返せーーー!なので、もう酉島伝法の本は読みません。ていうか、本当に酉島伝法の本って売れてんの?

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2023/12/29

 短篇集。一篇を除き、挿画も著者によって描かれている。造語が多用されており、いったいどういう意味なのか最初のうちは考えながら読んでいたが、ひとつひとつの造語の意味を考えるよりも、さっと読み飛ばしていったほうが作品全体のイメージが浮き上がってくる作風の方なんだな、と気がついた。全体...

 短篇集。一篇を除き、挿画も著者によって描かれている。造語が多用されており、いったいどういう意味なのか最初のうちは考えながら読んでいたが、ひとつひとつの造語の意味を考えるよりも、さっと読み飛ばしていったほうが作品全体のイメージが浮き上がってくる作風の方なんだな、と気がついた。全体として観るという意味では、絵画的な作風なのかも。『ウルトラマン』や『BLAME!』とのコラボ作品も収録されているが、どちらも私の知識がまるでないため、単独の作品として鑑賞。表題作が一番読みやすく、心地よい気持ち悪さに満ちている。

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