無人島、研究と冒険、半分半分。 の商品レビュー
絶海の孤・南硫黄島での調査の様子を楽しく伝えてくれる本。表紙からしてユニーク。 「鳥類学者だからって鳥が好きだと思うなよ」もそうでしたが、難しい内容もジョークを交えながらかなり砕いて(ときには砕けすぎるところもあるけどそこは愛嬌で)説明してくれるので、どんどん読み進めてしまいま...
絶海の孤・南硫黄島での調査の様子を楽しく伝えてくれる本。表紙からしてユニーク。 「鳥類学者だからって鳥が好きだと思うなよ」もそうでしたが、難しい内容もジョークを交えながらかなり砕いて(ときには砕けすぎるところもあるけどそこは愛嬌で)説明してくれるので、どんどん読み進めてしまいます。 孤島での調査なんて過酷だろうに、その中で些細な楽しみを見つける筆者を含めた研究者の皆さんのバイタリティがすごい。過酷なフィールドワークをする方々に頭が下がります。
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環境保全のための調査が、少なからず環境に影響を与えてしまう、というジレンマを抱えながらそれでも長い目でプラスの成果をもたらそうとする姿勢が良かった。 もう少し冒険の要素が多いほうがエンタメ作品としては面白かったかも。
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南硫黄島は人間の侵入を拒む、絶海の孤島。 だからこその原生状態の生態系が残る、場所。 そんな島での調査と研究の日々は、あまりにも壮絶だった。 ・南硫黄島の地図 ・横から見た図 ・各島との位置関係 ・はじめに 第一部 探検・はじめまして 第二部 熟考・ここが天王山 第三部 灼熱・宴...
南硫黄島は人間の侵入を拒む、絶海の孤島。 だからこその原生状態の生態系が残る、場所。 そんな島での調査と研究の日々は、あまりにも壮絶だった。 ・南硫黄島の地図 ・横から見た図 ・各島との位置関係 ・はじめに 第一部 探検・はじめまして 第二部 熟考・ここが天王山 第三部 灼熱・宴もたけなわ ・あとがき 鳥類学者が綴った科学エッセイは、冒険譚でもある。 小笠原諸島よりも硫黄島よりも更に南に位置する、南硫黄島。 集うのは鳥類・植物・昆虫・陸産貝類・哺乳類・ 海洋生物・地質等の専門家・・・だけでなく、 プロのダイバーや山岳サポートも含めての隊員たち。 僅かな海岸に上陸&荷揚げをし、 大きな石が転がる死の廊下と垂壁をクライミングは 落石と足元の崩れる土砂。巣穴だらけの山頂までの行程と、 難行苦行の連続。しかも山頂では多くの鳥の死体と無数のハエ。 それで終わりかと思っていたら、10年後の調査隊にも 名を連ねているではないの~。しかも更に10年後にも行きたい? 研究者魂というか・・・噛まれると痛い、痛いけど嬉しいだもの。 カフェ・パラディッソの理想と現実には笑っていまったけど、 調査自体の話には目から鱗。特に10年の経過は、島自体の 変化と生物たちの状況が真面目に語られていました。 特に、海鳥を媒介して増加する外来植物の逞しいこと。 更に、ドローンの威力も時間の経過を感じさせられました。 新しい事実もあり、島のことはまだまだわかっていないと 確信し、これからも研究は終わることがないと語る。 果たして10年後はどうなっているのか?行くよね、絶対。
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以前読んだ「鳥類学者だからって鳥が好きだと思うなよ」が面白かったのでこちらも! 上陸調査がほとんど行われたことのない絶海の孤島・南硫黄島。二度に渡る学術調査の様子や鳥類学者視点での発見などが綴られています。 相変わらず「はじめに」から面白い書きっぷりでした。 クスクス笑いなが...
以前読んだ「鳥類学者だからって鳥が好きだと思うなよ」が面白かったのでこちらも! 上陸調査がほとんど行われたことのない絶海の孤島・南硫黄島。二度に渡る学術調査の様子や鳥類学者視点での発見などが綴られています。 相変わらず「はじめに」から面白い書きっぷりでした。 クスクス笑いながら知見を深められて、まさか伏線回収まで体験するとは! 知らないことだらけ、目からウロコでした。 自然豊かに木が生い茂ってるのが原生だと思ってたら、そうじゃない場合もあると知ったのも驚き。 南硫黄島→北硫黄島と調査を進め、その目で現地を見て比較出来たからこそ導きだせた事実。 人を筆頭にすべての存在が影響を及ぼしあって生態系が変化していくんだと、しみじみ感じた。 そのなかでも小笠原諸島における海鳥の機能の大きさがすごい!! すごい事が書かれているのに小難しくなく、こんなに楽しく読ませてしまう川上さん、本当にすごいです。 ユーモアとともに知的好奇心を満たしてくれる読書時間でした。 それと…、今回カツオドリの可愛さに目覚めてしまいました♪
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西ノ島については2021年9月に再調査を予定していたが、8月14日に再噴火し、2022年、2023年も10月に噴火しているため調査保留になっている。 現在の西ノ島の生態系が気になるところですが、本書の舞台は西ノ島でなく南硫黄島です。 川上さんは鳥類学者だから、クロウミツバメやシ...
