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川端康成の話をしようじゃないか の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2024/11/02

作家2人による川端康成を巡る対談集。 僕の好きな小川洋子さんが、僕の好きな川端康成について語る。小川洋子さんが持ち出してくる作品も「たんぽぽ」「片腕」「眠れる美女」と僕好み。残念ながらもう1人の作家、佐伯一麦さんの作品は未読なのだが、2人の対談は作家の視点から川端作品を読み解いて...

作家2人による川端康成を巡る対談集。 僕の好きな小川洋子さんが、僕の好きな川端康成について語る。小川洋子さんが持ち出してくる作品も「たんぽぽ」「片腕」「眠れる美女」と僕好み。残念ながらもう1人の作家、佐伯一麦さんの作品は未読なのだが、2人の対談は作家の視点から川端作品を読み解いており「作家(小川洋子や佐伯一麦)はこんな事を考えながら創作してるんだ」って気付かされる部分もあり、もう、メチャクチャに面白い。 対談の中盤は「掌の小説」について語り合っている。「掌の小説」は一編が2、3ページで終わる超短編を集めた小説集なので、話題に上がった作品をいちいち確認しながら読んだ。お二人の会話にすぐに追いつくことが出来る。これも贅沢な経験。 オススメです。

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2023/08/26

まったく「川端康成読み」じゃないのに、岩波新書の「川端康成 孤独を駆ける」を満喫出来たので、調子に乗って手に取ったのが「川端康成の話をしようじゃないか」。佐伯一麦と小川洋子という川端康成から距離のあるような(感じのする)語り手もハードルを下げてくれる気がして…。しかし、(感じのす...

まったく「川端康成読み」じゃないのに、岩波新書の「川端康成 孤独を駆ける」を満喫出来たので、調子に乗って手に取ったのが「川端康成の話をしようじゃないか」。佐伯一麦と小川洋子という川端康成から距離のあるような(感じのする)語り手もハードルを下げてくれる気がして…。しかし、(感じのする)は間違いで、二人ともしっかり「川端康成読み」でした。「伊豆の踊り子」ぐらいしか読んでないものにとっては「そ、そうなんだ…」みたいなちょっと置いていかれた感のある読書でした。いや、嘘です。現役の人気作家が、読み手として、ではなく書き手としてノーベル賞作家の作品を「深読み」するという非常に面白い企画本なのですが、それぞれが反応しているディテールについてこちらが「わかる、わかる」にならない悔しさかもしれません。後先整えず、書き散らし、終わりを放置するという川端康成の特異なクリエーションがちょっと不思議。物語を書くのではなく、書きたい文章がある、ってことを言ってるように思いました。たから、現代の現役の作家も揺さぶられるのだ、と読みました。谷崎潤一郎との対比も、なるほど…すぐ、川端文学に飛び込もうとは思いませんが、恐る恐る遠巻きに意識します。

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2023/07/14

川端康成が自死したのが2014年。その頃の本屋には川端作品の文庫本が一列を占めるくらいありました。それが、今ではほんの数冊程度という変わりよう。没後50年を期しての企画本ですが中身は深い。「片腕」や「眠れる美女」などのフェティッシュで隠微な作品は知っていましたが、お二人(特に佐伯...

川端康成が自死したのが2014年。その頃の本屋には川端作品の文庫本が一列を占めるくらいありました。それが、今ではほんの数冊程度という変わりよう。没後50年を期しての企画本ですが中身は深い。「片腕」や「眠れる美女」などのフェティッシュで隠微な作品は知っていましたが、お二人(特に佐伯一麦さん)の深読みには驚かされます。同時代を生きた谷崎との比較も興味深い。「掌の小説」をはじめとしてここで論じられた作品論に刺激され、改めて「川端康成の小説を読もうじゃないか」という気になりました。

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2023/07/06

川端康成の作品(雪国、掌の小説など)について、作家の佐伯一麦氏と小川洋子氏が、三回に渡って行った対談をまとめた本。川端作品は、学校の教科書に載っていたものくらいしか読んでおらず、また評伝も読んだことがないため、この対談でその人となりが少し分かって、面白く感じた。機会があれば『掌の...

