心は孤独な狩人 の商品レビュー
村上春樹さんの読みやすい訳で楽しく読めましたが、自分自身の、物語の時代背景への理解が乏しいのが残念でした。
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第二次世界大戦が始まる直前くらいのアメリカ南部の田舎町を舞台にした群像劇。聾唖で聞き役に徹する男性シンガーと、彼を自分の理解者だと慕う人々。年齢や人種も様々だが、自分の正義、真実、才能、情熱などが周りに理解されないという孤独感を抱えているのが共通している。この作品がすごいなと思う...
第二次世界大戦が始まる直前くらいのアメリカ南部の田舎町を舞台にした群像劇。聾唖で聞き役に徹する男性シンガーと、彼を自分の理解者だと慕う人々。年齢や人種も様々だが、自分の正義、真実、才能、情熱などが周りに理解されないという孤独感を抱えているのが共通している。この作品がすごいなと思うのは、彼らの苦悩を描きつつも、独りよがりな部分も浮き彫りにしていることだと思う。人間ってそういうものなのかな、孤独ってなんだろうと考えさせられる。ババ―やベイビーといった脇役の子供のエピソードも印象に残った。
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一見噛み合っているようで、実は噛み合っていない歯車について考えました。 タイトルの通り登場人物たちは、誰もが一方的に相手を追い求め続ける狩人のような存在だったのかもしれません。 そして、目の前の相手に自分の理想を投影し「理解した」と思い込むけれど、真に理解しあっているわけではな...
一見噛み合っているようで、実は噛み合っていない歯車について考えました。 タイトルの通り登場人物たちは、誰もが一方的に相手を追い求め続ける狩人のような存在だったのかもしれません。 そして、目の前の相手に自分の理想を投影し「理解した」と思い込むけれど、真に理解しあっているわけではないから、実は孤独なことに変わりはないという虚しさ...。 またアメリカの抱える文化・歴史的背景について知ることができたのも良かったです。 また読み返したい作品です。 余談ですが、耳が不自由なシンガーさんには、漫画『聲の形』(大今良時)の西宮硝子を思い起こされました。目の前の会話へついていきにくいからこそ、それが周りの人に穏やかな人のような印象を与えるというのが共通しているように感じました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
貧しく人種差別も激しいアメリカ南部のある町。それぞれ熱い使命や思想、夢を持っている登場人物達が、聾唖の男シンガーにだけはその秘めた思いを語る。いつもは聞き役のシンガーも、啞のアントナプーロスだけには手を素早く動かし話しまくる。 人は、自分の話をまっすぐに受け止めてくれる人を求めている。語りたい、理解してほしい。 自分の思いが空回りして実現しない事は圧倒的に多い。それでも大半の人は生きていく。シンガーはなぜ死んだのか。皆、彼に話すだけ話して、彼を知ろうとはしなかったからか。 決して幸せな話ではなく、うるさくて静かで、なぜか心地良い読書だった。不思議だ。
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孤独は前提であると言っていたのは糸井重里だった気がするけれど、人間が生きる上での前提である孤独を再認識するような小説だった。
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1930年代末、恐慌の嵐が吹き荒れるアメリカ南部の町で、「ニューヨーク・カフェ」を営むジェフ・ブラノン。そこに客としてやってくる聾唖の男シンガー、彼の相棒で同じく聾唖のアントナプーロス。二人はかけがえのない関係だったが、アントナプーロスが遠くの精神病院に入院させられることにより離...
