レジリエンスの時代 再野生化する地球で、人類が生き抜くための大転換 の商品レビュー
効率化を追い求めすぎて変化に脆弱になっている。気候変動が猛威を振るう中で、それではうまくいかない。ローカルの環境やインフラ、生態系を維持しながら、協調していきていく必要があるという話。 参考になる話も多いが、今のアメリカの話はちょっと特殊な気もした。あと後半繰返しが多い。でも一つ...
効率化を追い求めすぎて変化に脆弱になっている。気候変動が猛威を振るう中で、それではうまくいかない。ローカルの環境やインフラ、生態系を維持しながら、協調していきていく必要があるという話。 参考になる話も多いが、今のアメリカの話はちょっと特殊な気もした。あと後半繰返しが多い。でも一つの考え方を示してくれている。
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経済学者による資本主義的な「進歩の時代」から民主主義的な「レジリエンスの時代」への転換の必然性が書かれた本。 前半は科学的な記載が多く、生物学的・化学的・物理的な原理や過去の発明に基づきながら、現代社会の変化やそれに伴う警鐘を鳴らしている。 あくまでも個人の感想だが、あまりこの...
経済学者による資本主義的な「進歩の時代」から民主主義的な「レジリエンスの時代」への転換の必然性が書かれた本。 前半は科学的な記載が多く、生物学的・化学的・物理的な原理や過去の発明に基づきながら、現代社会の変化やそれに伴う警鐘を鳴らしている。 あくまでも個人の感想だが、あまりこの辺りは頭に入って来ず、経済社会を科学的に捉えるという新鮮さや合理性は強く感じたが、それを自分の論として取り入れるほど解釈することができなかった。 後半は、そういった時代背景も含めて、どのような社会がレジリエンスが高い社会なのかを具体的に述べている。 ・クリーンエネルギーやIoTなどの発展、またそれに伴う監視と分散が実現する非中央集権的なインフラの構築 ・自然災害などの身近に感じやすく、そこから生まれる生命地域主導のバイオリージョンに基づく統治形態及び生命愛に基づくバイオフィリア ・代議制民主正義の発展系である、ピア議会・ピア政治。より地域住民や市民が合議的な議論や権限を持って、行政を運営/意見していくような状態 これらの具体的な将来像が非常にわかりやすく、実現性の高い論旨になっていることに非常に感動した。 時代の変化とそれに応じて何が求められるかという点を哲学や宗教のみならず、科学や社会学などの観点からも論じている部分が刺激的であった。
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おそらく、脱成長という社会を模索するための様々な視点が書かれていたのだとは思うのだが、なかなか読み進めるのに苦労した一冊でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【未知の未知にも複雑に適応することについての、大作。】 「レジリエンスの時代」は、これまでの「進化の時代」と対比して論じられています。 今、人間の営為を再構築する節目にいる、と。 脱成長やポスト資本主義や、などという論はよく聞きますが、 これまでの延長としての議論の枠組みを優に超え、 スケールが、細部への解像度が機を逸していたように思いました。 ・・・ これまでの「進化の時代」が、 効率に焦点を当ててきたこと、 それは、先日読んだ『#アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?』と重なる部分もありました。 しかし本書は経済学だけを語るのではなく、 科学、生態学が深堀され、 人間を物理、自然の中に位置付けて論じらていました。 レジリエンスは、「世界に対する働きかけの様式」。 CASES (complex adaptive social ecological system)という概念を紹介し、 世界を、社会と生態系が一体となっているシステムとしてとらえ、 複雑に、つまり理解の範囲を超える未知の変化を前提として、適応していくという考え方。 既知の未知のみならず、未知の未知、つまり分かっていないことさえ分かっていないことがあることを認め、そのような動きにさえ対応していくこと。 よって、 正確な未来予測の能力を要さずどのような未来にも対応するシステムを工夫する質的能力。 効率から適応への転換。 「進化の時代」のように効率を追求すると、全体のレジリエンスが犠牲になる。 「レジリエンスの時代」には、単独の動きは非効率になるが、協働することで大きな力を発揮する、と言います。 選択の余地を残す 局地ではなく局面で事象を眺める 不均一性を重視する と書くと、とても抽象的な話のように聞こえますが、 生態学の原理を参照して語らていて、大変興味深いです。 適応と変異を社会や生物・生態学外にも当てはめて考える、『#進化思考』とも重なる部分がありますね。 出てくる話は多岐に及びます。 半導体、コロナ、科学的管理法、機械論的宇宙論、熱力学、エントロピー、デカルト、ニュートン、アインシュタイン、アダム・スミス、 負の外部性、市場均衡理論、供給の限界収穫逓減、消費の限界効用逓減、GDP、 緑の革命、土壌流出、ファストフード、薬剤耐性菌感染症、 ベネディクト会修道士、機械式時計、美術の透視図法、遠近法、ガリレオ、 ジョン・ロック、岩石圏、熱帯雨林、放牧、二酸化炭素、 バイオテクノロジー、特許、クリスパーキャス9、GPS、アルゴリズム、フューチャリング、 ショート・ターミズム、リーン生産方式、ゲーミフィケーション、 生物時計、光周性、遺伝子、電磁場、生体電気信号、 フランシス・ベーコン、客観的知識、生物群集、生態遷移、ジョン・デューイ、実用主義、 IoT、マイクロ型送配電網、レイテンシーファクター、フォグコンピューティング、シェアリングエコノミー、 バイオリージョン、エコリージョン、ピア政治、ポルト・アレグレの参加型予算編成、気候市民議会、 バイオフィリア、自然教育、市民科学、ゲーテ、共感。 ゲーテ!!!!!
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米国の経済社会理論家リフキン氏が著した話題な「レジリエンスの時代」。地球を人類に適応させる「進歩の時代」から人類が地球に適応し、自然界と共存する「レジリエンスの時代」への移行を提唱する。災害大国な日本では「脆弱性の克服」と捉えられることが多い。しかし、地球を人類に適応させるので...
米国の経済社会理論家リフキン氏が著した話題な「レジリエンスの時代」。地球を人類に適応させる「進歩の時代」から人類が地球に適応し、自然界と共存する「レジリエンスの時代」への移行を提唱する。災害大国な日本では「脆弱性の克服」と捉えられることが多い。しかし、地球を人類に適応させるのでははく、人類を地球に適応させることがレジリエンスであると著者は説く。「自然を知り、経験すると、人はより幸福で健康になると言うことを、大半の証拠が疑いの余地をなく示している」ということには強く共感できる。
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