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可哀想な蠅 の商品レビュー

3.6

28件のお客様レビュー

  1. 5つ

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2024/01/09

武田さんの小説は何冊か読んでおりますが、珍しくダークな短編作品だと思いました。今の時代、このような似た話はどこかに転がっているよね、っていう内容で身近に感じられました。正義や善意の基準って一体、何なんだろうか。普通って一体、何なんだろうか、と考えさせられた一冊。

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2024/01/09

短編が4つ。3つ目の重ね着が好きな妹と嫌いな姉の物語は穏やかな終わり方だったが、他の物語は後味が良くない。SNSでしつこく絡んでくるとか、周りとコミュニケーションをとろうとせずに自分が猫の幸せと信じる方法で飼い続けるとか、尽くしているうちに相手が束縛的になってくるとか…どこかで聞...

短編が4つ。3つ目の重ね着が好きな妹と嫌いな姉の物語は穏やかな終わり方だったが、他の物語は後味が良くない。SNSでしつこく絡んでくるとか、周りとコミュニケーションをとろうとせずに自分が猫の幸せと信じる方法で飼い続けるとか、尽くしているうちに相手が束縛的になってくるとか…どこかで聞いたような話なのだが、自分のそばで起きているようなリアリティがあり、嫌な感覚がじわじわと湧いてきて怖かった。

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2024/01/08

可哀想、という言葉はなんか嫌だ。結婚できなくて可哀想、ヤングケアラーで可哀想、DVに遭ってて可哀想、猫屋敷で可哀想、蠅で可哀想...本書には可哀想が溢れている。人が「可哀想」と言う時、自分は安全圏にいるというマウントと、そこはかとない見下し感を感じるのが嫌~な気分にさせられるのだ...

可哀想、という言葉はなんか嫌だ。結婚できなくて可哀想、ヤングケアラーで可哀想、DVに遭ってて可哀想、猫屋敷で可哀想、蠅で可哀想...本書には可哀想が溢れている。人が「可哀想」と言う時、自分は安全圏にいるというマウントと、そこはかとない見下し感を感じるのが嫌~な気分にさせられるのだろう。そんなブラッキィな4短編集。『可哀想な蠅』→蠅が可哀想ってなんぞや?読めばなるほど。『まりこさん』→ひぇーん。良かれと思ったのに。『重ね着』→この中では異彩のほのぼの系。好かん。『呪縛』→キョーレツ。エグいぜ。一番の出来。

Posted byブクログ

2024/01/08

作品紹介にも出てくる一文 “私はスマートフォンの中で彼を飼うことに決めた” これの破壊力が凄いからちょっと読んでみてほしい。 本好きの主人公が、 “本は、人を救ってくれる。” から “本当に救いが欲しい時、本なんて何の役にも立たないじゃないか。本は無力だ。” まで落下していく様...

作品紹介にも出てくる一文 “私はスマートフォンの中で彼を飼うことに決めた” これの破壊力が凄いからちょっと読んでみてほしい。 本好きの主人公が、 “本は、人を救ってくれる。” から “本当に救いが欲しい時、本なんて何の役にも立たないじゃないか。本は無力だ。” まで落下していく様は、本の限界を突き付けられるようで… 本に救われている自分は、まだ本当の理不尽に出会ったことがないのだろうかと考えてしまった。 収載されている4分の3はずーんってなる話なので、読後感を良くしたい方は「重ね着」を最後に読むと良いかも。

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2023/12/31

評価が難しい。一応☆3 サクサク読めたし、主人公に共感して本の世界に入っていきやすいんだけど、とにかく後味が悪い。最後の呪縛は先の展開が読めてしまい、もうこれ以上読みたくねぇと思いながら読んだ。 ただ、面白くなかったわけではなくて、読み直すことはないけど読んで良かったなと。☆4....

評価が難しい。一応☆3 サクサク読めたし、主人公に共感して本の世界に入っていきやすいんだけど、とにかく後味が悪い。最後の呪縛は先の展開が読めてしまい、もうこれ以上読みたくねぇと思いながら読んだ。 ただ、面白くなかったわけではなくて、読み直すことはないけど読んで良かったなと。☆4.5くらいはつけても良いかなと思う作品。

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2023/12/29

第107回アワヒニビブリオバトル&全国大会予選で紹介された本です。2ゲーム目。ハイブリッド開催。 2023.12.29

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2023/12/28

とてもきれいな装幀で、そこに一番惹かれた。話も読みやすくさくさくと読めるのだけど、後味が良くないかも。面白いというよりこわく感じた。

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2024/02/19

後味の悪さが残る短編集。 どれも自分の境遇と違うのに、身近にありそうなリアルさを感じる。 「マリコさん」「呪縛」が印象的だった。 詩乃って魔性の女? 弱い存在を守るヒーローでいたつもりが、気付かぬうちに病的なほどの執着心を抱くようになるとは‥。 あぁ怖っ。

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2023/12/12

表題の可哀想な蝿と最後の呪縛が群を抜いて秀逸だった。ちょっとゾワっとするのがたまらない。結構厭な話ではあるけどどこかに眠っている感情が暴露されてく感がたまらなく好き

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2023/12/11

表題を含む四話収録。女性二人が登場したら事件発生の前触れである。人物造形や台詞のリアルさ、駆引きに唸る。行間からいい塩梅で嫌味や烏滸がましさが立ち上る。読み応えあり。

Posted byブクログ