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戦争と交渉の経済学 の商品レビュー

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11件のお客様レビュー

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2026/04/07

暴力や戦争は古今東西で数限りないが、実は人はめったに戦争しない。理由は単純で、戦争には多大なコストがかかり破滅を導くからだ。 本書では、戦争の原因を5つに大別し、戦争を平和的に処理する方法を4つに大別したうえで、平和のための十戒を示している。 ■戦争に至る原因5つ 以下は独立...

暴力や戦争は古今東西で数限りないが、実は人はめったに戦争しない。理由は単純で、戦争には多大なコストがかかり破滅を導くからだ。 本書では、戦争の原因を5つに大別し、戦争を平和的に処理する方法を4つに大別したうえで、平和のための十戒を示している。 ■戦争に至る原因5つ 以下は独立事象ではなく補完的。 1. 戦争の実施を決める権力者に個人的利益があり、かつ戦争による犠牲に対して責任を問われない場合。 2. 名誉、威信、イデオロギー、高揚感など、戦争に無形のインセンティブがある場合。 3. 自身や相手の実力評価、情報に不確実性がある場合。 4. 先制攻撃の利が大きい場合。 5. 「速い思考」により自身や相手を誤認識している場合。 ■戦争を平和的に処理する方法4つ 1. 相手と自分を相互依存関係にする。 2. 権力を分散させ、権力者に説明責任を負わせる。 3. 法、規範、規則を定め執行する。 4. 制裁、調整、自制、共感、非戦インセンティブ等により戦争に介入する。 ■平和への十戒 1. その問題は解決容易か? 2. 誇大な構想を盲信していないか? 3. 党派を無視した解決策を立てていないか? 4. コストが過大になりすぎていないか? 5. 探索と実験をきちんと積んでいるか? 6. 失敗も必要だと受け入れられるか? 7. 忍耐強いか? 8. 目標は合理的か? 9. 意思決定者は説明責任を負っているか? 10. 他者に世界に働きかけしているか?

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2025/10/10

海外の研究者の本にありがちなのだが、同じことを少しずつ角度を変えながら説明している。それはありとしても変化の幅が少な過ぎて同じものを読んでいる気分である。 また本書では簡単のためにパイ図を使っているのであるがかえって分かりにくい感じであまり良くない。

Posted byブクログ

2025/05/27

人々は戦争に注目するあまり、交渉によって戦争が回避されたケースの存在を往々にして忘れる。メディアが映す1つの戦争の裏には99の回避された戦争がある。では、何故戦争が起こるのか。その理由が5つの要因で説明される。対立する両陣営は、基本的に戦争を回避したいと考えている。そして、矛盾す...

人々は戦争に注目するあまり、交渉によって戦争が回避されたケースの存在を往々にして忘れる。メディアが映す1つの戦争の裏には99の回避された戦争がある。では、何故戦争が起こるのか。その理由が5つの要因で説明される。対立する両陣営は、基本的に戦争を回避したいと考えている。そして、矛盾するようだがそのために短期的な紛争を仕掛けることさえある。筆者の研究と活動による平和への着実かつ具体的な指針が学べる一冊。

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2025/02/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

戦争という難しいテーマから逃げず、「何故戦争は起きるのか」を突き詰めた名著。 戦争は良い/悪いという二元論から、(マキャベリズムが言うような)戦争が持つ力を分析し、それが『例外』などだと看破する。なんと希望に満ちた内容だろう! つまり戦争とは「指導者が集団に責任を負わなくて良い場合」「戦争を通じて名誉や地位などを得られる場合」「相手のことを(そして自分のことを)わかっていない場合」「相手を信用できない場合」「誤認識に囚われている場合」に起きやすい、というのが本書の骨子だな。 これをより単純化したのがパイ図の交渉領域なんだけど、利益であれ信念であれ妥協できない状態が戦争を引き起こしてしまうのだ。 別の本でグローバリゼーションや国際的な取り組みは戦争を抑制するという意見をよく目にしたけど、これらの理由のいくつかが緩和されるからなんだろうね。 しかし、戦争はビジネス(経済)を加速させると思い込んでいたけど、実際は悪影響の方が大きいのだな。ここらへんは他の本も読んで確度を高めていこう。

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2025/01/12

戦争というのは利益が相反する両者の均衡が崩れた時に発生するという視点で、戦争を回避する方法、そして平和を維持する方法を解く本。 前半は、交渉という視点で、戦争が如何にレアケースであるかが分析される。ここは結構おもしろかった。戦争というのは両者にとってデメリットが大きいので、そこ...

