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スモールワールズ の商品レビュー

4.2

174件のお客様レビュー

  1. 5つ

    67

  2. 4つ

    75

  3. 3つ

    22

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  5. 1つ

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2024/06/06

加害者・被害者、親子みたいに誰かと誰かの関係性をその人同士が属しているカテゴリで判断してしまう人への戒めになる本。 当たり前だけど人が人に抱えてる感情なんて一言で言い表すことなんてできなくて、好きだ嫌いだなんかでは言えないもっと複雑な感情がグラデーションになって構成されてるよな...

加害者・被害者、親子みたいに誰かと誰かの関係性をその人同士が属しているカテゴリで判断してしまう人への戒めになる本。 当たり前だけど人が人に抱えてる感情なんて一言で言い表すことなんてできなくて、好きだ嫌いだなんかでは言えないもっと複雑な感情がグラデーションになって構成されてるよなって思い直せる本。 花うたが傑作!

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2024/05/31

子育てと仕事で忙しく、子どもが生まれてから本を読むことはほぼなくなっていましたが、なんとなく手にしたこちらの本との出会いで、本を読む楽しさを思い出し、読書がまた習慣に戻った記念の1冊。 タイトルの通り、それぞれの小さな世界たちに入り込み旅をさせてもらっている、体験をしたような没入...

子育てと仕事で忙しく、子どもが生まれてから本を読むことはほぼなくなっていましたが、なんとなく手にしたこちらの本との出会いで、本を読む楽しさを思い出し、読書がまた習慣に戻った記念の1冊。 タイトルの通り、それぞれの小さな世界たちに入り込み旅をさせてもらっている、体験をしたような没入感がありました。 独特で、それでいて共感できて新鮮で美しい、たまにコミカルな一穂ミチさんの巧みな表現がちりばめられていることが、読者を引き込む力の要因かなと感じました。 なかでも「ピクニック」の先が気になる展開と、「魔王の帰還」の情景が鮮明に浮かんでくるのが印象深いです。

Posted byブクログ

2024/05/30

少し暖かくてたまにゾワゾワする本。 感情の複雑さ、思考が回る感覚、無常で残酷でありながら希望のある世界。 起伏が激しい訳ではないが、実感に近い。リアルというより、リアリティがある。 全体的に清潔感があって小綺麗な文章。 登場人物が全て完全悪ではなく、完全な善人でもなく、それぞれの...

少し暖かくてたまにゾワゾワする本。 感情の複雑さ、思考が回る感覚、無常で残酷でありながら希望のある世界。 起伏が激しい訳ではないが、実感に近い。リアルというより、リアリティがある。 全体的に清潔感があって小綺麗な文章。 登場人物が全て完全悪ではなく、完全な善人でもなく、それぞれの葛藤と後悔とを重ねて生きてきて、この先も生きていくのだろう。仲間を見つけたような、ひとりじゃない感覚がした。 この世に嫌気がさしていたけど、この本を通して微かな希望が見えた気がする。 もう少し生きてもいいかな、なんて思える。そんな本。

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2024/05/26

 素敵な短編集 イメージで勝手にほんわかで温かい気持ちになるような感じかと思っていたら結構鋭い。色々な趣向が凝らされた作品たちでした。 犯罪者と被害者家族を描いたものと、タクシーの話が、特に好きでした。

