未来散歩練習 の商品レビュー
パク・ソメルさんの未来散歩練習(미래 산책 연습)。光州事件と釜山アメリカ文化院放火事件をを巡り、二人の女性と三人の女性がそれぞれ繋がって二つの輪になって過去と未来の間の現在を「練習」するお話。 ソウルに住む作家の「私」は、釜山にマンションを借りて時々住みながら大家であるチェ...
パク・ソメルさんの未来散歩練習(미래 산책 연습)。光州事件と釜山アメリカ文化院放火事件をを巡り、二人の女性と三人の女性がそれぞれ繋がって二つの輪になって過去と未来の間の現在を「練習」するお話。 ソウルに住む作家の「私」は、釜山にマンションを借りて時々住みながら大家であるチェ・ミョンファンという女性と交流を深めていく。そして釜山アメリカ文化院放火事件あったころ、その事件を近くで働いていて目撃したチェ・ヨンファンの若い時の話も出てきて重層的なお話になる。そしてまた、1982年に釜山に住んでいた中学生のスミと「ユンミ姉さん」とスミの親友のジョンスンとの長い間の交流が語られる。 二つの話が並んで語られるので読みだした最初は状況が分からず戸惑ってしまったが、読み進めていくうちに不思議な感じでこれもいいなあと思うようになってきた。時間軸も前後したり、場所もソウルと釜山と光州だったりする。空間と時間を不思議に行き来するような感覚を受けるお話だった。でも、とても面白かった。
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80年代の民主化運動を体験した世代と、幼いながら見てきた世代は、現在からどのように当時を振り返るのか。街に泊まり、歩いて、食堂、市場、テイクアウトで食べて、喫茶店でコーヒーを飲んで、時間をかけて想いにふける。体験世代からは、明確な答えが得られたわけではなく、むしろ、推しはかりきれ...
80年代の民主化運動を体験した世代と、幼いながら見てきた世代は、現在からどのように当時を振り返るのか。街に泊まり、歩いて、食堂、市場、テイクアウトで食べて、喫茶店でコーヒーを飲んで、時間をかけて想いにふける。体験世代からは、明確な答えが得られたわけではなく、むしろ、推しはかりきれない表情ばかりが見てとれましたが、今を享受できた世代には、何かを受け止めなければいけない使命感を持っていることを感じました。
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内容を咀嚼するには、今の自分には読み込みが必要な本だった。歳を重ねてから読むと今よりもっと自分の中に溶け込んでいく気がする。映画などでその当時の出来事については触れているが、注釈があってより分かりやすい。 「私たちがみたいものを 未来をそれが記憶になるほどまでに生きるなら ある日...
内容を咀嚼するには、今の自分には読み込みが必要な本だった。歳を重ねてから読むと今よりもっと自分の中に溶け込んでいく気がする。映画などでその当時の出来事については触れているが、注釈があってより分かりやすい。 「私たちがみたいものを 未来をそれが記憶になるほどまでに生きるなら ある日それが見えるなら それはもう同じことの反復ではなく、新しい未来となって私たちの前に広がるだろう」
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