でぃすぺる の商品レビュー
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今村さん初読み。正直、真相がオカルトだったので、がっかり。途中までの七不思議の話は面白かったし、3人が仲良くなる様子もほのぼのしててよかっただけに、残念。あと、真理子さんは死ぬしかなかったのかなぁってもやもや
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読みごたえがあって面白かった。 子供3人組が頭が良すぎて、推理に関しては大人の設定でも違和感がないくらい。 続きがありそうな感じなので、これもシリーズ化するのかな?
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怪奇ミステリー。小6掲示係は中学並の行動力。全て知ると災厄,奥郷町七不思議。怪異を探り死の真相に近付く。犯人は見抜けなくて当然の存在。半身の懸念残る。
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この作者恐るべし。 1つの事件をきっかけに結託する3人の小学生。 果たしてただの殺人事件なのか、幽霊の仕業なのか。 様々な陰謀が交錯しあい、次第に真実が明かされていく。 と、ここまではよくある展開なのだが他の作品にはない要素が1つ。 それはズバリ作者が今村昌弘氏であるということ。...
この作者恐るべし。 1つの事件をきっかけに結託する3人の小学生。 果たしてただの殺人事件なのか、幽霊の仕業なのか。 様々な陰謀が交錯しあい、次第に真実が明かされていく。 と、ここまではよくある展開なのだが他の作品にはない要素が1つ。 それはズバリ作者が今村昌弘氏であるということ。 きっとこの作品を読んでいる人のほとんどが剣崎比留子シリーズを読んでいることと思う。 であればこの作者が書くミステリといえば、きっと前作品のような非現実的な要素が散りばめているに違いない、と思うだろう。(少なくとも自分はそうでした) 読了後、思えば自分はこの気持ちすら作者に想定されていたのだろうと酷く悔しい気持ちになった。 本当に最後の最後まで展開がわからない、ミステリを超越した作品だと思う。 伏線も随所に散りばめられていてミステリとしても完成度も高い。 ぜひ実際手にとって作者に翻弄されてほしい。
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剣崎比留子シリーズでおなじみ、今村昌弘氏の新刊ということで迷わずに購入。 シンプルながらも不気味なタイトルと書影から、上質なミステリ×怪異モノを期待し読み始めた。 やはり今村先生の作品は面白い。 ミステリ×オカルト×ジュブナイルの魅力に酔いしれ、寝る間も惜しんで一気読みしてしま...
剣崎比留子シリーズでおなじみ、今村昌弘氏の新刊ということで迷わずに購入。 シンプルながらも不気味なタイトルと書影から、上質なミステリ×怪異モノを期待し読み始めた。 やはり今村先生の作品は面白い。 ミステリ×オカルト×ジュブナイルの魅力に酔いしれ、寝る間も惜しんで一気読みしてしまった。 微かな土着信仰の匂いが残り、かつての主要産業の衰退と若者の町離れによって人と共に歳を取るだけの田舎町。 そんな限られた町の中の、限られた時間の、大人の許してくれる範囲でしか身動きできないという、事件を追う側にとっては辛すぎる縛りの中で、掲示係の三人は年齢ゆえの危うさを持ちつつも『七不思議』とマリ姉の殺人事件の関連性へ踏み入っていく。 もうね、「自分が小学生だったときはこんな勇気なかったわ!」とツッコミつつもユースケたちの勇気を賞賛したい。 掲示係の三人も含め、魔女の家に住む謎の老婆に、惜しまぬ協力をしてくれる優男、個性豊かなクラスメイトたちと登場人物も印象に残るキャラばかり。 ミステリとオカルト。政治と怪異。誰が、もしくは『何が』犯人なのかわからない不気味さが、徐々に怖さを掻き立てていく。最後のオカルトを絡めた伏線の回収も素晴らしかった。
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デビュー作『屍人荘の殺人』から4作目。今村昌弘さんは、初めてシリーズ作品ではない作品を刊行した。事件を追うのは3人の小学生だが、ジュブナイルかと思って読み始めると、舐めてかかっていたことに気づかされる。 夏休み明けの2学期初日、主人公のユースケは、優等生のサツキ、転校生のミナと一緒に掲示係になった。取材して壁新聞を作成するのだが、オカルト趣味のユースケは、当然サツキと路線対立するだろうと思っていた。ところが…。 亡くなったサツキの親戚・マリ姉が残していた、六つの怪談。七つ目を知った者は死ぬという。謎めいた援軍も得て、3人は六つの怪談について順に調べ始める。この手の作品のお約束として、3人の行動力、思考力は小学生とは思えない。 小学生の頃、ちょっとした冒険なら誰でも経験があるだろう。