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青を抱く の商品レビュー

3.7

35件のお客様レビュー

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2024/05/12

こういうお話を素直に楽しめなくなったのは、年のせいなのか感性が古くなったからなのか。 BL小説とはこういうもの、と言われてしまうと身も蓋もないんだけど、ここまで恋愛要素の強い作品は正直苦手。特にラブシーンは読むのがしんどかった。 表題作のラストシーンについても、結局そうなっちゃう...

こういうお話を素直に楽しめなくなったのは、年のせいなのか感性が古くなったからなのか。 BL小説とはこういうもの、と言われてしまうと身も蓋もないんだけど、ここまで恋愛要素の強い作品は正直苦手。特にラブシーンは読むのがしんどかった。 表題作のラストシーンについても、結局そうなっちゃうのか、とあまりに予想通りの展開すぎてやや残念。 描き下ろしの短編は可もなく不可もなくといった印象だけど、ラストの「Dear my her」は表題作に含めちゃったほうが良かったんじゃないかなあ。 と、色々思うところはあるんだけど、なんだかんだそれなりにインパクトはあるし、タイトルも表紙も完璧。心理描写の丁寧さ・美しさは一般向けにシフトした近年の作品群と引けを取らないように思う。

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2024/04/14

全体的に「青」を感じるものが散りばめられていて綺麗だった。それは青空だったり、青い海だったり、名前に青という文字が入っていたり、ひと夏の青春のような時間だったり。青に対するこだわりを感じた。 内容自体は少し重めで、植物状態の方がいる家族やLGBTQに関わること。 それでも、宗清と...

全体的に「青」を感じるものが散りばめられていて綺麗だった。それは青空だったり、青い海だったり、名前に青という文字が入っていたり、ひと夏の青春のような時間だったり。青に対するこだわりを感じた。 内容自体は少し重めで、植物状態の方がいる家族やLGBTQに関わること。 それでも、宗清と泉のふたりが触れ合うシーンでは少女漫画のようなトキメキを感じ、前半で集めた点が後半で線になって繋がった時にはびっくりした。私の中ではとても満足度の高い1冊だった。

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2024/03/25
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感動系BL。正にそれ。 恋愛感情の描写が深くて表紙の如く青のイメージ。 血よりも濃いもの。 不思議な血の濃さ。 どちらもわかるよ。 こうだったらいいな、という展開で良かった。何と言うか、憧れる。

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2024/08/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

とにかく心に刺さる言葉がたくさんあったし、描写が綺麗すぎて青や海って美しいなぁなんて心底感じた… この前物理の授業で先生が、冬の海の話をしていて、そういえば冬の海って行ったことないなー行きたいなーなんて思ってたちょうどその時にこの小説を読み出して、読んでいる時だけでも海に行った気分になれてよかった。 宗清がこの街に来たのはきっとなにか理由はあるんだろうな…とは思っていたけど、この展開は想像していなかった…やっぱり異性間よりも同性間の絆の方がより尊く、より美しく、感じてしまう…母ふたりの絆も、宗清と泉の絆も、靖野と泉の絆も、どれも強くて尊かった。(2023.10.)

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2024/02/11

一穂ミチさんの作品をはじめて読みました。 読み始めから読み終わりまで天才だなと感じたし、おそらく誰も描けないし、本気ですごいって思いました。 本当に深い話だったし、決して明るくはないけど夏のプールほどには透き通る温かい話だった。 夏に読んで欲しいですね、すっきりすると思います。 ...

一穂ミチさんの作品をはじめて読みました。 読み始めから読み終わりまで天才だなと感じたし、おそらく誰も描けないし、本気ですごいって思いました。 本当に深い話だったし、決して明るくはないけど夏のプールほどには透き通る温かい話だった。 夏に読んで欲しいですね、すっきりすると思います。 この小説は考えるより感じてほしい。

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2024/01/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ふぅーっと読了後に大きく息を吐き、少し放心してしまう、そんな作品だった。 正直半分を過ぎるまでは大きな展開がなく、少し読むのに時間がかかってしまったが、それは登場人物である泉と宗清の関係が近づいていく過程、靖野が眠っている時間の長さの が丁寧に丁寧に書かれているからだと後になってわかる。 そしてそこまで丁寧に書かれていることがあとになってきいてくる。 BL作品を始めて読んだが、性描写も二人の関係性の変化に必要なシーンとして不自然さがなく、読めた。 本編の後にボーナストラックのような章が4つもあるのが嬉しいし、結果一番最後の章に全てを持っていかれた。読んでよかった。 【あらすじメモ】 弟、靖野が海の事故で目を覚さないまま二年が過ぎた主人公、泉。弟の介護のため、地元で在宅ワークに切り替え病院に通う日々の中、日課になっている海岸のゴミ拾いの最中にひとりの男に出会う。名前は宗清。弟にそっくりな外見。 宗清からは好意を寄せられるがつっぱねるものの、次第に宗清の包容力や温かい受け答えに心を開き始め、ついにずっと胸にしまっていた弟が事故に遭う前日に起こったことを告白する。 弟から好きだよと告白されていた。 それに対して反応できず、「無かったこと」のように振舞ってしまった。それが原因で弟が自死をはかったのでは…と心の奥底で悩んでいた。 泉は母親の連れ子で、弟の靖野は再婚相手との子。 しかしここで泉に大きな事実が宗清からつげられる。なんと宗清の母親と泉の母親は、かつて恋人同士で、別れた後たまたま産院で再会しお互いの子供を入れ替えていた。 つまり泉の産みの母親は宗清の母親で、宗清は泉の母親の子供だった。 ここで宗清と靖野の外見がそっくりだったことの種明かしとなる。 最終的に靖野は目を覚ますが、事件直前の記憶は取り戻せない。 ということなっていたがそれは靖野から泉へ2年間介護に時間やお金をかけてくれたことへのお礼、とのことだった。 全てを知った泉の父親が宗清のにかけた言葉を、宗清が靖野にかけるところも胸が熱くなった。