Posted byブクログ

2024/05/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【もつれている私生活関係へのいろんな認識】 やるせない、でもたぶん希望がないわけじゃない、6つのストーリー…。 ・・・ ネオンテトラ は熱帯魚の一種で、主人公が家で飼っている、 子どもができない34歳相原美和 が、子どものためとして確保してあった部屋で。 虐待の疑われる、姪・有紗と同じ中学に通う少年・笙ちゃんとコンビニで定期的に会い始める。親切には責任が伴わない、と。… そうなのかな。 魔王の帰還 とは、迫力ある姉ちゃん、森山真央27歳が、夫・勇と離婚したこのことで久しぶりに実家に帰ってきたこと。 弟の鉄二は高校球児だったけど、ある出来事の後に野球部を退部・学校転校になっていた。両親から酷い扱いを受け、おばあちゃんちに引き取られて店番をしている鉄二の同級生・住谷奈々子と、3人チームでの金魚すくい選手権に出ることにする。… 姉ちゃん、強いなー。 ピクニック は、導入部分だけ(じゃない?)、あるいは夢の中。 孫娘の育児に関わった希和子の記憶の話。誰が殺したと言えるのか、という悲劇。… 意識と無意識、夢と現実の境界があいまいになるのは本当に怖い。 そして、いつも弱い立場にあるのは、意識をこれからが芽生え始めたばかりの発達させていく、生まれたばかりの赤ちゃん、子ども。 花うた 秋生が刑務所から、殺傷してしまった男性の妹の深雪と手紙をやりとりしている。 「小さなかけらが足りないだけでダメになるものなんかくだらない」のか。… 二項対立に傾く現実認識を修正していくように。 愛を適量 離婚して一人暮らしする50代教師のもとに、姿を変えた娘・佳澄が帰ってくる。銀行から引き下ろされてしまった500万円は何のため?摘出手術?愛人に騙されたものの補填?… 今日の朝刊でたまたま見た、教職員が自費で教材費などを負担している現状。歪んだ社会、歪んて行く人間関係、愛は量なの? 式日 高校時代の後輩・笙ちゃんの父の葬式に参加する。 光という闇もある、らしい。

Posted byブクログ

2024/05/21

2024.5.20 読了 夫婦、親子、姉弟、先輩と後輩、知り合うはずのなかった他人─生きてゆく中で抱える小さなもどかしさ苛立ち諦めや希望を丹念に掬い集めて紡がれた七つの物語 いい話だなと思って読んでいたら最後にゾワッとさせられたりどうせこれもゾワッとするんだろうと思ってたら最...

2024.5.20 読了 夫婦、親子、姉弟、先輩と後輩、知り合うはずのなかった他人─生きてゆく中で抱える小さなもどかしさ苛立ち諦めや希望を丹念に掬い集めて紡がれた七つの物語 いい話だなと思って読んでいたら最後にゾワッとさせられたりどうせこれもゾワッとするんだろうと思ってたら最後じんわりさせられたりいい意味で結末の読めないお話ばかりでした。 一穂ミチさんは今作が初めましてでしたがああこういう人いるよなを超えたもっと深いところまで人の裏側をしっかり描ける作家さんだなという印象を受けました。

Posted byブクログ

2024/05/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

短編集 ジャムの話が怖かった。 良かれと思って息子・娘に手作りのジャムを贈る母。 まじめとおもっていた夫は亡くなったあとに、仏壇の裏から日記を見つけて浮気をしていたことがわかる。 息子・娘からすると、「理想の家族」を押し付けられて、土日は晩ごはんを家で食べる、など、不満もあることが。 ブログでつながった男と、会おうと言われてあってみる。 最後一緒に泊まろうと言われるが、断る。 翌日からブログへの迷惑投稿が増える。たまたまかもしれないが。 いろんなことで、自分の存在価値として頼っていたいろんなものが崩壊して、 最後はジャムを家中にばら撒いて玄関からでていく。

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2024/05/17

可愛らしい表紙や題名から、想像のつかないくらい重たいというかもがいているお話だけど、 それでも手にとってこの小さな物語を読んで良かったと思わせる一穂ミチの魅力に驚いています。

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2024/05/15

一穂ミチさん初読みでした。(多分) 短編集でどの話も、悲観するようなストーリーなのに、ちょっと違った視点から物語が綴られていて、悲壮感漂う終わりにならない不思議な感覚で読み終えた。 なんだろうね?ずしーんときそうなのに、ずしーんとしながらも清々しい気持ちもあったりして。 まさか!...

一穂ミチさん初読みでした。(多分) 短編集でどの話も、悲観するようなストーリーなのに、ちょっと違った視点から物語が綴られていて、悲壮感漂う終わりにならない不思議な感覚で読み終えた。 なんだろうね?ずしーんときそうなのに、ずしーんとしながらも清々しい気持ちもあったりして。 まさか!って思ったりもして。 ほんと不思議で引き込まれた作品でした。

Posted byブクログ

2024/05/14

自分だったら悲観的になってしまいそうな状況の中に希望を見出すような内容だったり、ほんのりした絶望だったり、色んな感情が書かれた本でした。別の人の人生を間借りして体験するようで不思議な気持ちになりました。私は4篇目「花うた」と5篇目「愛を適量」が特に好きです。

Posted byブクログ