国籍と遺書、兄への手紙 の商品レビュー
TBSラジオやYouTubeでお話を聞いてファンになったので読む。日本という国が、マイノリティにとっていかに生きにくい場所かということがわかった。中傷を受けても著者のように声を上げつづける人がいることが救い。救われるだけじゃなく、わたしには何ができるだろうと考える。 在特会の人...
TBSラジオやYouTubeでお話を聞いてファンになったので読む。日本という国が、マイノリティにとっていかに生きにくい場所かということがわかった。中傷を受けても著者のように声を上げつづける人がいることが救い。救われるだけじゃなく、わたしには何ができるだろうと考える。 在特会の人たちはきっと、自分自身の人生があまり幸せじゃないのだろうなと思った。辛さのはけ口を、立場の弱い人たちに求めているんだろうな。
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・だからとりわけ身の振り方に気を付けなさい。それがマイノリティとして生きるということなのよ、努力しなさい ・おい、撮れ、この子たちがスナイパーに見えるか?兵士に見えるか?そう見えないなら、ちゃんと撮れ ・お前は!戦争という手段を使って、一部の人間だけで幸せになろうとする奴らを認めるのか! ・静寂を取り戻した駅で、立ち止まって考える。私たちは犠牲を生み出した100年前の社会から、半歩でも前に進めているのだろうか。 ・こうして自分が日本社会で「マジョリティ」でいる限り、差別やヘイトの問題を考えなくて済んだ。 ・「見なければいい」というのは、被害を受けた側だけが日常的に不利益をこうむり続けることを意味している。
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日本人の家庭に育ったと思い込んでいたら、実は父は、在日二世だったと知った著者。父と異母兄との関係の不思議さも、今となれば理解できる。 自分のルーツを探る旅は、苦労の連続。テレビのコメンテーターとして活躍してる著者へ、その出自を絡めた、心無い中傷が届く。 自分は極めてフラットな感覚...
日本人の家庭に育ったと思い込んでいたら、実は父は、在日二世だったと知った著者。父と異母兄との関係の不思議さも、今となれば理解できる。 自分のルーツを探る旅は、苦労の連続。テレビのコメンテーターとして活躍してる著者へ、その出自を絡めた、心無い中傷が届く。 自分は極めてフラットな感覚を持った人間だと思っているので、ヘイトスピーチや差別には嫌悪感がある。が、知らず知らずのちに、見て見ぬふりをしてるのではないかという、後ろめたさもある。家族の歴史を辿り、こうして本にして発表する、著者の勇気を賞賛したい。NHKにはファミリーヒストリー、という、著名人の先祖を探す番組がある。何本か見た記憶があるが、二世三世といった方を対象にした放送はこれまであったのだろうか?ふと、皮肉な気持ちで疑問に思ってしまった。 いろいろ心に残るエピソードや表現はあった。その中で、今の私に響いたのは、或高齢女性の「人間は朝起きて目的がなかったらダメ」と言うような、どうと言うことのないセリフだった。
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家族が亡くなるの辛いな。今は楽だといいな。 国越えて親族探すの大変だ。おじいさんの親族に会えてよかった。 族譜というものに女の名前は載らずただ女、妻など書かれるってあって衝撃的だった。
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安田菜津紀さんの活動に日頃から注目して、記事やコラムもわりと読んでいるので、なんとなく既に知っていることも多かった。 おばあさまの方のルーツが、女性だからはっきりしなかったことで改めて取り組むべき課題を確認されたようだ。いろいろな国内外の不条理な出来事を取材され、写真でも文章でも...
安田菜津紀さんの活動に日頃から注目して、記事やコラムもわりと読んでいるので、なんとなく既に知っていることも多かった。 おばあさまの方のルーツが、女性だからはっきりしなかったことで改めて取り組むべき課題を確認されたようだ。いろいろな国内外の不条理な出来事を取材され、写真でも文章でもわかりやすく伝えてくださる安田さんをありがたく思い、応援していきたい。
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SNSで著者の安田さんがヘイトスピーチの訴訟をされていることなどを目にしていて、ずっと関心を持っていた。 この本は安田さんがルーツを辿る「旅」の記録。 この記録を読むことで、在日コリアンという存在について多くの人が知らない(わたしも国籍に関する本を読むまで知らなかった)ために起...
SNSで著者の安田さんがヘイトスピーチの訴訟をされていることなどを目にしていて、ずっと関心を持っていた。 この本は安田さんがルーツを辿る「旅」の記録。 この記録を読むことで、在日コリアンという存在について多くの人が知らない(わたしも国籍に関する本を読むまで知らなかった)ために起きている数々の偏見や差別、国籍だけでなく性別によっても生まれている偏見や差別が根強く存在していることをひしひしと感じる。 そろそろ9月1日、今年は関東大震災から100年目で、大震災時に起きた朝鮮人大虐殺のこともしばしば耳にする。そして、東京都知事が頑なに追悼式典に追悼文を出さないでいることも。 国籍とか人種とかってなんなんだろうかと思う。
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ー感謝を込めて に この社会に存在する国籍や出自、ルーツや文化の「違い」は「なくすもの」でも「乗り越える」ためのものでもない。 だからこそ「皆、地球人」という、フラットに均してしまう語りにも違和感がある。違いが違いとして、ただそこに自然と存在することができる社会が、生き心地のい...
ー感謝を込めて に この社会に存在する国籍や出自、ルーツや文化の「違い」は「なくすもの」でも「乗り越える」ためのものでもない。 だからこそ「皆、地球人」という、フラットに均してしまう語りにも違和感がある。違いが違いとして、ただそこに自然と存在することができる社会が、生き心地のいい場所なのだと、私は思う。 と筆者の安田菜津紀さんが綴っておられる まったく、同感である。 この国では、 何も考えずぼんやりしていると いつの間にか「みんな」の中に組み込まれてしまい いつのまにやら加害者側に立たされてしまう危惧が おおいにある。 安田菜津紀さんの「写真」と「文章」は いつも その辺りのことを 興味深く じっくり考えさせてくれる。
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安田菜津紀さんは、ポッドキャストでお話をきいたり、他の人の書いた本の中で見つけたり、とにかく注目している人だ。まことに人間らしさにあふれている。 彼女が自らのルーツを巡る本書にも共感いっぱい。 私もヘイトなど許されるはずがないと強く思っている。
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