そんな懐かしい空気も感じるものの、怪談一つ一つの内容は軽くはないし、町に隠された闇を示唆している。もはや小学生の手には余る気がするが、ますますやる気になる3人。 核心に迫ると、妨害されるのがお約束。中学受験を控えたサツキの両親はいい顔をしないし、先生は壁新聞の掲示禁止を命じる。そんな中で、ユースケがミナの閉ざされた心を解きほぐすのは、数少ないほっとするシーンだ。 はたして本格ミステリかオカルトか? 帯の麻耶雄嵩さんのコメントは、言い得て妙だろう。3人が意見を戦わせて描いてきた構図は、最後にひっくり返る。麻耶さんのように「負けた気分」とまでは言いたくないが、そう来たか。 自分の読後感は『屍人荘の殺人』と極めて近い。あの時感じた老獪なまでのバランス感覚。今回はジュブナイルの要素まで入っているのである。寂れゆく町へ愛着が、物語の根底にあることに注目したい。だからこそ秘匿してきた。 一件落着のような続きがあるような結末だが、聡明な3人には町の外の世界も見てほしい気がする。改めて、マリ姉のご冥福を祈りたい。
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ラストにいくに従って尻すぼみで決して納得できる結末ではないが、ミステリー・オカルト・ホラーのミックス具合が抜群で、しかもユースケ・サツキ・ミナの3人の個性と関係性があますところなく描かれており、かつ小学6年生という活動に制限をかけたところが成功している。「屍人荘の殺人」より人物が...
ラストにいくに従って尻すぼみで決して納得できる結末ではないが、ミステリー・オカルト・ホラーのミックス具合が抜群で、しかもユースケ・サツキ・ミナの3人の個性と関係性があますところなく描かれており、かつ小学6年生という活動に制限をかけたところが成功している。「屍人荘の殺人」より人物が確り描けており、小説としてはこちらの方が面白かった。
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今村昌弘さんの新作。待ちに待ってました。 七不思議を解く、 小学生たちのひと夏を描いた青春ミステリ。 と思いきや、かなり重いドロドロとした話で、 衝撃のオカルト的な展開でびっくりしました。 というのも、作品に登場する七不思議が緻密に構成されており、 いかにもありそうな怪談話...
今村昌弘さんの新作。待ちに待ってました。 七不思議を解く、 小学生たちのひと夏を描いた青春ミステリ。 と思いきや、かなり重いドロドロとした話で、 衝撃のオカルト的な展開でびっくりしました。 というのも、作品に登場する七不思議が緻密に構成されており、 いかにもありそうな怪談話に仕上がっています。 稲川淳二さんが「なんか怖いなーー」と 七不思議を紹介しても問題ないレベルですね。 また、小学生目線の描写が表現豊かに感じました。 六年生最後でたまたま掲示係で主人公3人は仲良くなりますが、 いずれ訪れる別れの切なさ、大人へのあきらめの気持ち、 中学生になる期待、そんな心情も描ききってますね。 少し大人びた考えをしすぎかなとは思いましたが、 作品にする以上は許容範囲だと思います。 ちなみに、タイトルの『でぃすぺる』 意味は「払いのける」、いかにもですね。
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小学6年生。掲示係の3人。 波多野沙月、木島悠介、畑美奈。 はじめは壁新聞のための調査だった。 しかし、調べてたり、聞き込みをしたりしているうちに、様々なことが明らかになり繋がっていく。 波多野沙月の従姉妹が死んだ。 七不思議は、6つまで知られていて、7つ目を知ると死ぬと言われている。 それが理由なのか? 死の真相を探る3人。 dis・Pel →追い散らす、〈心配などを〉払い去る、〈闇などを〉晴らす、一掃する。 奥郷町の七不思議。 なずての会とは? なずて→泥子手神、かつて海の向こうからやってきて、この地を救った神様。 死が電話によって伝染? 作間さん、人でない? 何十年も昔からあの姿のまま。 尾埜上町長が戦う。 なずての会は、怪異と敵対する組織。 作間の正体は、豊木輝彦。 魔女の家の、魔女の兄。傀儡。 怪異の正体は泥子手神。この地に封印された古い邪神。 鉱業によって開発された山から、封印が解け、鉱山の事故後にも葬式が続いた。 呪い?怖い。 簡単に人が死にすぎる。 なぜ小学生だったのかな。 よく謎が解けたと思う。 アニメ化してほしい。 オカルト。
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Amazonの紹介より 『屍人荘の殺人』の著者が仕掛ける ジュブナイル×オカルト×本格ミステリ 小学校最後の夏休みが終わった。小学校卒業まであと半年。 ユースケは、自分のオカルト趣味を壁新聞作りに注ぎ込むため、〝掲示係〟に立候補する。この地味で面倒だと思われている掲示係の人気は低...
