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平安貴族の仕事と昇進 の商品レビュー

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2024/07/27

公卿、諸太夫、侍に分けて、平安貴族の仕事の仕方と昇進ルートを記述。 ①申文が出される。②先例を調べ対応案を作成する。③関白等関係者に根回しする。③続文(つぎぶみ)ー案と先例を整理した文書ーを作成する。④結政(かたなし)事務方で文書の確認をする。⑤陣の(定めでの)申文等(閣議)で上...

公卿、諸太夫、侍に分けて、平安貴族の仕事の仕方と昇進ルートを記述。 ①申文が出される。②先例を調べ対応案を作成する。③関白等関係者に根回しする。③続文(つぎぶみ)ー案と先例を整理した文書ーを作成する。④結政(かたなし)事務方で文書の確認をする。⑤陣の(定めでの)申文等(閣議)で上卿の審議を受ける。⑥天皇による決済。⓻文書を施行する。という現代と行政文書の処理の仕方である。陣の申文には公卿は小人数しか出ず、あらかじめ内諾している公卿は出ないことが多い。決裁権者である天皇・関白は出席せず。 諸太夫の昇進について、特に詳述。外記、史が出世コース。学生や史生から昇進を重ね六位外記になると順番で従五位に叙爵する。叙爵すると待機ポストで除目による任用を待つことになる。その間国司の下で私に働くことも。11世紀終わりには、この昇進ルートが途切れ家格による固定的なものに。 最後に従五位で終わった者にとっては、身につまされるところ。

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2024/04/13

イメージする優雅な平安貴族の日々。 しかし、その実態は、年中行事に追われる毎日。 祭礼の準備、書類を認め、挨拶回りに、それが終わったらまた次の仕事。 いったいいつ休んでいるのかという感じ。 中には未明近く、あるいは、夜が明けてから帰宅する貴族も。 平安時代から「前例があるから...

イメージする優雅な平安貴族の日々。 しかし、その実態は、年中行事に追われる毎日。 祭礼の準備、書類を認め、挨拶回りに、それが終わったらまた次の仕事。 いったいいつ休んでいるのかという感じ。 中には未明近く、あるいは、夜が明けてから帰宅する貴族も。 平安時代から「前例があるから」「前例がないから」という理由で、官僚の仕事が進んでいたのも面白かった。

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2023/09/09

平安貴族の任官とその仕事を、日記や説話から説明しており、とても興味深かった。 特に出世の仕方について知ることができ、藤原行成が父義孝が早世したため、摂関家の末裔にしてはやや苦労しながら出世していくのがわかった。 また、受領を待ち焦がれること、猟官をすること、それを認める公卿の...

平安貴族の任官とその仕事を、日記や説話から説明しており、とても興味深かった。 特に出世の仕方について知ることができ、藤原行成が父義孝が早世したため、摂関家の末裔にしてはやや苦労しながら出世していくのがわかった。 また、受領を待ち焦がれること、猟官をすること、それを認める公卿の立ち位置など、平安時代の社会が、『源氏物語』や『枕草子』には書かれない様子も知ることができた。 今後、物語や随筆、説話を読むときの参考にしたい。

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2023/07/18

三位以上の公卿、四位・五位の諸大夫、六位以下の侍に分けて、彼らの出世コースや具体的な一日が書かれている。結局元々の出自がかなりモノを言う世界。蔵人や外記が出世コースなんだなとわかった。外記の中でも権少外記っていう、5人の中で一番の新参者が一番仕事多くて忙しいっていう、結構スパルタ...

三位以上の公卿、四位・五位の諸大夫、六位以下の侍に分けて、彼らの出世コースや具体的な一日が書かれている。結局元々の出自がかなりモノを言う世界。蔵人や外記が出世コースなんだなとわかった。外記の中でも権少外記っていう、5人の中で一番の新参者が一番仕事多くて忙しいっていう、結構スパルタ。能力というより基本年功序列で、順番に繰り上がっていくスタイル。先例をよく学んで、それに則って対応することが素晴らしいとされる。嘘も方便で、先例を学ぶために触穢と偽って欠勤して勉強した人が褒められていたり、明らかに嘘な蘇り譚で役職を子に譲ったり、そのゆるーい感じが平安時代の良さなのかなと思った。今だったらめっさ懲戒されそう。

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2023/07/11
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※このレビューにはネタバレを含みます

(借.新宿区立図書館) 貴族といっても下位の「諸大夫」とか「侍」(武士と言う意味ではない)クラスの仕事ぶりと出世状況など。確かに仕事は大変そうだが年中行事の儀式遂行(細かい部分、前例などばかり問題にする)が中心。プルシットジョブのような気もする。これでは武士の台頭を許すだろう。 ちらっと書かれている地方出身者の中央への出身が気になるところ。安倍晴明もそのパターンではなかったのか?

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