1930年代末、恐慌の嵐が吹き荒れるアメリカ南部の町で、「ニューヨーク・カフェ」を営むジェフ・ブラノン。そこに客としてやってくる聾唖の男シンガー、彼の相棒で同じく聾唖のアントナプーロス。二人はかけがえのない関係だったが、アントナプーロスが遠くの精神病院に入院させられることにより離れ離れとなってしまう。 一人ぼっちになったシンガーだったが、やがて彼を慕うさまざまな住民がつぎつぎと部屋を訪れてくるようになる。 貧しい大家族家庭の少女・ミック、流れ者の労働者・ジェイク、同胞の地位向上に燃える黒人医師・コープランド。 それぞれがそれぞれの孤独を抱えており、読みながらずっと漠然とした悲しみに包まれているような気がした。それらの悲しみに満ちた孤独を噛み締めるようにゆっくりゆっくり読み進めて、3月いっぱいかけて読了。 物言わぬシンガーさんは、きっとみんなの孤独の拠りどころ、一時預かりのような存在だった。 彼はただ黙して微笑みを浮かべ佇んでいるから、そのことをどう感じているのかわからない。だから彼の視点で綴られる章を読んでいる間はむしょうにホッとした。 そしてシンガーさんがいなくなって、みんなはそれぞれの孤独を引き取り、また別々の場所へと帰っていく。 翻訳者としての村上春樹が、いつかは自分で訳したいと思っているが、"将来のために大事に金庫に保管しておきたい"と評する作品であり、とりわけその中でも最後までとっておかれることとなった作品。マッカラーズが23歳で書き上げたデビュー作であるという事実には驚くばかりである。 これから生きていく時の中で、もし何か深い悲しみにのみこまれるようなことがあったとき、きっと私はこの小説を、彼らを思い出すのだろう。
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1930年代末のアメリカ南部、 いわゆるディープサウス中央部の町で繰り広げられる群像劇。 【主な登場人物】 ミック・ケリー:下宿屋を営むケリー家の娘。 バーソロミュー・ブラノン:《ニューヨーク・カフェ》店主。 ジョン・シンガー:ケリー家の下宿人の一人。聾啞の青年。 ジェ...
1930年代末のアメリカ南部、 いわゆるディープサウス中央部の町で繰り広げられる群像劇。 【主な登場人物】 ミック・ケリー:下宿屋を営むケリー家の娘。 バーソロミュー・ブラノン:《ニューヨーク・カフェ》店主。 ジョン・シンガー:ケリー家の下宿人の一人。聾啞の青年。 ジェイク・ブラント:遊園地の機械保守を務めるアナーキスト。 ベネディクト・メイディー・コープランド:人々に尊敬される医師だが気難しい。 幼い弟たちの面倒を見ながら夜更けにカフェでタバコを買おうとする 少女ミックと そんな彼女を窘めもせずタバコを売ってしまうバーソロミュー。 彼はミックに特別な視線を注いでいる。 だが、そんなことには気づかないミックは 新しい下宿人のシンガーさんに関心を寄せる。 ジョン・シンガーは聾啞者なのだが、 手話と読唇術でコミュニケート出来、必要に応じて筆談も行っていた。 自らは発話せず、黙って周囲の人々の言葉を読み取る、 物腰の柔らかく知的な雰囲気を漂わせる“シンガーさん”に 皆が好意を抱いた。 しかし、彼の心を占めているのは、 離れた町の病院に入院中の親友スピロス・アントナプーロスだけだった……。 という具合に誰かが誰かを愛しているのだが、 どうにも噛み合わない、もどかしさに満ち溢れた物悲しいお話。 どんなに親しく、打ち解けたように見えていても、 実は人間は皆それぞれに孤独なのだ――という ディスコミュニケーションの物語。 ピアノを弾きたい、作曲したい、ピアニストになりたい……と、 才能の片鱗を窺わせつつ大きな希望を抱くミックの前に立ちはだかる 家庭の経済問題という一大事。 家計を助けるために働かねばならない、すると、 一人きりで夢想に耽って創作に打ち込むことが出来ない…… という事態が何とも切ない。 そんな彼女の心の支えが“シンガーさん”だったのだけれども……。 ケリー家に打撃を与えた事件に 銃が絡んでいるところが、いかにもアメリカらしい。 ※後でもう少し細かいことをブログに書く予定。 https://fukagawa-natsumi.hatenablog.com/
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高校生以来、20年ぶりに読む! 言葉で伝えられることはとても少ないのかもしれない。 いや、そもそも伝えると言うこと自体、本当は無理があることなのかもしれない。 閉塞感に満ちていて、読んだあと数日心が沈む。 早く明るくなりたい。 だけど、わずかな、わずかな希望を見つけられる気...
高校生以来、20年ぶりに読む! 言葉で伝えられることはとても少ないのかもしれない。 いや、そもそも伝えると言うこと自体、本当は無理があることなのかもしれない。 閉塞感に満ちていて、読んだあと数日心が沈む。 早く明るくなりたい。 だけど、わずかな、わずかな希望を見つけられる気もする。
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自分の話をじっくり聴いてくれる相手が居る。それがどれほど救いになるか。 それだけでも人の役に立てるのかもしれないと、優しい気持ちになった。
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闇を鮮やかに描きだしている作品。 みんな誰かと心を通わせたいと思っているのに、うまくいかない。そんなときにただ聞いてくれる存在がどれほど有難いか、そんな人がいてくれたらどれほど人生が明るくなるか。 私も誰かの光になれたらと思えた。
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