Amazonの紹介より 『屍人荘の殺人』の著者が仕掛ける ジュブナイル×オカルト×本格ミステリ 小学校最後の夏休みが終わった。小学校卒業まであと半年。 ユースケは、自分のオカルト趣味を壁新聞作りに注ぎ込むため、〝掲示係〟に立候補する。この地味で面倒だと思われている掲示係の人気は低い。これで思う存分怖い話を壁新聞に書ける!……はずだったが、なぜか学級委員長をやると思われたサツキも立候補する。優等生のサツキが掲示係を選んだ理由は、去年亡くなった従姉のマリ姉にあった。 マリ姉は一年前の奥神祭りの前日、グラウンドの真ん中で死んでいた。現場に凶器はなく、うっすらと積もった雪には第一発見者以外の足跡は残されていなかった。つまり、自殺の可能性はなく、マリ姉を殺した犯人が雪が積もる前に凶器を持ち去ったはず。犯人はまだ捕まっていない。 捜査が進展しない中、サツキはマリ姉の遺品のパソコンの中に『奥郷町の七不思議』のファイルを見つける。それは一見地元に伝わる怪談話を集めたもののようだったが、どれも微妙に変更が加えられている。しかも、『七不思議』のはずなのに六つしかない。警察がこの怪談に注目することはなかった。そして、マリ姉に怪談を集める趣味がなかったことをサツキはよく知っている。 マリ姉がわざわざ『七不思議』を残したからには、そこに意味があるはず。 そう思ったサツキは掲示係になり『七不思議』の謎を解こうとする。ユースケはオカルト好きの観点から謎を推理するが、サツキはあくまで現実的にマリ姉の意図を察しようとする。その二人の推理を聞いて、三人目の掲示係であるミナが冷静にジャッジを下す……。 死の謎は『奥郷町の七不思議』に隠されているのか? 三人の〝掲示係〟が挑む小学校生活最後の謎。 こんな小学6年生でありたかった、という思いを掻き立てる傑作推理長編の誕生です。 題名の「でぃすぺる」ですが、「霧を散らす、払いのける」といった意味の英語です。ということは・・もしかしたらこれだけでどういった要素があるか想像できるかもしれません。 小学生達の推理力は大人顔負けで圧巻でした。 最初の段階では、七不思議を解き明かすということで、ひと夏の経験的な爽快感のあるミステリーかと思っていました。 活躍している姿は、ズッコケ三人組や少年探偵団を想像させるようで、ワクワクドキドキの連続でした。 実際に現場に行ったり、しっかりと話の裏に隠された矛盾を探ったりと次第に本格的なミステリー⁉︎と思いながら読んでいました。 時折小学生といいましょうか、大人があまり考えないような柔軟な発想もあって面白かったです。 そもそも発端となった七不思議の話のクオリティがとても高かったです。後々、色々と紐解いていくにつれて、明らかになっていくのですが、すげぇと一言では片づけられないくらい色んな仕掛けがあって、面白かったです。 そして、小学生達の推理は「大人」をも巻き込む事態に。 色んなものを巻き込んでの展開はミステリーとしての面白さがありました。このまま「本格的」に展開⁉︎と思ったのですが、事態はオカルトな要素へ。 てっきり正統派なのかなと思っていたので、個人的にはちょっと残念感が頭をかすめました。 ただ、この作品が今村さんの小説だったことに改めて気づきました。今までの作品が、突拍子のない設定や摩訶不思議な世界観を多く手掛けているので、この展開は納得感がありました。 結末としては、今後も「伝統」は続くのでは⁉︎といった含みのある展開だったこともあり、もしかしたら続編があるのかなとも思いました。小学生達が中学生へ。ちょっと期待してます。
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