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土偶を読むを読む の商品レビュー

4.4

22件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2024/09/02

「土偶を読む」を読んでこの本はいったい何ナノダ?の一つの答えがこの、「土偶を読むを読む」(ややこしいw)にはありました! こちら(読む読む)を読むことで、本家(読む)はやっぱりエンタメとして楽しむべしが私なりの答えかなぁ。一つイラっとしたのは、中空土偶を栗としていた(確かに栗っ...

「土偶を読む」を読んでこの本はいったい何ナノダ?の一つの答えがこの、「土偶を読むを読む」(ややこしいw)にはありました! こちら(読む読む)を読むことで、本家(読む)はやっぱりエンタメとして楽しむべしが私なりの答えかなぁ。一つイラっとしたのは、中空土偶を栗としていた(確かに栗っぽい)けど、実は本体の頭頂部に穴が開いていてそこから突起が生えていた可能性が「読む読む」にて浮上!考えたくはないが「読む」の方はまさか正面画像だけ見て栗言うた?中空土偶、まさか正面画像しか見たことなかったってことはないよね?まさかだよね、、それじゃワタシレベルだよ、、。 「読む読む」で一番良かったのは山田康弘先生へのインタビュー。この章に私が知りたかった事が書かれているように思った。「読む」は楽しい読み物として土偶について一切知らない人にも面白いと思わせる何かは確かにあると思う。裾野が広がるのはとても大事だから。 あと、「読む読む」の人は心配していたけど、「読む」の内容を全部信じる人などいないのでは?それは杞憂というものだろう。私には面白いけど本当のとこはどうなのだろう?が常に付きまとったよ。 読むと読む読むはセットで読むのが楽しい。

Posted byブクログ

2024/08/11

『土偶を読む』がもう立ち上がれないぐらいコテンパンにされているけど、『土偶を読む』が専門家を馬鹿にしてるのが発端なのでしょうがないなというかんじ ぜひ『土偶を読む』の著者の方は討論会などしてほしいし、しないというのはかなり不誠実でダメすぎるな 今まで本というものはある程度内容が保...

『土偶を読む』がもう立ち上がれないぐらいコテンパンにされているけど、『土偶を読む』が専門家を馬鹿にしてるのが発端なのでしょうがないなというかんじ ぜひ『土偶を読む』の著者の方は討論会などしてほしいし、しないというのはかなり不誠実でダメすぎるな 今まで本というものはある程度内容が保証されているものだと思っていたので結構ショック(ヒカルランドとかトンデモ系だったらわかるけど )晶文社はもうそういう目で見ちゃうな こちらの『土偶を読むを読む』はかなり盛りだくさんの内容で、現在の研究でわかっていることなど知れて良かった

Posted byブクログ

2024/06/29

土偶の正体は植物や貝類の精霊をかたどったものだという主張で、在野の人類学者・竹倉史人氏が閉鎖的な考古学界に挑戦した書籍とされ、サントリー学芸賞を受賞するなど大きな反響を呼んだ『土偶を読む』について、考古学の立場から徹底検証し、「皆目見当違い」であると批判する。また、「土偶とは何か...

土偶の正体は植物や貝類の精霊をかたどったものだという主張で、在野の人類学者・竹倉史人氏が閉鎖的な考古学界に挑戦した書籍とされ、サントリー学芸賞を受賞するなど大きな反響を呼んだ『土偶を読む』について、考古学の立場から徹底検証し、「皆目見当違い」であると批判する。また、「土偶とは何か」の研究史や、植物と土偶を巡る考古学者の対談なども収録し、縄文研究の現在位置も俯瞰。 『土偶を読む』は読んではいないが、インターネットなどで土偶についての注目される新説であるなどとの評価を度々目にし、学生時代に考古学をかじった者として、気にはなっていた。もとの本より、批判本を先に読んでしまったわけだが、結果として正解だったと思う。 本書は、『土偶を読む』の根拠となったイコノロジー(見た目の類似)だけではなく、編年や類例、かたどったとされる植物等の利用状況等、多角的に竹倉説を検証しており、とても説得力のある内容だった。本書を読む限り、『土偶を読む』の内容に妥当性は乏しいと言わざるを得ない。 本書を読んで痛感したのは、斬新な発想は学問の進歩のために必要ではあるが、研究史を踏まえたその実証的な裏付けが不可欠であるということだ。本当のところは何もわからないと思われがちな縄文時代についても、過去からの研究で、土器等の編年をはじめ、「わかっていること」は蓄積されており、それらとの突き合わせを経なければ、斬新な新説もただの思いつきにとどまる。考古学を含め、学問の在り方というものを考えさせれた。 また、土偶の研究史や、植物考古学など最新の縄文時代研究の状況など、かつての考古学徒の一員として、興味深く、勉強になった。

