とにもかくにもごはん の商品レビュー
こども食堂を始めた女性とボランティアスタッフ、利用者や周囲の人々が織り成す群像劇。フィクション的な終わり方ではあるものの、こども食堂を必要としている子の救いになりました風のありがちなまとめ方ではなく、淡々と進行していくのが良い。波子の考え方はとても素敵で見習いたい。牧斗の母親も...
こども食堂を始めた女性とボランティアスタッフ、利用者や周囲の人々が織り成す群像劇。フィクション的な終わり方ではあるものの、こども食堂を必要としている子の救いになりました風のありがちなまとめ方ではなく、淡々と進行していくのが良い。波子の考え方はとても素敵で見習いたい。牧斗の母親も側から見ていると眉を顰めがちな言動をしているが、彼女なりに息子を想っていることも伺え、人間は一面だけで判断できないと改めて気づかされた。日常の延長に当たり前のようにこども食堂が溶け込む地域が増えていきますように。
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「子ども食堂」が舞台の物語。 食堂の発起人の松井波子は、夫を交通事故で亡くし、その夫の生前の思いから子ども食堂を始める。 「クロード子ども食堂」のある1日の物語。 子ども食堂を利用する子は、貧困だったり、シングル親だったり、少なからず何かの理由がある。 子どもが一人で食事をする姿...
「子ども食堂」が舞台の物語。 食堂の発起人の松井波子は、夫を交通事故で亡くし、その夫の生前の思いから子ども食堂を始める。 「クロード子ども食堂」のある1日の物語。 子ども食堂を利用する子は、貧困だったり、シングル親だったり、少なからず何かの理由がある。 子どもが一人で食事をする姿は、切なく感じてしまうけれど、現実、そういう子は多いのだと思う。 子ども食堂ならではの運営の難しさや、子ども・親への接し方が描かれていて、運営する方の思いがより伝わってきた。
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読了後は感動!波子さんが心を揺さぶられる出会いがあって良かった! 何事もやってみないとわからない。えいっ!と踏み出す「はじめの一歩」が大事だなと改めて思った。その一歩がいろんな人とつながっていく幸せを味わえた。
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小野寺史宜さんの最近の作品。 読み終えて、「あっ、この作品は実質一日の内4時間ぐらいを描いた作品だった」のだ!と少し驚いてしまいました(目次を見ていない?)。作品に登場する人々の回想を含めると七年ぐらいのスパンでしょうか? 「子ども食堂」の運営者、利用者である子供たち、親、そ...
小野寺史宜さんの最近の作品。 読み終えて、「あっ、この作品は実質一日の内4時間ぐらいを描いた作品だった」のだ!と少し驚いてしまいました(目次を見ていない?)。作品に登場する人々の回想を含めると七年ぐらいのスパンでしょうか? 「子ども食堂」の運営者、利用者である子供たち、親、そして関連する人たち。それぞれの立場で各章が繋がれていきます。同じ一日の数時間の話なのに、それぞれの目線では何年間もの時が輻輳していきます。 「子ども食堂」を利用する人たちの様々な事情、そして運営する側の心情。色々と考えさせられます。 ストーリーは少し心が温まるよう陽な締めくくり。でも、現実はもっと難しいのではないか?と思ってしまうのでした。 小野寺さんの作品は人を見るめが暖かいですね。 <ここまでが感想です。後はバカなオヤジの極めて個人的な意見です。> 「子ども食堂」をモチーフにした作品は色々と出ていますね。それだけ子供の食育が日本の社会問題として顕在化しているという事でしょう。 実際には厳しい現実があるのは事実だと思います。個人の意思や生き方が尊重されつつある、それは良い方向に向かっていると思います。しかし自分勝手と自己実現・自己主張が曖昧になる。一人一人の個性や能力は平等に扱い尊重するべきです。しかし平等と言いながら社会は自分勝手な基準によってどんどん人間を選別する。すると当然のことながら貧富の差は助長されていく。 良いところだけ強調し、年齢、男女、個々人の様々な能力等々はそれぞれに評価され尊重されるべきでしょう。区別は必要なのだけれど差別はダメだというのは当然のことです。 本当の意味で多様性の時代だと思っています。しかし、社会全体でどこかで何らかの基準を作ってふるいにかける。 そういった社会の中で最終的に一番被害を被っているのは子供たちだと思っています。自分の意思があるかないか?そんなことは関係なく、たとえ意思があったとしてもどうにもなりません。自分が苦しい状況にあるという自覚すら抱く事が難しい。 人間社会の根本問題を解決できるわけではないけれど、そういう社会事情の中で「子ども食堂」というのは意義があると思います。
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子ども食堂についての認識を新たにした。社会に必要なものなのだな。章立てがお洒落だ。登場人物が関わり合い、前向きに話が進む。とにもかくにもごはんがあれば何とかなるのではと思ってしまう。ラストは予想されたが、巧い!
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亡き夫との思い出をきっかけに主人公、松井波子が開いた「クロード子ども食堂」の゙1日が描かれている。 ボランティアスタッフの大学生や近所の主婦、食堂に訪れる親子や老人。ひとりで食べに来る子。食堂のオーナーや波子の息子。 色んな人との繋がりが描かれていて、その繋がりによっての心の変化...
亡き夫との思い出をきっかけに主人公、松井波子が開いた「クロード子ども食堂」の゙1日が描かれている。 ボランティアスタッフの大学生や近所の主婦、食堂に訪れる親子や老人。ひとりで食べに来る子。食堂のオーナーや波子の息子。 色んな人との繋がりが描かれていて、その繋がりによっての心の変化や登場人物の思いが優しく心に伝わって来ました。 最後の登場人物はサプライズ登場みたいで、波子も嬉しかっただろうし、読み手のこちらも嬉しい気持ちと安堵の気持ちになりました。 子ども食堂 今、必要な取組みなのだろうと思います。 でも、いつか「そういえば、子どもは無料でご飯が食べられる子ども食堂って言うのが以前あったね~。」と話せるくらい、普段の食事が安定して食べられる世の中になって欲しいと思いました。
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