逆ソクラテス の商品レビュー
紹介文に「敵は先入観」とあるように、先入観と、それに基づく評価と、それを逆転するような短編が、まず、続く。 主人公はどの短編も小学生である。 子どもの頃というのはどのような時代であったか。 理不尽な大人、理不尽な先入観や評価、走るのが速い遅いなどの違いによる生きづらさ…なん...
紹介文に「敵は先入観」とあるように、先入観と、それに基づく評価と、それを逆転するような短編が、まず、続く。 主人公はどの短編も小学生である。 子どもの頃というのはどのような時代であったか。 理不尽な大人、理不尽な先入観や評価、走るのが速い遅いなどの違いによる生きづらさ…なんだか自分の子供の頃を思い出すようで、すこし恥ずかしくなりながら読み進めた。 各短編における人物は最終的には何らかの手段で評価を逆転する。しかし、私もそうだが、痛快な逆転劇を決めるのはなかなかに現実では難しく、その評価に甘んじながら生きてくるというのが大体ではないかと思う。特別な能力や、特別な友人によりもたらされる逆転などフィクションの世界にしかないのだと。 そんな若干冷めた気分になっているところでの最終章である。現実を見せられたような気分もするが、結局はそういう心持ちが大事よね、と。 筆者もあとがきで触れているが、いつになくメッセージ性(そこまで大層なものではないが)が強いと感じた。でも、この本におけるメッセージは、心の片隅に置いておいて損がないというか、皆が優しく生きる、優しい社会には必要なことなのだろうと思いました。それが筆者のユートピアなのではないか。筆者の他の作品を読んだときにもそのように感じたところである。 読みやすいので、ちと疲れているときの暇潰し読書にはちょうどよいかと思います。また、先にも述べましたが「子どもの頃あるある」や「親あるある」を伊坂氏らしく鋭く描いてくるので自分のことを言われているようで恥ずかしくなったりもします。(笑)
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伊坂幸太郎が子供を題材にしたことに驚き。重松清を彷彿させる展開だが、あまりドロドロせず、それぞれいい話に。少し大人びた少年たちが主人公で妙に安心して読める。友達同士のやり取りは結構面白く、私の好きな方の伊坂幸太郎だった。しかも極めて現実的な流れであり変な奇跡も起こらない。こういう...
伊坂幸太郎が子供を題材にしたことに驚き。重松清を彷彿させる展開だが、あまりドロドロせず、それぞれいい話に。少し大人びた少年たちが主人公で妙に安心して読める。友達同士のやり取りは結構面白く、私の好きな方の伊坂幸太郎だった。しかも極めて現実的な流れであり変な奇跡も起こらない。こういう小説をもっと書いて欲しいなあ。特にバスケの話がいい感じの友人関係で清々しささえ感じた。大好き度❤️❤️❤️
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短編だと気付かずに読んでいました。ミステリーも無いんですね!前情報が無さすぎて、あれ??ってなってしまいましたが、これは子どもの時に読んでおくべき本かも!!大切なことが1編1編にきちんと書いてあります!私も子どもの頃にイヤだった事をたまに子どもに言ってしまう時がある。気をつけよう...
短編だと気付かずに読んでいました。ミステリーも無いんですね!前情報が無さすぎて、あれ??ってなってしまいましたが、これは子どもの時に読んでおくべき本かも!!大切なことが1編1編にきちんと書いてあります!私も子どもの頃にイヤだった事をたまに子どもに言ってしまう時がある。気をつけようと思います。そして、自分はそうは思わない…やっぱり中々言えない…。
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面白かった!やっぱり伊坂さんの作品はキャラがいい。めちゃくちゃいい。 それぞれの短編ごとに先入観とか偏見とかに対する問題提起みたいなのがされるんだけど、「なるほどな、気をつけなくちゃ」って思わされることが多かった。 心に響く反面、語られてる内容は「どこかで聞いたことあるな」っ...
面白かった!やっぱり伊坂さんの作品はキャラがいい。めちゃくちゃいい。 それぞれの短編ごとに先入観とか偏見とかに対する問題提起みたいなのがされるんだけど、「なるほどな、気をつけなくちゃ」って思わされることが多かった。 心に響く反面、語られてる内容は「どこかで聞いたことあるな」って思う部分もあったかなぁ なんだかんだ言ってめっちゃメモ取っちゃったけど笑
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ああだからこう。とかこうだからそう。とか無意識にAとBを紐付けてしまうことの危険性。あんなでもこんな良い一面があったり、こんなでもあんな悪い一面があったりする。人を平面的に捉えることがナンセンスだと考えさせられる。 ただ、正直に真面目であることだけは絶対に善である、善であって欲し...
ああだからこう。とかこうだからそう。とか無意識にAとBを紐付けてしまうことの危険性。あんなでもこんな良い一面があったり、こんなでもあんな悪い一面があったりする。人を平面的に捉えることがナンセンスだと考えさせられる。 ただ、正直に真面目であることだけは絶対に善である、善であって欲しいと願うところが伊坂さんの言いたいところなんやろなぁと勝手に思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
著者の持ち味と言えばそれまでだが、どこかのんびりとした書き方と、ある程度日常に寄せた内容が相まって、個人的には抑揚がないと感じてしまった。短編に分かれているものの、キーとなるキャラクターの人物像も似通っており、話が変わっても一定の温度感は変わらない。巻末には珍しく著者インタビューによる解説が付いており、そこで著者の意図や背景も明かされているが、今まで明確な結末を書かないパターンの多かった著者のスタイルからしても、それは反則行為では?少し期待外れでした。
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小学生が主人公の短編小説でしたが、5編とも一気読みでした。ハラハラ感のようなミステリー性は全くないのに先が気になるストーリー。伊坂さんすごい。個人的には、アンスポーツマンライクが一番おもしろかったです。
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小学生が放つ躍動感を、この本を通じて体験してほしいです! 喋り方は伊坂作品の大人とあまり変わらないですが、みんな個性的で可愛く、面白い子たちです。 主要人物の先生の言葉も、結構刺さります。
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これは傑作!!!典型的な概念、固定概念、縛られた固い考え、全て払拭される。小学生がそんなこと考える!?と驚くことがしばしばあるが、もし自分が小学生の頃に気づいていれば…と後悔することがありそれが気づきとなり、なお良し。各タイトルの意味が読み進めていくうちに理解できる短編。半年後ま...
これは傑作!!!典型的な概念、固定概念、縛られた固い考え、全て払拭される。小学生がそんなこと考える!?と驚くことがしばしばあるが、もし自分が小学生の頃に気づいていれば…と後悔することがありそれが気づきとなり、なお良し。各タイトルの意味が読み進めていくうちに理解できる短編。半年後また読み直したい。
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あっという間に読み終えました。読みやすいし面白いし、大人にも教訓になることもあって充実した読書時間でした。 中でも「逆ソクラテス」の話はやはり印象的で、著者の得意とするかっこよくて爽やかな感じや、キャラクターの魅力を感じました。 子どもにもおすすめしようと思います。
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