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2024/05/24

「土偶を読む」を先に読んで「へー!」と感心・興奮していたら、こちらを読んでまた「へー!」と感心・興奮。笑 言われてみればごもっとも…。土偶、面白い。

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2024/04/08

「土偶を読む」を読んで、考古学会批判が結構書かれてて、それはどうなんだろう、と思っていたら、なんと「土偶を読むを読む」という考古学会の視点からどう捉えてるのかを書いた本があると言うことで、これは両者の言い分を聞かないと失礼なので、読みました。 読んで改めて思ったのは、批判本は嫌...

「土偶を読む」を読んで、考古学会批判が結構書かれてて、それはどうなんだろう、と思っていたら、なんと「土偶を読むを読む」という考古学会の視点からどう捉えてるのかを書いた本があると言うことで、これは両者の言い分を聞かないと失礼なので、読みました。 読んで改めて思ったのは、批判本は嫌いだなと。批判するのはいいのだけど、批判の仕方がなんか子どもじみてるというか、相手を馬鹿にしてる感じがして嫌でした。 コトを批判して、人格を否定しない 批判の時に相手をバカにしない こういうことは注意したい でも、「土偶を読む」のように、一つのストーリーで土偶を語るのは、ただ我々がスッキリしたいと言うだけで、ある側面でしかないのかもな、と「読むを読む」を読んで思いました。 わからなさと向き合う 結構大事なことだと僕も思っていて、科学の発展でわかることは増えてきてるけど、全てを分かろうとはせず、少しずつ教えてもらえることを喜んでいきたい。 あと専門領域の難しさを感じました。 議論の蓄積があって、やっぱりそれを前提にした議論をしていかないと、過去の研究者たちに失礼だし、だからと言って、膨大な研究領域を調べ切ってからしか研究できないのも違うと思う。この塩梅をどうしたらいいのだろうと思いつつ、お互いが歩み寄るしかないのかな、って気がします。 オレがオレが、みたいにならず、閉鎖的にもならず、閉鎖的になってないつもりが実はなっていることにも自覚的になり、お互いがちゃんとアウフヘーベンできる土台ってできないだろうか。 巨人の肩にどこまで乗って、どこから降りるのか。 哲学では、哲学カフェとか、結構オープンな活動ができてるので、こういうのが参考になるのかな

Posted byブクログ

2024/03/24

縄文時代につくられ、国宝にも多く指定されている謎を秘めた土偶は、どのような目的でつくられたのかは解明されておらず、それだけに人気が出ており、「土偶展」などあろうものなら多くの来場者で賑わうようだ。 新たな切り口で土偶の謎を解いたとする竹倉史人の著者「土偶を読む」は、サントリー学...

