ものまね鳥を殺すのは の商品レビュー
色々突っ込みたいところはあるのだけれど、星5つ。 人種問題とか、簡単に矮小化されるテーマで括ってしまうと見えなくなるものがたくさんあるよね。
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『アラバマ物語』といえばグレゴリー・ペックの顔ばかり思い浮かぶ。ちゃんと読んでなかったかもなあ。 途中までたらたら読んでいたが、後半の法廷シーンから俄然面白くなり、あとは一気。 1960年のこの作品発表から63年経っているわけだけれど、進んだところ、強固に変わらないところ、更に...
『アラバマ物語』といえばグレゴリー・ペックの顔ばかり思い浮かぶ。ちゃんと読んでなかったかもなあ。 途中までたらたら読んでいたが、後半の法廷シーンから俄然面白くなり、あとは一気。 1960年のこの作品発表から63年経っているわけだけれど、進んだところ、強固に変わらないところ、更に表面化したところ…読んでいて、二重三重にいろいろ
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ハーパー・リーが自分自身が生まれ育ったアメリカ南部、1930年代のアラバマ州の架空の町メイコンを舞台に描いた自伝的小説。 世界恐慌以来貧困に苦しむ農村、そしてさらにその貧困の底辺にある黒人たち。 主人公のスカウトはまだ小学生になったばかりの少女だが、いつも男の子のようにオーバーオ...
ハーパー・リーが自分自身が生まれ育ったアメリカ南部、1930年代のアラバマ州の架空の町メイコンを舞台に描いた自伝的小説。 世界恐慌以来貧困に苦しむ農村、そしてさらにその貧困の底辺にある黒人たち。 主人公のスカウトはまだ小学生になったばかりの少女だが、いつも男の子のようにオーバーオールを着て、兄のジェムと一緒に遊ぶ。そして、二人には夏休みの間だけ、メイコンに来て過ごすディルという友人がいる。 物語はスカウトと二人の少年を中心に、子どもたちの目線で見た当時の南部の社会を描く。 前半は学校には年に1日だけ来て、毎年落第する貧困家庭の子どもたちや、黒人と白人という明確な差別が残る社会、そして、白人の中にも格差があることなど、当時の南部の暮らしを描いている。 後半は白人の娘(但し、白人の中でも底辺の暮らしをしている家庭の娘)を黒人の青年が襲い、レイプしたとされる事件が起き、スカウトの父で、弁護士であるアティカスが容疑者とされる黒人男性の弁護に立つことになる顛末と、黒人を弁護したアティカスに対する社会の反応が描かれる。 この小説が発表されたのは1960年。61年にはピューリッツァ賞を受賞し、ベストセラーとなる。 作家のハーパー・リーは同時代の売れっ子作家トルーマン・カポーティとは旧知の仲で、物語の中に出てくるディルはカポーティがモデルだとされている。 カポーティが「冷血」というノンフィクション小説を書くための取材活動をしていたときには、彼の助手のような役割をしていた。映画「カポーティ」はその「冷血」を書こうとしていたカポーティの葛藤を描いた作品でハーパー・リーも出てくるが、彼のアシスタントの様な立場であった彼女が本作を書いて、ピューリッツァ賞まで取ってしまうのを見て、スランプに陥っていたカポーティが焦りの様なものを感じている姿を描いていた。 その時にハーパー・リーとはどんな人なのか、「アラバマ物語」(この新訳が出るまでの本作の日本訳タイトル)がどんな物語なのか気になっていた。 読んでみて、なるほど、カポーティが焦りを感じるのもわかる気がする作品だった。
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