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慣れろ、おちょくれ、踏み外せ の商品レビュー

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12件のお客様レビュー

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2025/01/07

“みんな”でいたくない“みんな”のために   ★山﨑健太さん artscapeレビュー 2023年7月6日  「二人はときにポリティカリーにコレクトな規範とも摩擦を起こし、そんな自分の抱える矛盾と向き合い、ざっくばらんに言葉と思考を交わしながら自分たちなりの落としどころを探ってい...

“みんな”でいたくない“みんな”のために   ★山﨑健太さん artscapeレビュー 2023年7月6日  「二人はときにポリティカリーにコレクトな規範とも摩擦を起こし、そんな自分の抱える矛盾と向き合い、ざっくばらんに言葉と思考を交わしながら自分たちなりの落としどころを探っていく。特に能町の率直さは清々しいほどだ。〔…〕森山もまた、クィア・スタディーズの研究者として歴史的な経緯や一般的な定義などをひとまずは押さえつつ、能町に応じるようにして個人的な体感を語ることを恐れない。あらかじめ決まった答えに向かうのではない二人の対話はチャーミングですらある」  「LGBT」に分類して整理したら、終わりじゃない。 「わからない」と「わかる」、「マイノリティ」と「マジョリティ」を 行き来しながら対話する、繊細で痛快なクィアの本。 ときに反抗的で、しなやかな態度は明日への希望に――。 「『普通』や『みんな』という言葉に己を託したり託さなかったり、託せたり託せなかったりする読者のみなさんを、風通しのよい、というよりは強風吹きすさぶ場所へと連れて行ってしまおうというのが私たちの企みです。どうぞ、遠くまで吹き飛ばされてください」(森山至貴「はじめに」より) 「ワクワクだけでも足りません。ヒヤヒヤするかもしれませんし、何か責められたような気分でイライラしたり、何様だコイツ、という思いでムカムカするかもしれません。逆に、全然言い足りてないぞ、と思うこともあるかもしれません。そのくらいのほうが普通じゃないかと思います。そのくらいでないと、私たちも語った甲斐がありません」(能町みね子「おわりに」より)

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2024/11/11

エンタメ、カルチャー好きにおすすめ、対談形式で読みやすいです。とても心に馴染む、時事を含む、「いまの本」なので、普段なら積極的には買わない本なのですが、ブッククラブを始めたし、と買ってしまいました。 改まって「お勉強」するより、カルチャー時評的な雑談、こういうのがいいんですけど...

エンタメ、カルチャー好きにおすすめ、対談形式で読みやすいです。とても心に馴染む、時事を含む、「いまの本」なので、普段なら積極的には買わない本なのですが、ブッククラブを始めたし、と買ってしまいました。 改まって「お勉強」するより、カルチャー時評的な雑談、こういうのがいいんですけど。まあ、うん、なかなかね、承知しております。

Posted byブクログ

2024/05/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトルのインパクトと「クィア」って何?と思い読んでみました。 クィア・スタディーズを専門に研究している森山先生とエッセイストの能町みね子さん、二人によるクィア・スタディーズについての対談形式の本です。 いわゆるLGBTQ+の「Q」は、「クエスチョニング」と「クィアQueer」二つの言葉の頭文字を表しているそうです。 「クエスチョニング」はなんとなく意味わかりますよね。自分自身の性自認や性的指向がまだ定まっていない、またあえて定めていない人たちのこと。 それに対して「クィア」って耳慣れない言葉ですよね。私も今回初めて知った言葉でした。元々はとても侮辱的な言葉なんだそうで、あえて日本語に訳すと「オカマ」だそうです。 「クィア」とは、性的マイノリティや既存の性のカテゴリに当てはまらない人々の総称なのですが、この本の内容を私的にまとめてみると… 性的マイノリティの人々は実際に「いる」のだから、受け入れるとか受け入れないとかではなく、「いる」ことに「慣れろ」というスタンス。分類して整理したら終わりじゃない、カテゴライズするのではなく、踏み外して世界を広げようというような、いわば生き方だったり心意気のことのようです。 多くのセクシャル・マイノリティのアイデンティティの総称として、以下の13個が上がってたんですが、いくつわかりますか? L:レズビアン G:ゲイ B:バイセクシャル T:トランスジェンダー Q:クエスチョニング Q:クィア I:インターセックス A:アセクシャル A:アライ P:パンセクシャル P:ポリアモリー O:オムニセクシャル 2S:トゥー・スピリット 私はこの本を読むまでは7個しか知りませんでした。でもこれ以外にもまだまだいろんなセクシャリティがあるようです。そういえばアロマンティックもノンセクシャルも入ってない…。 ちなみに異性愛者のことはヘテロセクシャル、生まれたときの性と自身の性自認が一致している人のことはシスジェンダーといい、そしてそれ以外の人たちを総称して「クィア」と呼ぶようです。 正直なところ、カタカナ用語がめちゃめちゃ多いし、頭の良い方たちの対話なので、知らない言葉や考え方が当たり前のように話されていたりして、内容を理解するのがちょっと難しかったです。でも改めてセクシャリティってグラデーションだよなぁと。男とか女とか言う前に人間であること。たまには凝り固まった固定観念や「普通」を疑って問い直していかないといけないなぁ…と思いました。