縄文時代につくられ、国宝にも多く指定されている謎を秘めた土偶は、どのような目的でつくられたのかは解明されておらず、それだけに人気が出ており、「土偶展」などあろうものなら多くの来場者で賑わうようだ。 新たな切り口で土偶の謎を解いたとする竹倉史人の著者「土偶を読む」は、サントリー学芸賞を受賞し養老孟司氏も推薦したとのことだが、受賞の大きな理由の一つには、閉鎖的な考古学会に対する批判を評価したことがあげられる。 しかし最初から考古学会に挑戦してきた訳ではなく、自説を満足に取り上げてくれなかったことに対する不満から出てきたもののようである。 しかし本書にも菅豊東京大学東洋文化研究所教授が述べているように、知の「鑑定人」である専門家の専門知批判はしてもよいが、専門知を否定してはいけないには同感だ。 竹倉氏は、かなり痛烈に考古学者を批判しているが、「土偶を読む」を読んで感じたのは、学術的な根拠からくるものではなく、何だか私怨からくるようなものだった。 本書では、竹倉氏が見た目が似ていることから結論づけられた土偶=植物や貝説を、一つ一つ本当にその時代、その場所に、その植物や貝があったのか。その場所でその土偶がつくられた根拠は妥当なのか等検証し、間違いを指摘している。 土偶の研究はかなり以前から行われていて、竹倉氏の主張は、どう考えても妥当性のないものと判断せざるを得ないことがわかる。 表現の自由はあるので、何を主張しようと何を出版しようと自由だろうが、一般書ではなく学術研究書としては不適格だろう。 本書の著者の望月昭秀氏が述べている、以下の文は理解できる。 『土偶を読む』での読み解きは破綻している。 読者に対して誠実ではない面や、過去の研究を都合よく利用した上に軽視し、時に読み間違え改変し、さらに敵視する姿勢ははっきり言って不快で、筆者は本書を書き、編するにあたり、「この先は通さねえぜフェイク野郎」という気分でもあった。 「フェイク」なのは『土偶を読む』を持ち上げ、評価した多くの知識人にも言える。専門外の領域に踏み込み評論するのであれば、まずは自身がそのジャンルの専門外であることを前提とした上で評論すべきであるはずなのに、何もかもわかっているかのように振る舞い、正しくジャッジできないような事柄でも、簡単に「正しい」と評価する。そこにも大きな憤りを感じる。 本書での検証に、もし反論があるのであれば、批判を受け止め、再度きちんと調べ、取材をし、真摯に応えたいと思う。

Posted byブクログ

2024/03/17

実りの多い本だと思います。この本の反論対象である『土偶を読む』(以下「元ネタ本」と呼ぶ)の議論を検証できるということだけではなくて、元ネタ本のまわりに群がるいろんな事象に対して、冷静な検証ができると思います。 この本では、元ネタ本における土偶の説明は恣意的な分析で論証が破綻してお...

実りの多い本だと思います。この本の反論対象である『土偶を読む』(以下「元ネタ本」と呼ぶ)の議論を検証できるということだけではなくて、元ネタ本のまわりに群がるいろんな事象に対して、冷静な検証ができると思います。 この本では、元ネタ本における土偶の説明は恣意的な分析で論証が破綻しており、まともにとりあうべきものではないと検証しています。 そして、”群がるいろんな事象”とは、具体的には以下のようなことです。 ・元ネタ本がサントリー学芸賞を受賞した ・養老孟司が推薦した ・NHKが元ネタ本を好意的に紹介した ・NHKのその紹介の際、専門家のコメントを歪曲して使用した ・小学館が、元ネタ本の続編みたいな「~図鑑」を出版した 私は、元ネタ本がフェイクなのは仕方ないとして、これを持ち上げて評価した知識人やNHKや出版社は本当に罪深いと思います。知識人やNHKや評価の高い出版社においても、実際にこういうことがあるのだ、ということを示す好例になると思います。将来的に、社会における情報の取り扱い等についての教材になってもおかしくないと思いました。【2024年3月16日読了】

Posted byブクログ

2023/12/23

刊行直後から話題の『土偶を読む』。本書はその『土偶を読む』への(『土偶を読む』にはない)考古学的な視点に立った検証本である。 『土偶読む』がサントリー学芸賞まで取り(これには吹いた)、まさか小学生向けの図鑑まで出してしまうとは(さすが小学館)、誰が想像しただろう。 しかし、こ...