西ノ島については2021年9月に再調査を予定していたが、8月14日に再噴火し、2022年、2023年も10月に噴火しているため調査保留になっている。 現在の西ノ島の生態系が気になるところですが、本書の舞台は西ノ島でなく南硫黄島です。 川上さんは鳥類学者だから、クロウミツバメやシロハラミズナギドリなど鳥に着目していますが、 調査には昆虫学者や植物学者もいるし、記録班のカメラマンも同行しています。 プロの登山家も、研究者の登山ルートを作ったり、水や食料やテントを運んだりと大活躍しています。 ここは自然保護地域なので、エベレストやヒマラヤと違いお金を払えば来れる場所ではありません。 調査結果だけでなく、調査のプロセスが詳しく書かれていました。 未開の地の調査なので、思いがけないトラブルにもいろいろと出会っています。 例えば、息をすると大量のコバエが口内に侵入してくるなど、凄まじい光景が目に浮かびました。 本書の情報自体は新しいものではなく、2007年と2017年の南硫黄島の調査記録をようやく書籍化したものでした。 NHKと都立大学(首都大学東京)も参加した調査なので、何年か前にNHKスペシャルで観た人もいるでしょう。 書籍化は南硫黄島に関する講演会の後で、一人の少女から「この島の本があれば読みたい」と言われたことがきっかけのようです。 あとがきに「この本はあの時の少女に捧げたい。」とも書いてあって、だから川上さん特有の(若者には通じない)おやじギャグがないことにも納得しました。 ### パラパラ漫画も楽しめました!
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図書館新刊コーナーより。 前に同じ著者の本を読んで面白かったので。 生物多様性という言葉は結構前から言われているけれど、正直ピンと来ていなかった。 なぜ狭いエリアでのことが大事なのか、他のところに同じ生きものがいればいいのではないか、と。 この本に書かれている南硫黄島の環境を...
図書館新刊コーナーより。 前に同じ著者の本を読んで面白かったので。 生物多様性という言葉は結構前から言われているけれど、正直ピンと来ていなかった。 なぜ狭いエリアでのことが大事なのか、他のところに同じ生きものがいればいいのではないか、と。 この本に書かれている南硫黄島の環境を読んで、それが腑に落ちた。 狭い範囲だからこそ、その生きものが果たす役割が大きいということ。 だからこそ、その土地固有の環境が出来上がるということなのか。 公的資金を使っているから、国民に成果を伝える責任があるというのは、どの仕事にも応用できる責任感だと思った。 本編最後の一文はとても共感する。 何かを知れば知るほど、知らないことに気付かされる。
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安定の面白さ。やっぱりハズレないわ。 南硫黄島でのそれはそれは過酷な調査を、いつもの調子でちゃかしたりしながら語る。オプティミスティックというか、ちゃかすことによって、祓いがおこなわれているような(笑)。きっと川上先生はマーシアン移民適正テストで簡単に合格しそうなキャラクタだと思...
安定の面白さ。やっぱりハズレないわ。 南硫黄島でのそれはそれは過酷な調査を、いつもの調子でちゃかしたりしながら語る。オプティミスティックというか、ちゃかすことによって、祓いがおこなわれているような(笑)。きっと川上先生はマーシアン移民適正テストで簡単に合格しそうなキャラクタだと思う。ドMなフィールド系研究者の嫉妬心を煽る、たまらない書籍である。 鳥類標識調査や標本についてもわかりやすく完結に触れられていてとてもありがたいる。まったく温度調節できるもののない場所での腐敗しやすい標本ってどうするんか?、化学系の薬品?とか思っていたら、なんと塩漬、まあ汎用性高いですし、なんせ安全ですし、なるほどなぁ、、と。普段恵まれた環境での調査しかしていないので、ほんとにAWE。 トリダカラダイジョウブ、トリダカラダイジョウブ
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小笠原諸島にある南硫黄島を七転八倒、抱腹絶倒、紆余曲折しながらも研究者目線で調査するお話し。 耳慣れない島での生活を送るためには、用意周到な準備が重要であることは元より、調査に必要なアイテム類をどのように扱うかなどなど面白おかしく書かれていて、他には類を見ない一冊なのかなと感じ...
小笠原諸島にある南硫黄島を七転八倒、抱腹絶倒、紆余曲折しながらも研究者目線で調査するお話し。 耳慣れない島での生活を送るためには、用意周到な準備が重要であることは元より、調査に必要なアイテム類をどのように扱うかなどなど面白おかしく書かれていて、他には類を見ない一冊なのかなと感じた。
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南硫黄島での調査の様子が面白おかしく書かれていて、楽しかった。パラパラマンガも面白かった。何度か調査を行っていても、分からないことはまだ出てくるようで、研究に終わりはないのだなぁと思った。
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