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2024/03/15

頭の良い人たちの会話。 こんな少ない言葉で理解し合ってる…という驚き。 性に関する本は最近読んでなかったけどたまにはアップデートが必要だなと思った。

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2024/02/05

クィアは本来強烈な侮蔑の言葉。 それを逆手にとって、森山先生と能町さんがクィア・スタディーズを語り合う。 かなり踏み込んでいるから、LGBTなどのベースになる知識がなかったら読み進めるのが少し難しいかも。でもとても面白く意義深い対談なのでぜひ読んでほしい。 今まで思いもしなかった...

クィアは本来強烈な侮蔑の言葉。 それを逆手にとって、森山先生と能町さんがクィア・スタディーズを語り合う。 かなり踏み込んでいるから、LGBTなどのベースになる知識がなかったら読み進めるのが少し難しいかも。でもとても面白く意義深い対談なのでぜひ読んでほしい。 今まで思いもしなかったLGBTQ+だけでは片付けられないクィアなことについて、なるほどと新たな発見を多々得ることができました。 LGBTなどの(それに限らず)マイノリティにある立場の人に対して、受け入れるって言葉を使うのは受け入れないという選択肢があるということでもある、それはおかしいんじゃないか、むしろマイノリティ扱いしないで当たり前にそういう人たちがいることに慣れろという考え方には目から鱗で、そっか、わざわざ受け入れてもらわなくていいんだ。と勇気をもらえました。 他にもたくさん感想を言いたいところはありますがこの辺で。 マイノリティって言うけど、本書はたくさんの立場の人たちにも焦点を当てて書かれており、LGBT以外の人たちも包括すれば、もうこれはマイノリティではないのでは?という思いが生まれました。マイノリティなんだけど、堂々とやっていこうと思えました。 ぜひさまざまな人に読んでほしい一冊です。

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2023/12/23

“みんな”から取りこぼされるものとしての“クィア” 易々と包摂されなどしないのだということ ままならない心と身体と共に生きる違和感を手放さないっていう話が面白かった。「ありのままで良い」のもそれはそれで違うだろって。

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2023/11/14

対談の中で、LGBT、マイノリティとマジョリティ、そしてよく分からなかったクィアについて、体験談や識者の論説や社会制度などを踏まえて説明され、いろいろと勉強になった。

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2023/11/12

著者の森山至貴さんについてはまったく存じ上げなかったが、能町みね子さんの名前に惹かれて読んでみた。自分の身体や性の悩みや不安は他人とは比べられないし、人それぞれ好みも考え方もいろいろ。つくづく当事者にしかわからないこと、言われてみればなるほど、と思うことも多くて楽しく読みつつも、...

著者の森山至貴さんについてはまったく存じ上げなかったが、能町みね子さんの名前に惹かれて読んでみた。自分の身体や性の悩みや不安は他人とは比べられないし、人それぞれ好みも考え方もいろいろ。つくづく当事者にしかわからないこと、言われてみればなるほど、と思うことも多くて楽しく読みつつも、無知故に無神経な言動もあったはずの自分にため息しか出なかった。

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2023/10/28

2023年刊。性の多様性を起点に、マイノリティの存在主張や自己保持、マジョリティとの関係性、何気なく使っている言葉に隠れた無意識や暴力性など、対談形式を踏み台として構成・積み上げられた書籍。 「クィア」という聞きなれない言葉はキャッチーだが、実はとてつもなく差別的で、マジョリティ...

2023年刊。性の多様性を起点に、マイノリティの存在主張や自己保持、マジョリティとの関係性、何気なく使っている言葉に隠れた無意識や暴力性など、対談形式を踏み台として構成・積み上げられた書籍。 「クィア」という聞きなれない言葉はキャッチーだが、実はとてつもなく差別的で、マジョリティの自覚のある者が使う妥当性の有る言葉では無い、と来た。先ず、自身に性的マイノリティ・普通でない感がない人がじっくり読み込むのは辛いと感じた。ただ、クィアと言う点ではより普遍的な視点。何かしらの場面でアウェイ感を感じたことがある人なら、理解は可能だとも思った。もっとふざけて、オモシロトークかと想像して読み始めたが、かなり違っていた。無意識の言動に隠れた暴力を、自分も振るっていたかも知れない。思考の経験値を上げるためにも良い本じゃないかと思った。

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2023/09/23

「朝日新聞」書評(20230923) https://digital.asahi.com/articles/DA3S15749014.html 書誌情報(朝日出版社) 目次・著者紹介 https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784...

「朝日新聞」書評(20230923) https://digital.asahi.com/articles/DA3S15749014.html 書誌情報(朝日出版社) 目次・著者紹介 https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255013480/

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