資本主義の次に来る世界 の商品レビュー
日本人の、自然のありとあらゆる物の中に神が宿っている、という考え方は、欧米人からすると奇異な考え方なのかもしれない。脱成長にはとても共感した。備蓄価値ではなく、交換価値を促進するため、劣化する貨幣や、地域通貨が必要なのかもしれない。
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資本主義とは何か 格差拡大、気候変動を背景にポスト資本主義が注目されており、多くの議論がなされている。 多くは、資源や環境を維持しながらどうやって成長するかが課題であり、いわゆる脱成長は異端的な扱いだろう。 本書の序盤では、資本主義を長期の時間軸でふりかえり、資本主義の本質的な...
資本主義とは何か 格差拡大、気候変動を背景にポスト資本主義が注目されており、多くの議論がなされている。 多くは、資源や環境を維持しながらどうやって成長するかが課題であり、いわゆる脱成長は異端的な扱いだろう。 本書の序盤では、資本主義を長期の時間軸でふりかえり、資本主義の本質的な暴力性を主張する、なかなか過激な内容である。資本主義による成長は、資源化、希少化による交換価値の蓄積であり、必ず貧困や格差を生み出す、国も投資家も企業も、そのような資本主義を推進する指標、GDPや資本コストで動いている限り、ジャガーノートのように破壊し尽くすしかない、という。確かに一面ではそう思うが、特に日本は欧米とは格差レベルが段違いに低いので、それだけではないダイナミズムがあると思う。 中盤からの解決策は、今の多くの取り組みへの批判から始まる。グリーン成長は、奇跡を祈るようなものという。カーボンプライシングは炭素だけで不十分、自然エネルギーは増加分をまかなうだけで、エネルギー総量を減らさないと、など。 ではどうするのか? それはコモンズと脱成長へのパラダイムシフトである。質素な生活を我慢することでも、技術革新を捨てることでもなく、多くの人が本当に大切にしたいことを大切にすることで可能だという。しかしすべての人がそうは思っていないため、実現には困難を伴う、具体的には、いま力のある人から力を取り戻す必要がある。 そんなことが可能だろうか?眼の前で火災、水害、疫病で多くの人が亡くなっても、今持っている人は何ともないのでは?と思う。 終盤からは、なぜかアニミズムの話になり、繰り返しも多く読みづらい… 歴史的に資本主義をふりかえったところは面白かったが、全体的に力が足りない。
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私たちは経済成長をいいものだと思っているが、必ずしもそうではないのかもしれない。 この本は今まで当たり前に思ってきた価値観が、資本主義によるものであり、それが環境問題や労働の搾取にもつながるもので、あらためて考え直してみる機会をくれた。 資本主義は、限りなく成長を求めさせ続ける...
私たちは経済成長をいいものだと思っているが、必ずしもそうではないのかもしれない。 この本は今まで当たり前に思ってきた価値観が、資本主義によるものであり、それが環境問題や労働の搾取にもつながるもので、あらためて考え直してみる機会をくれた。 資本主義は、限りなく成長を求めさせ続けるもので、財やサービスの生産は、それがどのように役にたつかという使用価値でなく、より利益になるようにと交換価値に重きをおくものになっている。 そして、人為的に希少性をつくることで、あふれるほどの富がありながら、満たされることなく、より成長を求めて、自然や労働が搾取されていくような状況をつくっている。 資本主義は、いい面もあったかもしれないが、餓鬼道(仏教でいう、欲が決して満たされず苦しむ世界)をこの世につくってきた面もあるな、と考えさせられた。 最近、この本のように環境問題や格差など、資本主義の欠点を指摘する本が増えていて、マルクスが見直されたりもしている。 ただ、富裕層叩きや権力者批判とか、陰謀論とかそんなものでは何も解決しない。 この本もそのようなものではなく、社会全体的な構造に問題があり、個人では解決しない難しいところがある。 少なくとも学ぶことには意味があると思うし、学ばなければ、正しい理解も行動も生まれないと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
気候変動や生態系壊滅の理由は、資本主義に欠かせなくなっている成長主義、富裕層(先進国国民もふくむ)による過剰消費なわけで。なぜこうなったのか、の歴史が丁寧にひもとかれていてわかりやすかった。GDPを指標にしたのがダメ押しだったかー。背景となるデカルトの思想と、反発したスピノザの思想の話とか初めて知って、面白かった。 後半、資本主義と民主主義はセットではない、全体主義にならず民主主義のままでも脱成長主義は目指せる、とい書かれていて。本当にそうだといいのだが。 別の本でもあったけど、テクノロジーで解決できるというのは幻想だそうで。残念。省エネ化しても大型化したりして、結局エネルギー消費量は増えてるしね、、未来のドラえもんに期待せず、今できることをしないといけない。 さて、で自分は何ができるのか? (環境系の本を読むと必ずぶち当たる定番の問い) とりあえず、本文より「大量消費を止める5つの非常ブレーキ」をメモ 1.計画的陳腐化を終わらせる 2.広告を減らす 3.所有権から使用権へ移行する 4.食品廃棄を終わらせる 5.生態系を破壊する産業を縮小する ミニマリスト、足るを知る、などの最近(でもないか)のトレンドが、思想としてもっと強力になればいいのかなー
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“「ホモ・エコノミクス」の性質は、囲い込みによって導入されたのだ。” 「儲けること」に快感を感じることは、人間の本能に根ざしたものではない説。快感を感じるようなインセンティブ設計がされているだけ? “多くの先住民族の社会では、とりわけシャーマンが、人間と非人間との関係を円滑に...
