野の医者は笑う 心の治療とは何か? の商品レビュー
面白かった。 アメリカではADHDと診断されてリタリンを処方され治療プログラムを組まれる子が、沖縄ではマブイを落としたと言われマブイグミと呼ばれる魂を込め直す作業をするかもしれないし、アフリカの狩猟民の世界では勇敢な狩人とされるかもしれない。 健康って何だろう。治療って何だろう。...
面白かった。 アメリカではADHDと診断されてリタリンを処方され治療プログラムを組まれる子が、沖縄ではマブイを落としたと言われマブイグミと呼ばれる魂を込め直す作業をするかもしれないし、アフリカの狩猟民の世界では勇敢な狩人とされるかもしれない。 健康って何だろう。治療って何だろう。そんなことを考えさせられる本だった。 この本の結論としては、 ・なにをもって「治癒した」といえるのかは、治療法によって異なる。 ・「治癒」とは、ある生き方のことで、特に「心の治療」とは生き方を与えること。 ・治療とはある文化の価値観を取り入れて、その人が生き方を再構成すること。 ・治癒も生き方もひとつではない。臨床心理学と野の医者は親戚とも言える。 ということなんだと思う。 この著者のドライアイも、就職が決まったらすっかり治ったんだもんな…そんなことを考えると、いくら科学的に正しいとか言われても、点眼薬の処方だって「怪しげな療法」とも見られるのかもしれないよな…。 あと、野の医者と貧困の関連性も、もう少し考えてみたい問題。 ともあれ、私は、マタヨシ博士の「(治療とは)信頼だよ。相手がこっちを信じるか、信頼できるか。どんな治療もそれじゃない?」とか、ちゃあみいさんの「でも誰か、究極に健やかな人っているのかな。みんな病みながら生きていて、それを受け入れるってことがありのままなんじゃないかな」という言葉がとても好きだった。
Posted by
文庫版で追加された部分だけ読むのももったいなく感じて、全編通して読みました。これは再読になるのかな。 今年読んだばかりだったので新しい気づきはないかもしれない、と後ろ向きな気持ちで読み始めましたが、ぐいぐい引き込まれるおもしろさがあり、最後まで楽しく読みました。 野の医者、臨...
文庫版で追加された部分だけ読むのももったいなく感じて、全編通して読みました。これは再読になるのかな。 今年読んだばかりだったので新しい気づきはないかもしれない、と後ろ向きな気持ちで読み始めましたが、ぐいぐい引き込まれるおもしろさがあり、最後まで楽しく読みました。 野の医者、臨床心理学、人の心の治療に携わるということ。それは生活に、人生に結びついていて、治療者もまた、たくましく生きていかなくてはならないということ。終盤の考察、展開がリアルで、東畑さんいいなぁ、と思いました。
Posted by
東畑さんは「若書き」の著書で今となっては不本意な点も多々あるとしていて、確かにそういう面はあるとは思うが名著と言わざるを得ない。沖縄の多分2010年代スピリチュアル界の記録としても貴重。あとがきの8年後の答え合わせにじーんとする。「居るのはつらいよ」の登場人物がたまに登場するのも...
東畑さんは「若書き」の著書で今となっては不本意な点も多々あるとしていて、確かにそういう面はあるとは思うが名著と言わざるを得ない。沖縄の多分2010年代スピリチュアル界の記録としても貴重。あとがきの8年後の答え合わせにじーんとする。「居るのはつらいよ」の登場人物がたまに登場するのも嬉しい。シンイチさんのメッセージがこれまた胸アツ。
Posted by
【若き臨床心理学者の冒険譚にして青春物語】就職活動に傷つき、「心を癒やす職業とはなんだ?」と東畑青年は沖縄の民間セラピーを受け続ける。真摯な学術エンターテインメント!
Posted by
- 1
- 2