1,800円以上の注文で送料無料

多重人格探偵サイコ 試作品神話 の商品レビュー

4

2件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/03/21

バーコードが読み取っているのは、黒い線ではなく、その間の白地であると何かで聞いた記憶がある。そして、この作品は二つの体を持っている。時事評論と物語だ。どちらが白地でどちらが黒線なのかは分からない。そもそも分類する必要もない。ひとつの器に複数の要素が混ざり合わずに収められている様は...

バーコードが読み取っているのは、黒い線ではなく、その間の白地であると何かで聞いた記憶がある。そして、この作品は二つの体を持っている。時事評論と物語だ。どちらが白地でどちらが黒線なのかは分からない。そもそも分類する必要もない。ひとつの器に複数の要素が混ざり合わずに収められている様は、作品タイトルの多重人格を想起する(創作で一時期もてはやされたが、多重人格とは便利な概念だ)。物語の前半は、ドラマ版の続編を思わせる物語が、著者の『物語の体操』で示した創作法の実践のように展開し、後半は意図的に脱臼させたようなストーリーとなる。作者は一貫して、このシリーズを消費されて忘れられる物語であることを望んでいた。しかし、二十年以上の歳月を経て刊行されたこの小説が、消費・消化されなかったものを浮き彫りにしている。いつの日か、この物語を忘れ去れる日は来るのだろうか?

Posted byブクログ

2023/10/01

今、これを新刊として読んでいることに驚いている。で、なんだかんだ思うことはあるのに、大塚英志の物語が好きなんだよなーと感じる。

Posted byブクログ