“「ホモ・エコノミクス」の性質は、囲い込みによって導入されたのだ。” 「儲けること」に快感を感じることは、人間の本能に根ざしたものではない説。快感を感じるようなインセンティブ設計がされているだけ? “多くの先住民族の社会では、とりわけシャーマンが、人間と非人間との関係を円滑にするスキルを磨いている。” 自分たちの社会と、他の社会を接続するための、翻訳家であり、キュレーター。
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資本主義が略奪、搾取を繰り返し、一部の富裕層の懐を過剰に満たす結果となった歴史を丁寧に解説し、これから目指していく世界の在り方を提起している。成長し続けることが必ずしも人間の性質ではなく、資本主義の成長も自然界や弱者から奪わなければ為し得なかったとわかった。成長を目指し続けること...
資本主義が略奪、搾取を繰り返し、一部の富裕層の懐を過剰に満たす結果となった歴史を丁寧に解説し、これから目指していく世界の在り方を提起している。成長し続けることが必ずしも人間の性質ではなく、資本主義の成長も自然界や弱者から奪わなければ為し得なかったとわかった。成長を目指し続けることが当然の様な現代社会の実態は、過剰な利潤追求であり、本当の幸せを掴めていない。人間は地球上の生命体の一つに過ぎず、他の全てと互いに手を繋ぎ生きていきたいと思った。これまで当然とされていた資本主義や常識に対して本書のような意見を述べる研究者が最近増えており、地球上の全てと共存していける世界に変わっていくといいなと思う。自分についても必要以上のものをため込んでいないか、振り返りたい。
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配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01426493
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人間のそもそもの本性が利己的でも暴力的でもない。自然や植民地を搾取しても良いと捉えた二分論が(GDPの増大という意味の)成長し続けることを強いる資本主義を成立させた。 なので、経営者が強欲なのではなく、投資家、融資先からの成長圧力で必要以上に成長を求めさせられる。 しかし、ケイン...
人間のそもそもの本性が利己的でも暴力的でもない。自然や植民地を搾取しても良いと捉えた二分論が(GDPの増大という意味の)成長し続けることを強いる資本主義を成立させた。 なので、経営者が強欲なのではなく、投資家、融資先からの成長圧力で必要以上に成長を求めさせられる。 しかし、ケインズが100年ほど前に予想したように、人間の労働時間を下げ、ワークシェアし、健康と生態系に配慮した生活をすればより幸せになる。 GDPが一定以上成長せずとも、公共福祉に投資すれば、収入をあげなくても幸せに暮らせる。 そういったことをネイチャーネガティブと気候変動リスクという背景や、歴史的経緯と合わせて解説してくれる本。 改めて、ビルゲイツが決済機能は必要だが、銀行は不要と言い放ったこともわかる。
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うんうん、納得。 ・・・で、読み終わった今日から、私は何をしたらよい? 今、朝の9時。寒い。 今日も洗濯物乾きそうにないな、最初から乾燥機にかけようか、、、という思考は、OK? (世界の上位数パーセントの富裕層以外は、今のままの生活を続けてOK?) ・・・具体的に、どうしたら、...
うんうん、納得。 ・・・で、読み終わった今日から、私は何をしたらよい? 今、朝の9時。寒い。 今日も洗濯物乾きそうにないな、最初から乾燥機にかけようか、、、という思考は、OK? (世界の上位数パーセントの富裕層以外は、今のままの生活を続けてOK?) ・・・具体的に、どうしたら、未来を変えて、豊かな世界を取り戻せるのだろう? ・・・そこは、それぞれが考えて実行することで、本が教えてくれるわけじゃないのね、そりゃそうですね。
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永遠に終わらない成長が資本主義の本質とすると、脱成長こそがポスト資本主義になりえる。成長しないことは豊かさを失うこととは同義ではなく、成長という思い込みからの解放である。 必要なものを必要なだけ、適切に配分する、本当の豊かさがこれからの希望になる。
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