虹色のパズル の商品レビュー
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先日読んだ『女王さまの夜食カフェ マカン・マランふたたび』(古内一絵)の思い返し用に選んだ『虹色のパズル』(天川栄人)。 ドラァグクイーンが登場する話を別の本でも読んでみたあなぁと思ったので…。 本書はそれだけではなく、その他の【セクシュアル・マイノリティ】や、【ASD】についての物語でもありました。 その言葉、簡単な概要は知っていても、「その人達が何を思い、日々を過ごしているか」という所までは知る事が今までになかったから、 読んでて非常に興味深かった。 そして以下のセリフが気になりました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「みんな違ってみんな地獄なの」上を向いて、天井を見つめる圭一郎さん。その眼には、光がなかった。なんていうか。圭一郎さんって、いつでもハイテンションなハッピーモンスターだけど、心の奥の一番根っこのとこに、すごく暗い部分があるような気がする。もしかしてこの人の明るさって、実はこの世界に絶望しきったその先の、乾いた冷笑なのかも。 ●暗い話はやめて、ハッピーなことを考えましょってこと。恨み合うんじゃなくてさ、どうせなら素敵なところを探して、真似できるなら真似しちゃえばいい。お互い、少しでもマシな地獄になるようにね。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 円形脱毛症で髪が抜けて、見た目が変わり続けてきた事もあって、 「普通の人はこの症状にかかる人の気持ちなんてわかりっこないよなぁー」 ……と暗く思う事が多々あるのですが、 そんな事を思ったところでどうにもならない事も同時に思う事もまた事実。 2つの気持ちが同居しちゃってるからこそ、本書に出てくるキャラクター達が思ってる事ってめちゃくちゃ響くし、 「こんな考えた方あるのか」って読んでて気持ちがマシになる。 思わぬ収穫でした。 「みんな違ってみんな地獄」。 確かに『女王さまの夜食カフェ マカン・マランふたたび』(古内一絵)に出てくるキャラクター達だって内面葛藤してた。 だけど、いろんな地獄抱えた人と知り合って話して共有して、自分をより良い方向に向かわせてたんだったな、と思い出した。 ………そして、 今回の読書で実感したのは「この本の●●という部分について別の本で読みたい」と少しでも思ったものを、すぐに読む事で頭の中で定着するような感覚があったこと。 「読んでない本、まだまだあるから、後日」なんて引き延ばしてると、「何でこの本を読みたいと思ったのか」というそもそもの理由を忘れてしまって、 意味のないことになった事は今までに何度かありました…。 でも今回は違ったし、良い名言も得た。 今度からもこれを実践しよう。
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虹色パズル、なるほどーなタイトルだった。 LGBT+、ゲイ、ドラァグクイーン、リケジョ、同性婚…知ってるようで本当に理解はできてないのかも、と考えさせられた。 私も琴子と同じように、実際周りにいないしな〜なんて思ってしまったけど、見えないからっていないわけじゃない。その通りだと思...
虹色パズル、なるほどーなタイトルだった。 LGBT+、ゲイ、ドラァグクイーン、リケジョ、同性婚…知ってるようで本当に理解はできてないのかも、と考えさせられた。 私も琴子と同じように、実際周りにいないしな〜なんて思ってしまったけど、見えないからっていないわけじゃない。その通りだと思った。簡単になんとかなるものではないけど、性別とか見た目じゃなくて、その人自身を見られるようにしたいものだ。
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自分を押し殺していた中学生が、突然、ドラァグクイーンでゲイのおじさんと過ごしたひと夏の物語。リアルな世界では、ここまでいろんな世界の人たちと出会うことはないだろうなぁと思ったけれど、ずっと会っていなかったおじさんが実はドラァグクイーンだったとか、そんなことが本当にあったらおもしろいなぁと思いました。LGBTQ+への理解の取っかかりになり得るのかはわかりませんが、自分や他者について考えるきっかけになる一冊のように感じます。
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凄く真っ直ぐに『普通とは』を問いてくるお話でした。 ひょんなことから、叔父さんのアイちゃんと姪の琴子ちゃんが短期間一緒に住む事になる。普通と少し離れた2人。2人は違うように見えて似ている。 世の中に違和感を持っていたり、自由に生きるってなんだろう、普通とはなんだろうと思ってる人、...
凄く真っ直ぐに『普通とは』を問いてくるお話でした。 ひょんなことから、叔父さんのアイちゃんと姪の琴子ちゃんが短期間一緒に住む事になる。普通と少し離れた2人。2人は違うように見えて似ている。 世の中に違和感を持っていたり、自由に生きるってなんだろう、普通とはなんだろうと思ってる人、そんな人に読んでもらいたい本です。明るく可愛いアイちゃんに、そして言葉に少し心が解けていきます。
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変わっていると言われる女子中学生琴子は、夏休みにドラァグクイーンのおじさんの家で暮らすことになる。 「普通」って何だろう。LGBTQ+、ASDだけでなく、様々な「普通」に「?」を突きつける。 この物語で窮屈さから逃れられる人もいるだろう。偏見が揉みほぐされる。 僕は子どもの頃か...
変わっていると言われる女子中学生琴子は、夏休みにドラァグクイーンのおじさんの家で暮らすことになる。 「普通」って何だろう。LGBTQ+、ASDだけでなく、様々な「普通」に「?」を突きつける。 この物語で窮屈さから逃れられる人もいるだろう。偏見が揉みほぐされる。 僕は子どもの頃から「普通」がわからなかった。「みんな」と同じでいられなかった。「そういうものなんだ」と開き直っていた。 でも自分と同じ感覚や感性や思考の持ち主と出会えた時に、解放された気持ちになった。やはり窮屈だったんだよね。 だから世界は様々な色や形で満ちていることを伝えていきたい。
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LGBTQ+について知れる児童書。とても読みやすい。世界はカラフルだ。色んな人が色んな生き方を否定されないで生きれたらいいな。自分とは、普通とは、を突き詰めたら難しいけれど、子どもも大人も「普通」を取っ払って考えるきっかけになったらいいな。
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お、タイトルからして攻める気満々できてるぞと読みました。やーよくできてる。LGBTQ+、ASD、各種属性の生きにくさにパズル、要素自体は結構多めに詰め込まれてるのに各人のキャラクターとしてしっかりまとまっているから詰め込んでいる感がない。万人にいい未来を志向したいですね。
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