馬鹿と嘘の弓 の商品レビュー
またもや、深く考えさせられる結果となりました。 生きるとはなんなのか、人間とは何をもって認識されるのか。 難しいと簡単に片付けたくはないです。
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森博嗣ファンです。定価では無く、古本屋で手に取った一冊なら良かったと言っていたかも。陳腐でした。そう感じるほどに人物の描写が浅い。私向きではありませんでした。S&M、スカイクロラ、百年などのSFやトーマの心臓はとても良かったのですが、現代社会を描くとなるとこうなってしまうのでしょうか。 どれだけ人々の営みや集団を達観しようとも、生への執着は捨てられないのが柚原の浅さです。彼は人間を馬鹿にして自分は宇宙人なのだと思考で嘯いても、どうしようもなく人間です。さて、無差別殺人犯の罪状を持つ柚原に、刑務所の人々はどう接するでしょうか。彼はプライバシーの無い空間で悠々自適に人権を守られて過ごせるのでしょうか。虚しいですね。 人生が幸せの無い穴のような空虚さであり、それに気づかず前向きにやっていける馬鹿さが彼にあればこうはならなかった。中途半端に賢いと悲惨です。
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