戦争というのは利益が相反する両者の均衡が崩れた時に発生するという視点で、戦争を回避する方法、そして平和を維持する方法を解く本。 前半は、交渉という視点で、戦争が如何にレアケースであるかが分析される。ここは結構おもしろかった。戦争というのは両者にとってデメリットが大きいので、そこに至らないように事前に交渉が行われる。だから、戦争というのは、利害調整の失敗であり、例外ケースなのだと。 そして、戦争を引き起こすものとして、  ・抑制されない利益  ・無形のインセンティブ  ・不確実性  ・コミットメント問題  ・誤認識 が取り上げられる。 後半は、前半からの反転で、平和を維持する方法が書かれるのだけど、前半部分の言い換えみたいなところがあって、若干ダルかった。 最終章は、戦争回避と平和構築への万能薬はなく、少しずつ実現していく方策を探らなければいけないという、著者の思いが語られる。この漸進的に進めるという信念を整理した「平和工学者のための十戒」は、個人的な人生観にも合っていて、良い言語化だと思った。

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2024/07/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

戦争が起こる理由をゲーム理論など科学の様々な側面から解き明かした本。 戦争が起きる理由は5つある。 ・抑制されていない利益 ・無形のインセンティブ ・不確実性 ・コミットメント問題 ・誤認識 そして平和をもたらす術を述べている。 特に興味深いのが交渉領域の概念である。 客観的にみて交渉可能な範囲のことを指す。 交渉領域が狭いほど戦争が起こる可能性が高まる。 逆に交渉領域が広いほど戦争が起こりにくくなる。 なぜなら交渉領域の範囲は戦争により消滅し、パイが減少するためだ。 戦争より和平を選択した場合の得られる期待が大きいのだ。 普段の生活でも戦争は避けるべきと示し、 そのための手段が提示されている本だった。

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2024/07/07

戦争といった暴力が発生するメカニズムをミクロ経済学の枠組に当てはめて分析する。筆者によれば、世の中のほとんどの対立は暴力までには至らないが、抑制されていない利益、無形のインセンティブ、不確実性、コミットメント問題、誤認識、といった要因があると戦争が発生しやすい。それ以外の自然災害...

戦争といった暴力が発生するメカニズムをミクロ経済学の枠組に当てはめて分析する。筆者によれば、世の中のほとんどの対立は暴力までには至らないが、抑制されていない利益、無形のインセンティブ、不確実性、コミットメント問題、誤認識、といった要因があると戦争が発生しやすい。それ以外の自然災害や経済状況の悪化などは、背景事情であって必ずしも暴力に繋がるわけではないとする。敵対するグループに対して交渉余地があるのであれば暴力を避けるのが合理的であるが、上の5つの要因は交渉領域を狭めるものとなっている。 後半では、暴力に至る5つの要因に基づいてそこに至るのを回避するためのアプローチとして、相互依存、抑制と均衡、規制、介入を紹介する。 筆者の分析は論旨明快で分かりやすく、勉強になった。

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2024/06/10

グローバル化が戦争リスクを減らすとあったが、昨今話題の経済安全保障は逆コースではないのか。独裁者が統治する自給自足可能な大国が戦争リスクが高いと考えられ、現在の世界状況はそれを証明している。

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2024/02/11

レビューはブログにて https://ameblo.jp/w92-3/entry-12840196241.html

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2024/01/13

これは凄い。閉じていた目を開かされた。独裁国の暴力による恫喝や他国への侵攻。断じて許せないと思う。だからと言って戦争は悲惨過ぎる。戦略的に交渉し妥協する他ない。あくまで現実的に考え社会を科学する。一国の政策にはこういう思考が必要だ。

Posted byブクログ