とわの庭 の商品レビュー
読み出しからは、温かくて優しい生活があふれていた。盲目の少女 ’とわ’ と 'お母さん' とふたりの温かな暮らし。その生活に父親はなく、謎のまま物語は進められていく。その生活にも少しずつ小さな亀裂が出始める。お金のために働かなくてはならなくなった母、ひとりぼっ...
読み出しからは、温かくて優しい生活があふれていた。盲目の少女 ’とわ’ と 'お母さん' とふたりの温かな暮らし。その生活に父親はなく、謎のまま物語は進められていく。その生活にも少しずつ小さな亀裂が出始める。お金のために働かなくてはならなくなった母、ひとりぼっちになる’とわ’。盲目のため、時間と季節がわからなかったが、お母さんが庭に植えてくれた植物の匂いで四季を知り、週に1度食料を届けてくれる人物から、1週間の動きを知る。やがてお母さんはお仕事に行ったまま帰らなくなってしまった。それからの とわ のひとりだけの過酷で想像を絶する生活が始まることになる。やがて時が流れ、 とわ は一大決心をし、新しい人生の一歩を踏み出す…。 途中の壮絶な場面はあまりに苦しくて 悲しくて、、一気に読み終えてしまった。病気にもならず、生き伸びたことは奇跡で、生きるって当たり前なんかじゃなくて自分で切り開くものなんだと教えてくれる。自分で切り開くからこそ、素晴らしいものなんだと。 フィクションなのに とわちゃんを応援している自分がいました。
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中盤の描写がトラウマに感じたというか、かなりしんどくて、それを超えてくるハートフルさみたいなのがなく、読了後もしばらく嫌な気持ちを引きずってしまった。
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盲目の少女と貧困な母の物語。 自宅のトイレで産まれ、戸籍や社会との接点はなく、満足な食事を与えられず、身なりも不潔な状態、家はごみ屋敷、10歳になるまで家から出たことすらない…。異常な育てられ方をして、母に捨てられた永遠。 読み進めるだけで心が痛みましたが、実際の育児放棄とはこ...
盲目の少女と貧困な母の物語。 自宅のトイレで産まれ、戸籍や社会との接点はなく、満足な食事を与えられず、身なりも不潔な状態、家はごみ屋敷、10歳になるまで家から出たことすらない…。異常な育てられ方をして、母に捨てられた永遠。 読み進めるだけで心が痛みましたが、実際の育児放棄とはこのようなものなんだと感じました。 育児放棄は周りが気付くのに時間がかかることや子供に対して愛情はあっても、親に精神的な問題があったり、頼れる人がいなかったり、働けなかったり、行政に頼ることを知らなかったりと様々な原因があるんだと知りました。 残念な報道を耳にすることもあるので、解決は困難なんだろうと思いますが、この作品の十和のように第2の人生を歩める人が増えればいいと思いました。
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「涙と生きる力が溢れ出す感動長編」という裏表紙の言葉と「ライオンのおやつ」を書かれた小川糸さんの作品ということで手に取ってみた。もちろん、通勤電車の中で読む様な不用意な真似はしなかった。 盲目の不幸な少女の生い立ちから始まるのだが、母との愛情に満ちた柔らかなストーリが続いていく...
「涙と生きる力が溢れ出す感動長編」という裏表紙の言葉と「ライオンのおやつ」を書かれた小川糸さんの作品ということで手に取ってみた。もちろん、通勤電車の中で読む様な不用意な真似はしなかった。 盲目の不幸な少女の生い立ちから始まるのだが、母との愛情に満ちた柔らかなストーリが続いていく。ん、どうなるのだろう?と思っているうちに、壮絶なというか過酷な現実が待ち受けていた。 とてもまともに読むことができなかった。過酷すぎる。25歳までの生い立ちが厳しすぎる。その状況が淡々と少女の目線で語られていく。涙腺が緩む余裕すらなかった。 しかし保護されて以降、十分な栄養、最低限の教育、心温まる指導を受け入れることができ、しっかりと人生を歩み始める。盲導犬にも恵まれた。 目が見えない分、聴覚や嗅覚が鋭敏になっている。元々暮らしていた家の庭の小鳥や植物たちの気配や匂いによる印象・感覚が女性が生きているということを自覚させてくれる。 この作品は一人の女性が多難な人生を生き抜いていく力強さと周りの人々の温かみが身に沁みる作品だったと思う。読んでいる途中で過酷すぎて見失っていた裏表紙の言葉が、読後に甦ってきた。
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ミステリーを読んだ後の小休憩として読んで癒されようと思い、表紙の可愛さでパケ買いしたのですが、こんなに苦しいお話しだとは、、、想像できませんでした。 良い話だったのですが、苦しさがあまりにも強く残るので★4
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温かいけど、読み始めからいやな予感がすごくしていて…もう8割は苦しくて悲しくて息が詰まりそうだった… 穏やかな描写のおかげで、最後には少し温かい気持ちになれたけど、しばらくはトラウマになりそう…
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感想 自分の足で立てない。だから誰かに頼る。そのままでは相互依存へと落ちていく。何ができるかを考え成長を続けお互い様と言ってもらえるように。
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