川端康成の作品(雪国、掌の小説など)について、作家の佐伯一麦氏と小川洋子氏が、三回に渡って行った対談をまとめた本。川端作品は、学校の教科書に載っていたものくらいしか読んでおらず、また評伝も読んだことがないため、この対談でその人となりが少し分かって、面白く感じた。機会があれば『掌の小説』は、読んでみたいと思う。

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2023/07/01
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佐伯一麦と小川洋子の川端康成の文学対談。 小川洋子氏の作品に川端康成色のようなものを感じることがあったが、この対談で標本、死、魔界、欠損、処女などのキーとなる言葉が似通っているのだと思った。それはともかく、お二人の川端康成への深い執着と理解、解説に改めて川端康成の異質さ唯一無二さに驚き、新たな視点での発見もあってとても面白かった。

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2023/07/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この本を読んだ後に小川洋子著の"完璧な病室"を読んだのだが、"完璧な病室"の章の最後のページを読むと、川端康成みたいだな、と強く感じた。(他の章はそこまで感じなかった。) 川端康成作品は数冊しか読んだことがないが、この本を参考に色々と読んでいきたい。 そして、ある程度読んでから改めてこの本を読みたい。とりあえず、掌の小説、雪国だ。 掌の小説 「小川洋子セレクト」 金糸雀、屋上の金魚、馬美人、足袋、隣人、不死、バッタと鈴虫 「佐伯一麦セレクト」 骨拾い、日向、心中、合掌、化粧、雨傘 番外で取り上げてみたい→十六歳の日記 ベスト作品 「小川洋子」 片腕、掌の小説、眠れる美女 「佐伯一麦」 みずうみ 別格→雪国 附 たんぽぽ(小川) 川のある下町の話(佐伯)

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2023/05/12

改めて川端文学の「美しさ」に触れた思い。 高校生の頃からなぜか心惹かれる小説の数々。『掌の小説』は勿論、おふたりが少女小説とか、家庭小説と表現された本も私にとっては懐かしい本たち。それこそ、子ども時代に何度も何度も読み返した小学館の『小公女』が私の読書の原体験。 『山の音』『...

改めて川端文学の「美しさ」に触れた思い。 高校生の頃からなぜか心惹かれる小説の数々。『掌の小説』は勿論、おふたりが少女小説とか、家庭小説と表現された本も私にとっては懐かしい本たち。それこそ、子ども時代に何度も何度も読み返した小学館の『小公女』が私の読書の原体験。 『山の音』『千羽鶴』は言うに及ばず、『片腕』や『眠れる美女』で官能のかおりを知ったあの頃、どれだけ川端文学に浸っていたでしょう。 言葉に出来なかったこの気持ちをこの本が治めてくれました。佐伯先生、小川先生、ありがとうございます。 また、『掌の小説』を捲っているところ。 どの本も『雪国』も!再読再々読したい!

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2023/04/26

面白かった!素晴らしい。 佐伯一麦、小川洋子という、丁寧に真摯に言葉を紡ぎ続ける2人の川端対談。究極の2人読書会とも言える。 今まで自分は川端のどこを読んできたのかと思わされる。川端をエロスの視点で読んではいけない、特に倫理で読んではいけない、それでは浅すぎる、と気付かされる。...

面白かった!素晴らしい。 佐伯一麦、小川洋子という、丁寧に真摯に言葉を紡ぎ続ける2人の川端対談。究極の2人読書会とも言える。 今まで自分は川端のどこを読んできたのかと思わされる。川端をエロスの視点で読んではいけない、特に倫理で読んではいけない、それでは浅すぎる、と気付かされる。 再読しなくては!再読してもう一度、これを読みたい。 ああ面白い、ウカウカしていられない。川端が描いていたような年齢になってきたからこそ、読まなくちゃならない川端が増えた。

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