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京都SFアンソロジー:ここに浮かぶ景色 の商品レビュー

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2023/10/28

京都を知る8人によるアンソロジー。WEBメディア、KAGUYA Planetに参加している作家の中から募ったようだ。日本SF作家クラブの会員から、ここ数年で新人賞などを受賞した若手まで。 京都の第一の特徴といえばやはり"歴史"だろうか。そのイメージがSF的に転...

京都を知る8人によるアンソロジー。WEBメディア、KAGUYA Planetに参加している作家の中から募ったようだ。日本SF作家クラブの会員から、ここ数年で新人賞などを受賞した若手まで。 京都の第一の特徴といえばやはり"歴史"だろうか。そのイメージがSF的に転換すると、"歴史が失われた京都"になるのかもしれない。今あるものを保ったままSF要素を足すのではなく、"もしなかったら?"を軸にした世界。ほとんどの作品にそういった設定があり、興味深い。編者はあとがきで「(そういう伝え方はしていないのに)<記憶>とか<過去の蓄積>といった要素が共通している」と書いている。 正直なところ意味や展開、結末に「?」となる作品もあり、私には玉石混淆かなと感じられたけれども、おもしろかったのは 「おしゃべりな池」(野咲タラ)、「第二回京都西陣エクストリーム軒先駐車大会」(溝渕久美子)、「シダーローズの時間」(藤田雅矢)。 どれも、愛しいという気持ちが根底にあるようで、美しい作品だと思う。

Posted byブクログ