九月と七月の姉妹 の商品レビュー
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全てが誌のような小説だなと思った。 少女たちの目に入る情景も、少女たちが感じる思いも 綺麗だけど残酷だったな。 ジュライは姉の愛に、呪縛にずっと包まれていたいのかそうでないのか。 愛なのか呪いなのか分からないけれど、ジュライにとっては愛で、そして必要なものなんだろうな。
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詩のような文章が美しく、味わうことができてよかったと思う。 自我がなく、境界や記憶が曖昧で混乱しているジュライ視点の文章は、時系列もあっちこっち行き来して理解も難しく読みづらかったが、それはそのままジュライの思考や内面を表していて、最後まで読むとそういうことだったのかと納得(最後まで一人称なので、全てを理解できるわけではないけれど)。 それにしても読んでいくうちに読み手もセプテンバーに支配されていくような気味悪さがあり、ジュライが自身を傷つけることで自分の存在を感じる様はとてもリアルだった。
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十ヶ月違いの姉妹は、姉のセプテンバーと妹のジュライ。まるで双子のようで魅力的な装画である。 だが辛辣でナイフで刺されるような感覚になる。 姉の言いなりで支配下にあるジュライが、学校で起きた事件をきっかけに母と共に亡き父の生家へ引っ越して…。 後半は、ジュライがまるで壊れたかのよ...
十ヶ月違いの姉妹は、姉のセプテンバーと妹のジュライ。まるで双子のようで魅力的な装画である。 だが辛辣でナイフで刺されるような感覚になる。 姉の言いなりで支配下にあるジュライが、学校で起きた事件をきっかけに母と共に亡き父の生家へ引っ越して…。 後半は、ジュライがまるで壊れたかのようで不気味さを感じた。
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読み始めてページに文字がぎっしり詰まっているので、「読めるかな?」と思った。しかし、文章は詩的で読み進むのに苦はなかった。 異様な姉妹の関係、ある事件を契機に引っ越した「セトルハウス」の不穏な雰囲気。ある事件とは何なのか?後半に読者が感じる違和感は何なのか?で終盤まで引っ張る小...
読み始めてページに文字がぎっしり詰まっているので、「読めるかな?」と思った。しかし、文章は詩的で読み進むのに苦はなかった。 異様な姉妹の関係、ある事件を契機に引っ越した「セトルハウス」の不穏な雰囲気。ある事件とは何なのか?後半に読者が感じる違和感は何なのか?で終盤まで引っ張る小説。ホラーとミステリーに詩情を加えて混ぜ合わせた作品。 それなりに楽しめたものの、しばらくすれば忘れてしまうであろう(「どんな内容だったかな〜」)作品かと。
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読み始めた段階で、姉妹の結びつきが限りなく強固なものであることは察せられるのだけれど、ここまでとは。恐れと憎しみ、身を捧げるほどの愛。 10ヶ月違いで生まれた姉に支配され、眠りに飲み込まれて心を病んでいるのかと思っていたら、あの日のショックを受け止めきれないまま日々を過ごしていたのだと分かって、一気に切なくなった。 最初の詩の意味が理解できてくるのが面白かった。ジュライにとって姉はすべてのことに関係してくるから、どこにいても何をしていても姉の姿がチラつくのだ。もはや自分そのものである。 セプテンバーが甲斐甲斐しくジュライのお世話をするから勘違いしそうになるけれど、横からなんでも取り上げていくのは支配に他ならない。けれどすべてを分け合う姉妹に魅力を感じるのも事実。最後の最後まで姉に忠実だったジュライのこと、妹を分身のように扱ったセプテンバーのこと、私は嫌いになれない。セプテンバーもジュライのことを手放せなかったのだろう。
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乗れきれなかった 10か月違いの姉妹という設定があまり理解できなかったためか、最後まで乗れないまま終わった。結局、よく理解できなかったってこと。作者が悪いのではなく、読み手の問題だけれど。
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『九月と七月の姉妹』終始不穏で仄暗い狂気が美しい文章で書かれていてざわざわする。愛憎半ばで支配的な姉と共依存な関係の妹の、妹側からの目線で語られるストーリーの違和感とホラー的雰囲気と緊張感で一気読みしてしまった
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