アートの値段 の商品レビュー
現代アートの価格がどのように決められていくのか、ギャラリーとオークション(プライマリーとセカンダリー)の関係、伝統的なアートと現代アートのギャラリーとディーラー、アーティストそれぞれの考えや、芸術と商業性をどのように捉えているのかなど、社会学者による博士論文。 高価格を目指すオー...
現代アートの価格がどのように決められていくのか、ギャラリーとオークション(プライマリーとセカンダリー)の関係、伝統的なアートと現代アートのギャラリーとディーラー、アーティストそれぞれの考えや、芸術と商業性をどのように捉えているのかなど、社会学者による博士論文。 高価格を目指すオークションと異なり、必ずしも利益の最大化や販売の為の値下げをしない業界どのようなルールでそれを行なっているのか、商業以上に価値感の守護、贈り物の意味、生活の糧を超えた価格の象徴的な意味など。
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アート市場における作品の価値、そして金額についてギャラリーととオークション市場の関係を含めて、インタビューを通して深掘りしていく興味深い一冊。
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《アート市場の核には迫りきれてない》 目の付け所は面白いが、取材過程や研究はありきたりで考察もステレオタイプ。ただ、ギャラリーの取材を通して実情をレポートしてくれているのは良い。
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副題の「現代アート市場における価格の象徴的意味」ってテーマをインタビューと統計を組み合わせで明らかにしようとしている意欲的な研究です。おととしだったか…サザビーズで25億円で落札されたバンクシーの絵が落札されたあとすぐシュレッダーされたというニュースが衝撃を与えましたが、そういう...
副題の「現代アート市場における価格の象徴的意味」ってテーマをインタビューと統計を組み合わせで明らかにしようとしている意欲的な研究です。おととしだったか…サザビーズで25億円で落札されたバンクシーの絵が落札されたあとすぐシュレッダーされたというニュースが衝撃を与えましたが、そういう派手なオークションでの価格決定とは一線を画すギャラリーとアーティストとコレクターの三角関係のお金物語です。アートの値段を決めているシステムにオークションとディーラーの二重構造があることさえ知りませんでした。新自由主義が突き進み、資本主義のこれからが不透明になっている今、需要と供給で決まる「交換」の経済ではなく、「贈与」という経済なのではないか?と思い、ついつい「贈与」というキーワードについた本を手にしています。はからずも、実は本書もその流れでに乗っているような気がしました。贈与経済的なコミュニティとかネットワークとか数字ではないヒューマンファクターが大きな役割を果たす経済。「アートの経済」はポスト資本主義?それにしてもモヤっとした世界…。読み終わってから、最近読んだ別冊太陽の「石田徹也: 聖者のような芸術家になりたい」が気になりました。評価されつつもバイト生活で画材を買いながら貧困のうちに早生したアーティスト。村上隆を厳しく断罪するアーティスト。日本を離れアメリカで創作活動をしたかったアーティスト…彼が求めたのはこの本で書かれるギャラリーとコレクターとのコミュニティに入ることだったのでしょうか?この本を読んだからではないのですが俄然、現代美術館でやっているホックニー展行きたくなりました。ずっと静かに絵を描き続けられる人生に触れたくなりました。
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アート市場という特殊な交換の場における価格をめぐるゲームを詳述。芸術作品の価格が持つ「象徴的な意味」を重層的に解明する。
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