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イラク水滸伝 の商品レビュー

4.5

66件のお客様レビュー

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2023/10/31

探検作家(?)の高野氏による、ティグリス・ユーフラテス流域の湿地帯探検紀行。イラク領内のため、治安の悪い中、そしてコロナ禍の中、氏が湿地帯で見聞したこと、そして考察が記されている。氏のすごいところは、「やりたいこと」は一つ明確であっても、状況に応じて好奇心旺盛に柔軟に(そして行き...

探検作家(?)の高野氏による、ティグリス・ユーフラテス流域の湿地帯探検紀行。イラク領内のため、治安の悪い中、そしてコロナ禍の中、氏が湿地帯で見聞したこと、そして考察が記されている。氏のすごいところは、「やりたいこと」は一つ明確であっても、状況に応じて好奇心旺盛に柔軟に(そして行き当たりばったりに)対処していいるうちに、想定していなかった場所や視点、物事に巡り合うことだと思う。今回の旅でも当初はイラク湿地帯にて船に乗って旅したい、という思いから始まったはずが、古代のウル移籍を訪れたり、世界的にも知られていなかった織物を見出したりと、その才能が遺憾なく発揮されている。軽妙な語り口の陰には氏の深い洞察力が隠されている。

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2023/10/26

2023/10/26 なんの計画もせずに、とりあえずやろうと思ったことはやってみるか... 私もそのタイプではあるけど、それでいいのだ。

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2023/10/24

素晴らしいノンフィクション。是非多くの人に読んでもらいたい。こんな秘境がある事も知らなかったし、イラク自体全く知らないので、本当に現地に行ったような経験ができる。素晴らしい本。右から左まで知らない事ばかりの湿地帯に行って現地の人たちと本当に一体化している著者はすごい。感動した!

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2023/10/24

イラクの湿地帯の歴史・文化・生活が言語化されていて素晴らしかったです。シュメール人の頃から続く伝統が失われませんように。私もティグリス川とユーフラテス川のデルタに行ってみたい。

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2023/10/21

高野さんの本は何冊か読んでいて、冒険旅行的な内容が好きだが、今回の作品はちょっと趣が異なる感じがして、それが好きな人もいると思うが(そして学術的には今回の作品は評価されるものだと思うが)、個人的には興味があまり持てない分野だった。

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2023/10/18

ヤバイ国イラクという印象が変わり、この国の歴史に思いを馳せる。アフワールという湿地帯、水の民の生活に触れ、マンダ教徒やイラク料理、タラーデ(舟)作り、マーシュアラブ布のルーツ探しなど人脈に頼りながらの旅の記録。 梁山泊に例えながらの描写が的確で分かりやすくユニークな人々だらけで面...

ヤバイ国イラクという印象が変わり、この国の歴史に思いを馳せる。アフワールという湿地帯、水の民の生活に触れ、マンダ教徒やイラク料理、タラーデ(舟)作り、マーシュアラブ布のルーツ探しなど人脈に頼りながらの旅の記録。 梁山泊に例えながらの描写が的確で分かりやすくユニークな人々だらけで面白かった

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2023/10/13

予約していたこれを受け取ったとき・・正直読む時間が取れず・・どうしようと懊悩した私。 案に相違して、写真が多い事や会話文、しっちゃかめっちゃかの修羅場の様子、場面が流し読みできたので案外早く読了。 どうしても電車に長い時間乗る必要があったため、車中で読んじゃおう! 重いのを覚悟し...

