血も涙もある の商品レビュー
まずタイトルに惹かれた。『血も涙もある』どういうことだろう?加えて意味深なカバー。よく見ると不気味なのだがそれよりもあらすじが気になり手に取った。そして、主人公が同世代の35歳の女性。これは読みたい! 山田詠美さんってどんな作風だっけ?というほど私にとってご無沙汰の作家さん。 登...
まずタイトルに惹かれた。『血も涙もある』どういうことだろう?加えて意味深なカバー。よく見ると不気味なのだがそれよりもあらすじが気になり手に取った。そして、主人公が同世代の35歳の女性。これは読みたい! 山田詠美さんってどんな作風だっけ?というほど私にとってご無沙汰の作家さん。 登場人物は、料理研究家の沢口喜久江、夫の太郎、その不倫相手で沢口の助手を務める和泉桃子。章ごとに語り手が変わる。喜久江を尊敬し、太郎と不倫関係にあることとそれとは別次元の話であると考える桃子、夫の不倫を知りながら受け入れる喜久江、不倫をしながら妻を愛していると語る太郎。思考や言葉遣いが独特だが、ある種現代風で、読みやすい。誰かに共感できるわけではないが、こんな人もいるんだな、という、他人の心を覗きたくなるような心理に駆られてページをめくる手が止まらない。 平松洋子さんによる解説、「本作における料理」についての考察も秀逸なので最後まで読んでほしい。
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独特の言葉遣いのモノローグに最初は嫌気がさし、久しぶりに山田詠美の作品を読んだけどこんな感じだったっけ?という印象。 慣れてしまえば読み進められた。 桃子のモノローグ部分はイライラもしたけど共感するところも少しあって、喜久江のモノローグ部分は仕事も家庭も完璧な料理研究家、という...
独特の言葉遣いのモノローグに最初は嫌気がさし、久しぶりに山田詠美の作品を読んだけどこんな感じだったっけ?という印象。 慣れてしまえば読み進められた。 桃子のモノローグ部分はイライラもしたけど共感するところも少しあって、喜久江のモノローグ部分は仕事も家庭も完璧な料理研究家、という自分が作り上げたイメージとは裏腹の心情に共感と哀しみを感じ、太郎のモノローグ部分は腹立つことばかりだった。 結末というより、過程を楽しむ作品なのかも。
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「私のことだま漂流記」を読んで、 これまで読んだことのなかった山田詠美作品を読みたくなった。 個人的には表紙が好き。タイトルも。 料理と恋愛(不倫?)という、似てないようで似ているところがある。上手いなぁ。 不倫に興味はないし、否定派だけど、 3人とも応援したくなる。 みんなそれぞれの本音があるよね。当人にしかわからない。幸せになってほしいと思いながら読む。 月が綺麗ですね。なんて、ベタだけど、好き。 似合ってる。 他の作品も読みたくなった。
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「私の趣味は人の夫を寝とることです。」の一言から始まる本作。 少し皮肉めいて、でも、仕方ないと言わんばかりの開き直り方でそう語る主人公の一人がとても魅力的に思えた。 私は器用ではないので浮気はしたことがないが、自分の気持ちに素直に行動できるのが羨ましいと思った。 同時に、「寝...
「私の趣味は人の夫を寝とることです。」の一言から始まる本作。 少し皮肉めいて、でも、仕方ないと言わんばかりの開き直り方でそう語る主人公の一人がとても魅力的に思えた。 私は器用ではないので浮気はしたことがないが、自分の気持ちに素直に行動できるのが羨ましいと思った。 同時に、「寝取られる側」にもプライドや意志があることも印象的だった。 浮気されても最後に帰ってくれればいいという覚悟。 そうやって我慢するのは癪だなと思うから、私の恋愛は長続きしないんだなと悟った。けど癪には変わりなくてもやもやした。
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大の山田詠美好きとしては最高の作品。というかエイミー語録として最高。 山田詠美の言い回し、比喩といった言葉の使い方が堪能出来る。もちろん内容もエイミーらしく爽やかでねちっこい。 今の時代、社会の倫理観に反することをすれば第三者からも責められてしまうけれど、男女の関係は男女の数...
大の山田詠美好きとしては最高の作品。というかエイミー語録として最高。 山田詠美の言い回し、比喩といった言葉の使い方が堪能出来る。もちろん内容もエイミーらしく爽やかでねちっこい。 今の時代、社会の倫理観に反することをすれば第三者からも責められてしまうけれど、男女の関係は男女の数だけ正解があるんだから、知らないやつは黙ってな、というエールだと受け取った。
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憧れの料理研究家、喜久江のもとで助手として働く桃子は、喜久江への尊敬の念はそのままに、喜久江の10歳年下の夫、太郎といわゆる不倫関係になる。 夫婦であり師弟であり、恋人である桃子、喜久江、太郎のそれぞれの言い分に、さもありなんと納得してしまう。愛し方、愛のかたちは人それぞれ。的外...
憧れの料理研究家、喜久江のもとで助手として働く桃子は、喜久江への尊敬の念はそのままに、喜久江の10歳年下の夫、太郎といわゆる不倫関係になる。 夫婦であり師弟であり、恋人である桃子、喜久江、太郎のそれぞれの言い分に、さもありなんと納得してしまう。愛し方、愛のかたちは人それぞれ。的外れな外野の声は聞かなくていい。自分だけのセオリーや倫理があればいいのだ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
私の趣味は人の夫を寝盗ることです。などと、世界の真ん中で叫んでみたいものだ。〜 の一節から始まり、不倫について、恋人、妻、夫、恋人、妻、夫、そして取り巻く人達の視点で章が分かれている。 恋人は自由を謳歌しており、夫は恵まれた環境に窮屈さを感じて女を求める、妻はそれを見て見ぬふりしながら最後は妻の元に帰ってくるしかないのよと過ごす。 恋人はいい加減だし、夫も妻を舐めてるし、妻が1番現実的で苦を背負っている。 妻しか共感できなくて、他はなんていい加減な人達だろうと。2人は遊びに過ぎず、恋人はふらふらと色んな男を食っていくだろうし、夫は本当に愛しているというかいて当たり前な存在が妻なんだよと都合のいいことを言っている。 「不倫の三角関係がおっきいスキャンダルに発展するのは、少なくともそのうち二人が成功したビッグネームだった時だけなのよ!」p213 という台詞でスカッとした笑 でもやっぱり、二人の考え方が軽薄すぎて嫌い!
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普段小説を読む時は情景が映像として頭の中に想像できるけど、本書は文章のスピード感が早過ぎて、、、言葉そのものとしてスッと入ってきました。恋人、妻、夫の3人から話をそれぞれ聞いているような錯覚に陥るくらい。 山田詠美さんは人生において“たいせつなもの”を教えてくれる。さすが、山田...
普段小説を読む時は情景が映像として頭の中に想像できるけど、本書は文章のスピード感が早過ぎて、、、言葉そのものとしてスッと入ってきました。恋人、妻、夫の3人から話をそれぞれ聞いているような錯覚に陥るくらい。 山田詠美さんは人生において“たいせつなもの”を教えてくれる。さすが、山田詠美さんな一冊でした!
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読み始めは、これあんまり好きじゃないかも…と思ってたが、さすが山田詠美先生という感じ。あんまり書くとネタバレになるから言わないけど、非常によかった…
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久しぶりに読んだ山田詠美氏の作品。 言葉の表現の端々から、独特な響きが溢れて来る。 やはり私は作者の作品が好きだと思った。
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