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2024/01/03

初読みの作家さん。もともとフルール文庫で出版していたものを角川文庫で再文庫化したものらしく、中身はがっつりBLなのでそれを踏まえたうえで読むことをおすすめする。ただ、繊細な情景描写、心理描写にうっとりしてしまうほどきれいな文章でなんら抵抗感なく読み進められる。 主人公の泉は海岸...

初読みの作家さん。もともとフルール文庫で出版していたものを角川文庫で再文庫化したものらしく、中身はがっつりBLなのでそれを踏まえたうえで読むことをおすすめする。ただ、繊細な情景描写、心理描写にうっとりしてしまうほどきれいな文章でなんら抵抗感なく読み進められる。 主人公の泉は海岸散歩中に、二年前から海難事故で目を覚まさない弟にそっくりの男、宗清に出会う。その出会いから宗清は泉に好意を抱きアプローチをかけるが、惹かれながらも泉にはある理由からどうしても彼を受け入れることができないという葛藤があった。二人の押し引きにもどかしさを感じつつ、そのもどかしさすらも楽しめる内容となっている。設定として都合よすぎだろ、と思う要素もあるが、あくまでフィクションであることを踏まえながら読むと気にせず物語を楽しめると思う。 また、再文庫にあたって作者による物語の後日談が何篇か読めるのが個人的に嬉しかった。

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2023/12/17

角川版は濡れ場が大きくカットされているらしいけど、それでもそんな場面はあって、エロ小説のような描写では無くとてもリアリティがあって、自分はヘテロだけど受け入れてしまうほどの筆力。でも男同士の恋愛は有りだと思うけど、現実的には自分が当事者になることは想像できない。だから貴重な擬似体...

角川版は濡れ場が大きくカットされているらしいけど、それでもそんな場面はあって、エロ小説のような描写では無くとてもリアリティがあって、自分はヘテロだけど受け入れてしまうほどの筆力。でも男同士の恋愛は有りだと思うけど、現実的には自分が当事者になることは想像できない。だから貴重な擬似体験をさせてもらったと思う。

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2023/12/12

同性愛がテーマのお話。 寛容になった時代…といえばそうなのかなぁ でもみんながそれを受け入れてくれる訳じゃないし… そのまま異性と結婚する人も多そう 本の感想とは違うけれどネッ友さんが恋愛の事で凄く悩んでいたのを思い出すなぁ ネッ友さんは自分の性別ははっきりとは決められないけれ...

同性愛がテーマのお話。 寛容になった時代…といえばそうなのかなぁ でもみんながそれを受け入れてくれる訳じゃないし… そのまま異性と結婚する人も多そう 本の感想とは違うけれどネッ友さんが恋愛の事で凄く悩んでいたのを思い出すなぁ ネッ友さんは自分の性別ははっきりとは決められないけれど男性が好き。恋人の男性はネッ友さんの女性らしい容姿が好きみたいで当人は凄く葛藤していた。 ちょうど話をしている時、乾燥剤を食べて自死しようとしていたらしく話を聞いたら恋人に浮気をされていたみたいで… それでも別れることはできないようだった。「僕を理解してくれるのは彼氏だけなんだ。僕を好きでいてくれるのは彼だけだ」って言って。 私は女性だと自認しているからネッ友さんの気持ちに完全に寄り添うことはできないけれど悲しみ苦しみを友達として受け止めたいと思った。 私の場合は同性を好きになった時がつらかったなぁ 友達の多い人だったから余計に…笑 でも「好き」なんて言葉はどう思われるか怖くて言えなかったし場違いな感じもした。 田舎で身近に同性と恋愛している人はいないし…本当に難しいよね同性との恋って。

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2023/12/11

和佐泉(わさいずみ)には事故で植物人間になっている弟、靖野(しずの)がいる。泉が日課の海辺のごみ拾いをしていたら、靖野そっくりの叶宗清(かのうむねきよ)と出会った。似すぎていて声をかけたのがきっかけで二人は親しくなっていく。また、弟の事故以来心を閉ざしていた泉の心がひらかれていく...

和佐泉(わさいずみ)には事故で植物人間になっている弟、靖野(しずの)がいる。泉が日課の海辺のごみ拾いをしていたら、靖野そっくりの叶宗清(かのうむねきよ)と出会った。似すぎていて声をかけたのがきっかけで二人は親しくなっていく。また、弟の事故以来心を閉ざしていた泉の心がひらかれていく。 フルール文庫(角川)から2015年に出版されていたものを加筆修正しブログ等に掲載していた短編や書下ろしなど、表題の本編に加え短編4つの構成。話の筋は結構おもしろかったけど、いかんせんBLなので(初読)なかなかドキドキしました。エロいシーンも萌えない。冷静にこうやってやるのか!と感心したりした。 かなりハードな描写もあるので高校以上かな。

Posted byブクログ