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庭のかたちが生まれるとき の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2026/04/12

庭園の作り方ってどこから考えてるの?今まで一度も考えたことがないと思いこの本を読みました。 内容は、福知山観音寺の庭作りの現場のフィールドワークから庭の考え方、道具の使い方、作業のコツなどが紹介されています。 庭づくりには、設計図無しでされていることにびっくりしました。 自然...

庭園の作り方ってどこから考えてるの?今まで一度も考えたことがないと思いこの本を読みました。 内容は、福知山観音寺の庭作りの現場のフィールドワークから庭の考え方、道具の使い方、作業のコツなどが紹介されています。 庭づくりには、設計図無しでされていることにびっくりしました。 自然の石、草木などの2個と同じものが、ないものを組み合わせていき、流れをつくる。また、クライアントの要望があればそれを組んで流れを組み直す。 草木が成長すると見え方が変わるのでまた調整をする。 庭だけをみるのでは、なくもっと遠い山からの流れも考える。 答えのない庭をつくる。 ゴールのない作業。 庭師とは、AIでは、絶対マネ出来ない素晴らしい仕事です。

Posted byブクログ

2026/02/23

『庭のかたちが生まれるとき』は、完成した庭の美しさを論じる本ではなく、形が立ち上がる前段階にある「勢い」をどう読むかを執拗に追う書物だと読めます。 ここでいう勢いは、神秘的な気の話ではなく、石の重心がつくる方向性、地面の傾斜が誘導する視線、水が自然に落ちようとする勾配、そして遠...

『庭のかたちが生まれるとき』は、完成した庭の美しさを論じる本ではなく、形が立ち上がる前段階にある「勢い」をどう読むかを執拗に追う書物だと読めます。 ここでいう勢いは、神秘的な気の話ではなく、石の重心がつくる方向性、地面の傾斜が誘導する視線、水が自然に落ちようとする勾配、そして遠景の山並みが持つ運動感といった、物理的条件が生み出すベクトルのことです。 庭師はそれを見えないまま放置せず、石を仮に据え、動かし、少し角度を変えながら、その場に潜在している方向性がどこに収束するかを探る。その収束点が、あとから振り返れば「形」として見えるにすぎない。つまり形とは最初から存在する設計結果ではなく、場に働いていた力が一点に凝縮した痕跡なのだ、という読みが可能になります。 この視点は、風水、特に形勢派に親しんでいる人には非常に理解しやすいはずです。 山は単なる外形ではなく走り方として読まれ、水は位置ではなく集まり方として読まれる。良い場所とは、静的な配置ではなく力の収束が起きている地点だという考え方です。 たとえば、デレク・ウォルターズが形勢を説明するときも、地形の連続性や来勢の動きを重視しますが、本書で語られる作庭のプロセスもまさにその「勢」をミクロなスケールで扱っています。 しかも興味深いのは、庭の内部だけで完結せず、庭石と遠山とを同じ力学の連続体として読む点です。 借景として視覚的に取り込むというより、庭の石組みを大地の龍脈の断片のように扱い、スケールを横断して同じ原理で空間を読む。その態度に気づくと、日本庭園は装飾的な造形物ではなく、地形の力を圧縮した装置のように見えてきます。 風水に関心のある読者にとって、本書は理論書ではありませんが、「勢いを読むとはどういうことか」を具体的な作業の積み重ねとして体感させてくれる記録です。 形を見るのではなく、形が生まれる前の方向性を読む。その視点を手に入れると、庭だけでなく、山や街並みの見え方まで変わるかもしれません。

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2024/03/16

庭園を眺める事はあっても、作るプロセスをじっくり見た事は無いかも。 職人さんの世界は芸術家の世界なのかな。 そのような世界で生きていく選択肢もあるよって、子供達に学校で教えてあげれば良いな。 ロジックだけが全てではなくて感性が大切だと。 それを評価する術は学校教育には難しそうだ...