刊行直後から話題の『土偶を読む』。本書はその『土偶を読む』への(『土偶を読む』にはない)考古学的な視点に立った検証本である。 『土偶読む』がサントリー学芸賞まで取り(これには吹いた)、まさか小学生向けの図鑑まで出してしまうとは(さすが小学館)、誰が想像しただろう。 しかし、この間、考古学者からの反論はほとんどされてこなかった。一部の専門誌で批判的な書評が掲載された程度だったという。そもそも『土偶を読む』は、遺物をテーマにしてはいるが、考古学ではない。同じ土俵に立っていないものを相手にすることは憚られたのかもしれない。しかし、それはいかがなものだろう。着眼点は面白いものの、色々と穴だらけの説が一般に広く広まり、専門知との間に齟齬が生じることを見過ごしていいのだろうか。編者の望月氏は考古学者ではない。しかし氏はおそらくそのような義憤に駆られて本書を編んだに違いない。 ちゃかすような文体は同じ土俵に乗り過ぎてしまった感もあるが、そこはご愛嬌か。ひらめきは学問の命である。しかし、その後の検証もまた大切なんだと再認識させてもらった。

Posted byブクログ

2023/11/16

借りたもの。 『土偶を読む』( https://booklog.jp/item/1/479497261X )の反論本。 土偶や縄文時代の考古学がどの程度進んでいるかを理解するには良い本だった。 …しかし内容の大半は、インテリジェンスへの不信ないしアンチからくる欠如、それに伴う疑似...

借りたもの。 『土偶を読む』( https://booklog.jp/item/1/479497261X )の反論本。 土偶や縄文時代の考古学がどの程度進んでいるかを理解するには良い本だった。 …しかし内容の大半は、インテリジェンスへの不信ないしアンチからくる欠如、それに伴う疑似科学や誤った知識が広まる事への警鐘だった。 また、日本の考古学研究の問題点についても言及。 『土偶を読む』では、図像学(イコノロジー)を根拠として土偶は植物の精霊像だったとする。それに異を唱える…というか、否定する。 エルヴィン・パノフスキー『イコノロジー研究』( https://booklog.jp/item/1/4480087214 ほか )を読んでも思うけど、この分野は誤解などもある。イメージは時代によって変容するし、今の人と同じ感覚で見ていたかは分からない。 この本の編者は、その直情的で飛躍する結論と、専門知を否定する姿勢に憤慨していた。 …それは私が、矢部宏治『知ってはいけない』( https://booklog.jp/item/1/4062884399 )を読んだ時のような…陰謀論を扇動する本に出合った時のような感覚。 …とはいえ、この本は『土偶を読む』の自由な発想をする姿勢は否定しない。 『土偶を読む』を読む前に、こちらに手をつけてしまったので、斜に構えて読んでしまいそう… ◆縄文ZINE  http://jomonzine.com/ ◆『土偶を読むを読む』という書籍を出します。  https://note.com/22jomon/n/na416aa91ba48

Posted byブクログ

2023/09/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

こういうジャンルを読むのは初めてだから分類わけが難しいんだけど、いわば「批判書」と呼ばれるもの…なのかな? 少し有名になった『土偶を読む』を色々な学者がその正当性を検証する…のだけど、その俎上に上げられないほど「おいおい…」となっていたらしい。おいおい…。 『土偶を読む』の正しさはともかくとして、この『土偶を読むを読む』の一貫性は検証だけであり、もうちょっと読み物として工夫しても良かったんじゃないかなぁ、とも思う。検証だけで言えば最初の望月さんの部分だけでよいし、学者が変わっても同じことを言っていることがあり(それだけ共通の認識なのかもしれないけど)後半はちょっと暇だった。まぁ編集の仕方が雑誌的なんだよな…。 面白かったのは山田先生のインタビューあたりで、民俗学と考古学という繋がりはたしかに言われると納得する部分もあったり。 土偶に関しては正直、呪術的役割があった…ぐらいの認識しかなかったのだけど、読んでいくとそれも一枚岩ではなく、色々な意見があって結構面白かった。こういう批判書もいいけど、「土偶とは何か」という一般書を出していくのもいいんじゃないんだろうか。 しかし、正しいだけでなく、そのことを(エンタメ的に)面白く書かなければならないというのは難しいなぁ…。もちろん、そこが逆転してはいけないんだけども。

Posted byブクログ