派閥の中国政治 の商品レビュー

李昊(著者)

2024/01/14

中国政治に対する理解を深めたいと思い読んだ。
中国共産党結党からの歴史をひもとき習近平政治に至るまでが書かれているので、（派閥の観点から中国近現代史を復習するという意味において）ある程度理解は深まった。

が、いかんせん私自身は政局や権力闘争にほとんど興味を持てないことに改めて気づかされた。
権力を持った中高年男性たちの利益をめぐる争いを、一体どのようにして楽しめばいいと言うのか。
いわゆる「政策選好型」ならまだしも、権力追求的な側面が強い派閥だと、そこに一国民として見るべきものはほとんどなく、ただ政治や権力中枢のジェンダー的偏りに嫌気が差すだけ。
筆者は「少年の頃から権力闘争に強く惹かれた」とあとがきで書いているが、その理由をもっと詳しく書いて、楽しみ方のヒントを与えてほしかった。