SOLITAIRE ソリティア の商品レビュー
- ネタバレ
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自分はこの世界において間違っているに違いない。 『ハートストッパー』のチャーリーの姉トリの一人称で語られる物語。コミックより前に書かれたもの。人間関係に馴染めず、大人たちとも相容れず、自分自身すら持て余す。無気力になっているトリの前に現れたのは、自分とは噛み合わない好奇心を持つマイケルと、謎のブログ「ソリティア」だった。 理解のない大人、しっくり合わない友人、死にたくなって泣き暮らす毎日、思い通りにならない世界。周囲の人が皆敵のように、何も考えないバカのように思えて、人と関わるのは煩わしいのに、1人でいるのは寂しい。自分に都合の良いものを求めては傷付く。この物語は、あるタイプの人には自分のことのように響くだろうし、警告が載っているくらいにストレートな表現にのめり込みそうになるだろう。一気に読んでしまった。 自分さえも許せない世界に生きて、怒りを糧にするのはしんどい。すべては重ならなくても、少しだけでも重なる相手を見つけられたら、充分幸せだ。許せない部分があっても、自分を思ってくれる、大切にしたいと思える相手がいるなら、まだやっていける。何も解決していないラストながら、一筋の光はあるように感じた。
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悩み多きティーンエイジャーが現れるとすぐに「キャッチャーインザライ」が引き合いに出されるってセリフ良かった
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