こんがり、パン の商品レビュー
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先日のビールのアンソロジーが良かったので、今度も好きな食べ物をチョイス。 これもまた作家さんの独特の個性を感じられる文ばかりで大変美味しかった一冊。これだけ作家さんのいる中で読み心地の順番といいますか、並べる順番がよく考えられてるなぁと感じました。 どのエッセイも良かったけれどとりわけ岸本佐知子さんと開高健さんが良かった。開高健さんの文は、ほぼ同年代だった自分の父の子供の頃の食糧事情を聞いた話と重なり、涙が出ました。 そしてその描写の巧みであることにも感動。エッセイというのはこう書くものなのだなぁと。 大好きな作家さんの作品が多くあり読んだことのある作品もありました。 川上弘美さんのしょうがパンの話の後にそのエッセイに出てきた長田弘さんのしょうがパンのエッセイが来てきちんと読み手の疑問に答える配置になってるのが絶妙。群ようこさんの失敗や林望先生の品のある文体も楽しかった。 冒頭の津村記久子さんと穂村弘さんのエッセイには吹き出しました。冒頭にふさわしい二編。 どこから読んでも美味しい一冊。ごちそうさまでしたという気持ちで読了。 食べてないけども。
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いろんな作家さんの「パンと私」のエッセイがたっぷり。「パンと歴史」「世界のパン」などパンにまつわるいろんな雑学も。 短いものだと2ページとか、サックリ読める。ただ、パン好きな私だけどあまりにもサックリ読めすぎて、後味に残るような1話があまりなくてちょっと残念。 「さすがにこんなに...
いろんな作家さんの「パンと私」のエッセイがたっぷり。「パンと歴史」「世界のパン」などパンにまつわるいろんな雑学も。 短いものだと2ページとか、サックリ読める。ただ、パン好きな私だけどあまりにもサックリ読めすぎて、後味に残るような1話があまりなくてちょっと残念。 「さすがにこんなにパンはちょっと飽きちゃうなぁ…」という感じもしたし、「あそこの店のナントカってパンには、こういう思い出があって」って書いて、そういう作文でおカネが稼げる作家はうらやましいなぁ…って、かなり冒頭で思っちゃった部分もあった。 世界中で食されているパンだけど、国によって全然違うっていうのは興味深い。 つい最近、パレスチナだったかウクライナだったかの子どもが、「おもちゃではなく桶を取って逃げた、配給をもらうときに使うために」というニュースを見ていたたまれない気持ちになった。 解説にも書いてあったけど、願わくば、世界中どこでも「楽しいパンとの時間」であって欲しい。
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いろんな方々が綴るおしゃれだったりノスタルジックだったりするパンエピソードの中で、夜中に暗闇でパンに蜂蜜塗って食う穂村弘の異様さが際立ってて最高でした
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パンにまつわるアンソロジー。 手に取るきっかけになった津村記久子氏をはじめ、今をときめくそうそうたる顔ぶれのほか、すでに亡くなっている作家さんなどの短編も収録されています。 1つのお話が短いものだと2ページでサクサク読めました。 著者のプロフィールが末尾にまとめられているので、...
パンにまつわるアンソロジー。 手に取るきっかけになった津村記久子氏をはじめ、今をときめくそうそうたる顔ぶれのほか、すでに亡くなっている作家さんなどの短編も収録されています。 1つのお話が短いものだと2ページでサクサク読めました。 著者のプロフィールが末尾にまとめられているので、どんな人が書いた話なのか見比べながら読むのが楽しかったです。 フランス文学者の人が数人いて、やはりフランスはパンがおいしいからかしら…と思いました。 サンドイッチの話が出たらしばらくサンドイッチの話が続き、あんぱんの話になると今度はあんぱんが続く…という感じに話の順番が整えられていて、これまた読み比べを楽しめました。 パンと関係ないけれど、穂村弘氏の話の中にあった 「眠れば何もわからなくなる」 という1文が、初見クスッとして、見るほどに深い言葉に感じられ、印象に残りました。
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今年も始まった河出文庫グランドフェア、すてきなブックカバー&トートバッグを入手するための5冊目は大好きな<おいしい文藝>シリーズからのうれしい文庫化その2、パンのエッセイアンソロジー♪ 9月末までのキャンペーンだけど、忘れないうちに応募もしなければ。
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総勢40名の作家達によるパンにまつわるエピソード集。それぞれ全て印象的だったけど、津村紀久子、入江敦彦、開高健なんかは文章が上手いし(何様笑)、澁澤龍彦のは着眼点が面白いし、長田弘のは興味深かった。 ショウガパンうさぎかわいい
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美味しそうな文章もあれば、胸がぎゅっとする文章もある。パンをモチーフしたアンソロジー。 好きな作品 「パンに涙の塩味」開高健 「パン」宮下奈都
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奇しくも和食に関する展示を見に行くという日に、頭の中が小麦でいっぱいになってしまった。 トーストしていない食パンの上をバターあるいはマーガリンがごろごろ転がるのには私も覚えがある……。 エッセイを読んで面白くなることのひとつに自分の人生と重なる瞬間もあるよね。なんて思った一冊。...
奇しくも和食に関する展示を見に行くという日に、頭の中が小麦でいっぱいになってしまった。 トーストしていない食パンの上をバターあるいはマーガリンがごろごろ転がるのには私も覚えがある……。 エッセイを読んで面白くなることのひとつに自分の人生と重なる瞬間もあるよね。なんて思った一冊。他のシリーズも読みたい。 思い出深い某所のパンが食べたくなった。いまだにあの店のあんバタフランスを越えるパンに出会ったことがない。だけどきっと訪れることはないでしょう。記憶の中で美化され続けるあんバタフランス。
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短編ではなくショートショート。 宮下奈都さんの「パン」お母さんが甘いものが嫌いで、子供達も欲していないと思い、パンという名の違う食べ物を作って、お客様にも出して、それがパンでないことを、サンタがいないことった時のように、必死に弟には、悟られないようにパンと呼んだとの逸話が面白い。 入江敦彦さんの「ロバの蒸しパン」京都の蒸しパン屋さんの話が気になり調べたら、京都産業大学近くにあるようだ。今度京都に行ったら、行ってみたい! ちょっと短すぎるが、通勤電車10分のお供には良い。
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腫瘍ができて入院しながら読んだ。 パンだけど美味しい話が書いてあるわけでもなかった、それぞれのパンにちなんだ思い出のようなものをかいた本だった。ご飯ではなく、少し毎食食べるわけではないパンのほうがみんななにかの思い入れのある話があるんだなと思った。
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