京都 の商品レビュー
勉強にはなった。住民の実感とは少し違うところもあると感じる。とはいえ、学術的に俯瞰的・客観的に京都市全体を眺めたら、そういう論点が先に立つことは理解できる。
Posted by
好きな京都を「産業都市」という珍しい視点から分析した本。せっかく面白いテーマなのに、大学教授が書く典型的な読みやすさ未考慮の論文のような構成。オープンデータを使って分析していることは客観的で信頼に足ると思うが、どうしても結論に向かう時に回りくどくなるので、文章力が問われる。この力...
好きな京都を「産業都市」という珍しい視点から分析した本。せっかく面白いテーマなのに、大学教授が書く典型的な読みやすさ未考慮の論文のような構成。オープンデータを使って分析していることは客観的で信頼に足ると思うが、どうしても結論に向かう時に回りくどくなるので、文章力が問われる。この力が弱すぎてなかなか読み進めることができず。元より私のような読者は想定していないのかもしれないが。
Posted by
古都・京都。京都の問題点や発展を妨げている要素を著者は示している。街の風景はくすみ、食も地味すぎだった過去の古都は、現代では「ゆりかご都市」であるとしている。新しい企業は生まれるが、その成長過程でそこから離れて行く都市。大学や民間の研究機関が多く、多様な人材と技術の蓄積があり、...
古都・京都。京都の問題点や発展を妨げている要素を著者は示している。街の風景はくすみ、食も地味すぎだった過去の古都は、現代では「ゆりかご都市」であるとしている。新しい企業は生まれるが、その成長過程でそこから離れて行く都市。大学や民間の研究機関が多く、多様な人材と技術の蓄積があり、スタートアップには最適の都市。だが新規事業をサポートする部門が京都は決定的に弱い。学生は多いが卒業後は留まらない。中心街のオフィス利用比率も異様に低い。華やかに見える古都もいろいろな課題があるのである。
Posted by
<目次> 序章 第1章 京都の経済地理 第2章 京都の町と社会 第3章 京都の町の変容と人口移動 第4章 ゆりかご都市京都 第5章 住む町京都 第6章 観る町京都 終章 <内容> ハードな京都本。経済学のテクニックを使って、近代以降都市化に失敗した京都を分析し...
<目次> 序章 第1章 京都の経済地理 第2章 京都の町と社会 第3章 京都の町の変容と人口移動 第4章 ゆりかご都市京都 第5章 住む町京都 第6章 観る町京都 終章 <内容> ハードな京都本。経済学のテクニックを使って、近代以降都市化に失敗した京都を分析し、一般的な京都の幻想を打ち砕く。田の字地区(上京・下京区)の新たな都市改造がない限り、京都の近代化はなしえないという。またそのための交通問題の提案もされている(高速の市内乗り入れ・環状型地下鉄)。外から見る京都の良さは欠点であり、住む人の発想の転換が必要なのだ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あなたはまだ、本当の京都を知らない。 京都にまつわるいろいろな言説をデータを元に確かめながら、京都の近代を振り返り、また今後の京都の姿を提言する。本当に観光を押し進めるのでよいのかと思っていたので、興味深く読んだ。 京都の町衆の力とその限界。都心と周辺地域の性格。なるほどと思うことも多かったが、それでも著者の提案する田の字区域再開発は難しそうだと思う。よほどのことがなければ、通りの数え歌にも歌われる東西・南北の通りは区画整理に応じないだろうと。 とても難しいだろうけれど、循環系統が環状地下鉄になったらいいな。ところで埋文調査しないで地下を掘ることが可能なんですか?
Posted by
京都の景観、文化などにある定説について、様々な統計データ、参考文献から異なった解釈を示すのが本書。統計に基づき説得力のある見解が示される。 京都では西陣・友禅関係の職人が多く、田の字地区では、お金を出し合って学校を作るなど地域の結びつきが強かった。京都の中心は江戸期以来からの洛...
京都の景観、文化などにある定説について、様々な統計データ、参考文献から異なった解釈を示すのが本書。統計に基づき説得力のある見解が示される。 京都では西陣・友禅関係の職人が多く、田の字地区では、お金を出し合って学校を作るなど地域の結びつきが強かった。京都の中心は江戸期以来からの洛中で自営業者が自宅あるいは周辺に仕事を持つスタイルだった。このため通勤手段の発展、郊外に住むような住む町への発展、職を求める人口の増加や企業の発展がなく、バブル崩壊まで西陣等の勢いも強く、京都市の姿は変わらず、未完の産業都市となったよう。これらのことから京都は田の字地区優先で、その外部のものには冷たいと言われるよう。ただ京都市の南部はハイテク産業が発展しており、新規事業の揺籃の地となっており、大阪・滋賀へのアクセスもよい。そのような要素が京都市の田の字地区外にはあるよう。 最後の政策提言は面白かった。特に新規事業を求める人の揺籃の地として、田の字地区を利用し、働く人口を増やしていくというのは面白いと思った。そのためには観光ホテル乱立や交通の便をなんとかしないといけない。 参考文献も読んでより理解を深めたい。
Posted by
- 1