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仏教興亡の秘密 の商品レビュー

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2024/01/07

 著者はかつて『インド仏教はなぜ亡んだのか』(北樹出版、2004年)で、仏教がインドで衰退した理由について、当時の史料から仏教徒がイスラーム教を受け入れ改宗していった様子を提示しました。その後の論考では、これを梵天勧請に顕著な仏教の寛容思想によると説明されました。こうした論説は著...

 著者はかつて『インド仏教はなぜ亡んだのか』(北樹出版、2004年)で、仏教がインドで衰退した理由について、当時の史料から仏教徒がイスラーム教を受け入れ改宗していった様子を提示しました。その後の論考では、これを梵天勧請に顕著な仏教の寛容思想によると説明されました。こうした論説は著者の『インド宗教興亡史』(ちくま新書、2022年)でも言及されていましたが、ちくま新書がインド数千年の歴史を概説するものだったのに対し、本書ではテーマを仏教の興亡に絞って詳述しています。  梵天勧請は、悟りを開いたブッダがバラモン教の主神である梵天(ブラフマン)から他者へ法を説くよう勧められたという伝承です。つまりこの他宗教の働きかけがあってこそブッダは仏教の開祖となったわけです。本書ではそれを西方文明や日本古来の宗教と「神仏習合」してきた事例で解説していきます。 「寛容」は本書のキーワードの一つで、仏教は寛容ゆえに世界宗教に成長し、同時に寛容が仏教の衰退・消滅の原因にもなりました。寛容は決して万能ではないのです。

Posted byブクログ