救い の商品レビュー
ヤマザキマリのおすすめ本というネット記事から手に取った。(後書きで作者が夫であることを知った!) これぞ、小説の醍醐味という本だった。その分読了に時間がかかったが、たぶん、何度か読むべき本だと思う。 織田信長と豊臣秀吉、千利休といった日本史の中でも濃い人物、濃い時代の宣教師やキリ...
ヤマザキマリのおすすめ本というネット記事から手に取った。(後書きで作者が夫であることを知った!) これぞ、小説の醍醐味という本だった。その分読了に時間がかかったが、たぶん、何度か読むべき本だと思う。 織田信長と豊臣秀吉、千利休といった日本史の中でも濃い人物、濃い時代の宣教師やキリシタンの話という概要だけでも面白いが、主人公のアルヴィーゼという放蕩者が茶の湯に目覚めていく過程がとにかく面白い。内面の変化が心象風景とともに緻密に綴られており、ともすれば退屈になりそうなところを、すずえという人物との関係性、愛の変遷が盛り上げてくれて読み物としても飽きさせなかった。アルヴイーゼの永遠のライバルであるヴァリニャーノとの愛憎関係も面白い。救い、という宗教的、精神的な世界を語っており、理解が難しいところもあるのだが、横糸の下世話(?!)な人間関係が面白く、最後まで飽きさせない。人物造形描写がうまいんだろうな。 個人的にはムーア人の弥助がなんとも魅力的だった。寡黙で大きな体格と無敵の強さながら、音楽の才能に恵まれて忠実であるところなど、登場人物の中で一番安定感があり、出てくるとほっとした。
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