予約していたこれを受け取ったとき・・正直読む時間が取れず・・どうしようと懊悩した私。 案に相違して、写真が多い事や会話文、しっちゃかめっちゃかの修羅場の様子、場面が流し読みできたので案外早く読了。 どうしても電車に長い時間乗る必要があったため、車中で読んじゃおう! 重いのを覚悟して最後は読み切れた。 生きていくために言語,コミュニケーションがいかに重大か、切実に認識できる・・命すらかかっている。 アフワールという湿地たい。 文明の発祥地の一つ、チグリス・ユーフラティス。 歴史では習ったから知っているだけ・・実感を持っての認識がない。 巻末に挙げているお世話になったアカデミズムの方々以外に、いかにイラクイランの人々が在日本では少ないかを知った。 現地は、文字通りのカオス・・混沌の極み。 泥状の土に竿を入れ、ポタリと落ちるところから国を作った・・なんて伝説にぴったりの描写が続くのは読んでいてワクワクさせられる(実際の高野さんと隊長の命がかかった時間は抜きにしても) 吟遊詩人+色男、そして革命のエリートとおよそ平和な日本では見かけない部族、氏族のせめぎあいの国。その足元で蹂躙されている時間はまだまだ続いている女性の姿が。。。 アマダンの理屈では語れない形が浮かび上がる。その背後にある、壮麗なマーシュアラブ布。 100年前のユダヤ人が織った布の色合いの色合いが印象的(本場の赤に対して灰色がかった色彩)・・ナチスが台頭する前の時間だったんだ。

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2023/10/05

久しぶりの高野節。 私達からしたら秘境や聞いたことが無い場所でも、そこには住んでいる人がいて、生活を営んでいる当たり前のことに気づく。 ただ、高野さんは欧米でも研究がされていない場所や、紛争のため鎖国されていて外国人が入ることが出来なかった土地へ行くので、私達からすると未知の世界...

久しぶりの高野節。 私達からしたら秘境や聞いたことが無い場所でも、そこには住んでいる人がいて、生活を営んでいる当たり前のことに気づく。 ただ、高野さんは欧米でも研究がされていない場所や、紛争のため鎖国されていて外国人が入ることが出来なかった土地へ行くので、私達からすると未知の世界になるのだ。 気候変動、上流に出来たダムが原因で湿地帯の面積が減っているそうだ。まさに今行かないと消えてしまう幻の取材だったのかもしれない。今のイラクの湿地帯が消えてしまうだけではなく、紀元前から続いてきた人類の生活の痕跡が無くなってしまうかもしれないのだ。世界的にも価値があるルポだと思う。 水滸伝を欧米の人にどう説明するのかは疑問だが…ついでに水滸伝も知って欲しいものだ。

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2023/10/02

メソポタミア以前からの時間軸、テイグリス=ユーフラテス川の流れ、湿地帯の規模、降るような星空‥言葉も習慣も、日本に生まれ育った私にとっての「当たり前」や「常識」がまったく通用しない世界。これまで世界史の教科書で暗記したワードがポンポン出てくるし、史実なのか伝説なのか謎は謎をよび、...

メソポタミア以前からの時間軸、テイグリス=ユーフラテス川の流れ、湿地帯の規模、降るような星空‥言葉も習慣も、日本に生まれ育った私にとっての「当たり前」や「常識」がまったく通用しない世界。これまで世界史の教科書で暗記したワードがポンポン出てくるし、史実なのか伝説なのか謎は謎をよび、頭の中は?と!マークだらけ。 「湿地帯を伝統の舟で旅をする」という当初の目的は前途多難ではじまる前からありとあらゆる不運やトラブルが続くのだが、なんだかんだあっても結局は最高の笑顔で舟に乗れたんだな、と本を閉じた時には思わず貰い泣き笑いしてしまった。そもそも人間は洋の東西を問わず、その文明の始まりから仲間を作り、助け合って(だからこそ余所者を警戒しながら)大自然と共に暮らしてきたのだろう。これまで探検してきたところも凄かったけれど、今回の旅はスケールも情報量も桁違い!写真も絵もわかりやすい。

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2023/10/01

読了。 ウル、ウルク、(自衛隊が駐留していた)サマーワ、チグリス・ユーフラテス川など、歴史の教科書などで馴染みがある地名が続く。 自分の思いどおりには物事が進まない、のんびりした外国の雰囲気が続く中、秘密警察が出てくるくだりだけ雰囲気が緊張感・冷や汗へ変化する。

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