庭園を眺める事はあっても、作るプロセスをじっくり見た事は無いかも。 職人さんの世界は芸術家の世界なのかな。 そのような世界で生きていく選択肢もあるよって、子供達に学校で教えてあげれば良いな。 ロジックだけが全てではなくて感性が大切だと。 それを評価する術は学校教育には難しそうだけどね

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2024/03/04

通常、庭を見るときは「幸か不幸か」もう出来上がってしまっている。 出来上がるためのプロセス、どの要素がどんな順序で何と関係してできていくか。 それをつぶさに記録した本。 と言っても、作庭技術というよりは思考法に近い。 親方の指示は「〇〇してみて」、という「てみて」話法(これは不確...

通常、庭を見るときは「幸か不幸か」もう出来上がってしまっている。 出来上がるためのプロセス、どの要素がどんな順序で何と関係してできていくか。 それをつぶさに記録した本。 と言っても、作庭技術というよりは思考法に近い。 親方の指示は「〇〇してみて」、という「てみて」話法(これは不確かさという手触りを感じた時だったり)、「てやる」話法(無情物に対しても情を偶有する「偶有情物」としてとらえる)などという、ような。 そして出来上がった庭も、 「つくられることではじめて、つくらなくてもよかったものになる」と。 図面に書いてあることを実現するだけがものづくりではない。なかなかにハードであり、楽しくもある本。

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2023/11/12

石が据えられ、枝が透かれていくプロセスをつぶさに記録していく。類書は管見にして知らない。 より大きな環境との関係をつくることで見出すこと、「痕跡としての石が、その石を刻印した「もとの状態」を遡行的に現出させる」p.300とか、4章の道具の使い方あたりはとても面白かった。 あと、...

石が据えられ、枝が透かれていくプロセスをつぶさに記録していく。類書は管見にして知らない。 より大きな環境との関係をつくることで見出すこと、「痕跡としての石が、その石を刻印した「もとの状態」を遡行的に現出させる」p.300とか、4章の道具の使い方あたりはとても面白かった。 あと、偸むとか捨てるとか欠くとか。問題を解決するのに、スコープの更新を伴うというのがいい。デザインの思考だ。 ものを作るプロセスを詳しく書こうとすると、どうしても記述がクドくなる。見ればわかるものを精確に言いあてようとするのだから仕方ない。が、これは読み慣れないと読みにくいだろうなとは思う。 私は建築の仕事をしていて、図面や写真と照らし合わせながら、こうしたクドイ記述を読んでいくのが好きだし苦ではないし、なんなら自分で書きもするから、平気なのだけれど。

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2023/10/30

タイトル通り、庭園と庭師をテーマにした本。そして詩学と知恵ともある。こちらは文体を表しているといえる。 庭園と庭師というのは、なかなかニッチなテーマであると思う。 本書で取り上げられるのは京都にある庭園だが、庭園自体は日本中にあるし、観光などで行ったことがある人も多いと思うが、...

タイトル通り、庭園と庭師をテーマにした本。そして詩学と知恵ともある。こちらは文体を表しているといえる。 庭園と庭師というのは、なかなかニッチなテーマであると思う。 本書で取り上げられるのは京都にある庭園だが、庭園自体は日本中にあるし、観光などで行ったことがある人も多いと思うが、ぼくもちょっとした観光用の説明を覗くくらいで、くわしくは知らない。 庭師に関しては接することが少ない、というかぼくはまったくないので、どちらにしろ知らないことばかりなので、興味深かった。 とはいえ、それがおもしろいかどうかはまた別の話ではある。庭園や庭師の情報を載せるだけなら観光パンフレットで充分である。 そこで、著者の工夫がなされるのは、詩学と知恵の部分である。 後者の「知恵」は、庭園や庭師についての情報で、それと著者の視点、または感性によって詩学として再構成される。文体にも気を遣って、リリカルな文章として提出される。

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