この限りある世界で の商品レビュー
小林由香さん初めて読みました。非常に読みやすかったです。ページ数も多くなくてサラッと読み切れます。ですが、様々な要素が凝縮された作品だと思います。人ってほんと色んな想い、目線、価値観、考え、状況で生きてますよね。
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中学校の教室内で中3女子がクラスメイトを刺殺する事件が発生。容疑者の少女によると動機は新人文学賞に落選したから。この言葉で受賞した青年がネットで誹謗中傷を受け最悪な結果に…。物語は少女の篤志面接員になった元高校教師の〈結実子〉、青年の担当編集者〈莉子〉の視点で描かれていく。二転三...
中学校の教室内で中3女子がクラスメイトを刺殺する事件が発生。容疑者の少女によると動機は新人文学賞に落選したから。この言葉で受賞した青年がネットで誹謗中傷を受け最悪な結果に…。物語は少女の篤志面接員になった元高校教師の〈結実子〉、青年の担当編集者〈莉子〉の視点で描かれていく。二転三転する少女の動機。一体なぜ同級生を殺害するまでに至ったのか。とにかくしんどい読書だった。最後まで読んでも少女に寄り添う事が私には出来なかった。殺意を持って一線を越えた人間って芯から更生できるのかなって考えてしまう。
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15歳の少女が教室で同級生を刺殺した。少女は犯行動機を二転三転し少年院にやってきた面接委員に本当の犯行動機を見つけて下さいと言う。少女の過去や友人、家族から話しを聞いていくにつれてだんだんと少女の真意に近づいていく。人が罪を犯した時、更生や再スタートはそう簡単ではないと思う。加害...
15歳の少女が教室で同級生を刺殺した。少女は犯行動機を二転三転し少年院にやってきた面接委員に本当の犯行動機を見つけて下さいと言う。少女の過去や友人、家族から話しを聞いていくにつれてだんだんと少女の真意に近づいていく。人が罪を犯した時、更生や再スタートはそう簡単ではないと思う。加害者に対しての世間の厳しい目もあるし、己が犯した事の重大さに本当に向き合う事が出来るのか。障壁は大きいが最終的には人が人を赦す時、再生への道が開かれると思った。
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なめらかに、感情の機微を綴ってゆく。 だから私は小林由佳さんの文章が好きなんだなぁ、、 私もいつか、自分の見ている風景をこんな風に記してみたいな。 『僕らが変わるってことは世界を変えるということとほとんど同じなんだよ』 ....彼の言葉を大切にしたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この作家さんの本を初めて読んだ。最初の2章くらいに思っていた先の展開やテーマが、少しずつ変化していく印象。そこ繋がっていたの?で終わらない最後の章。実は色んな要素がふくまれている小説の印象。 強さ、優しさ、向き合うこと、責任、ネット社会など。半分辺りから一気に読み進めた。最初は苦しかったけれど最後は強さや優しさに触れられた気がして読後感は悪くない。
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素晴らしかった。 久しぶりに読書に没頭できた一冊。 残り少ないページで見えない終わりに、「最後のオチが面白くないパターンかな」という不安を一蹴する見事な顚末。 教育者にはドキッと考えさせられる言葉もちらほらあったのでは。人間心理の動きもとても面白かった。
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篤志面接員が双子だったのは意外だった。 少女がなんだか雰囲気違うことに気づいていたあたり、1回目の面接、2回目の面接、ノートで見返していたところ、伏線はいろいろあった。
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中3の女の子が同級生を殺した。 小説の新人賞に応募したのに落選したから殺した。 殺された子が同級生をいじめていたから殺した。 自分がいじめられていたから殺した。 二転三転する犯行動機。 そして「自分の本当の動機を見つけて欲しい」そういう彼女の真意はどこにあるのか。 一筋縄ではい...
中3の女の子が同級生を殺した。 小説の新人賞に応募したのに落選したから殺した。 殺された子が同級生をいじめていたから殺した。 自分がいじめられていたから殺した。 二転三転する犯行動機。 そして「自分の本当の動機を見つけて欲しい」そういう彼女の真意はどこにあるのか。 一筋縄ではいかない、思春期の難しい感情がうまく書いてあるように感じた。大人びているようで、でも自分の犯した罪は、ただ目の前の殺人だけであるとしか気付けない。 主人公の強引なやり方で、彼女は自らの罪に向き合うようになれたのだろうか?! その時、父親はどうしていたのか?なんとなくもやもやしたものは残るが、いちおう前向きな終わりかたではあったのが救い。
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中学3年の女子生徒が殺人を犯す。少年院で面談した篤志面接委員に「本当の犯行動機を見つけてほしい」と告げる。ネットなどで面白おかしく事件の中傷合戦が始まりそれは不幸な事態を引き起こす。本当の犯行動機は「切なく、愛おしい」ものかもしれないけれど、殺人を正当化する大義名分にはならないも...
中学3年の女子生徒が殺人を犯す。少年院で面談した篤志面接委員に「本当の犯行動機を見つけてほしい」と告げる。ネットなどで面白おかしく事件の中傷合戦が始まりそれは不幸な事態を引き起こす。本当の犯行動機は「切なく、愛おしい」ものかもしれないけれど、殺人を正当化する大義名分にはならないものだと思う。ましてその余波の影響をもろに受けた一人の男性が可哀そうすぎて、なんともやり切れない。
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「本当の犯行動機を探して欲しい」という殺人犯 そこにばかり気を取られていたら、最後の最後でこの2人が繋がってたの?っていうびっくりな展開に 誰か1人だけを悪いと決めつけて裁くことはできないな、と人間の複雑さを思い知った作品 最後の桐ヶ谷さんからの手紙で、彼にも優しさがあって良かっ...
「本当の犯行動機を探して欲しい」という殺人犯 そこにばかり気を取られていたら、最後の最後でこの2人が繋がってたの?っていうびっくりな展開に 誰か1人だけを悪いと決めつけて裁くことはできないな、と人間の複雑さを思い知った作品 最後の桐ヶ谷さんからの手紙で、彼にも優しさがあって良かったと思った
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