思考停止という病理 の商品レビュー
疑問を持たず、素直に従い、人を信じて疑わず、何でも「お任せ」にする習慣を私たちは身につけてきた。だが、グローバル化で人を疑うことを基本とする価値観が流入し、これまでのモラルを裏切るような犯罪も多発している。自らものごとを考え、判断し、行動しなければ、知らぬ間に都合よく利用される恐...
疑問を持たず、素直に従い、人を信じて疑わず、何でも「お任せ」にする習慣を私たちは身につけてきた。だが、グローバル化で人を疑うことを基本とする価値観が流入し、これまでのモラルを裏切るような犯罪も多発している。自らものごとを考え、判断し、行動しなければ、知らぬ間に都合よく利用される恐れもある⁉️教育から政治・社会問題に至るまで考察を深め、思考停止に陥る日本人に警鐘を鳴らす。《目次》はじめに 第1章 考えることを忘れた社会 第2章 思考停止に陥りやすい日本人の心理 第3章 その根底に流れる教育のあり方 第4章 権力者による愚民政策の一環か 第5章 考える力を奪う教育からの脱却を あとがき
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成人年齢の引き下げは成熟が遅くなり、寿命が延びているのになぜ行われたか。 兼業副業容認の意図は人件費削減ではないか。 簡保保険の不祥事は、分化の違いを踏まえずに成果主義を取り入れたことに問題がある。 日本は信頼社会、お任せ文化。 おせっかいな注意書き。天気予報でおすすめの洋服まで。駅のアナウンスが過剰。ものを考えさせない雰囲気。 本を読まないから、語彙が乏しい。 ネット社会は、幻想的万能感を持ちやすい。匿名性が保立てる。即時反応が可能=考える間がなく感情をむき出しにする。 生まれた社会の文化にふさわしい人間になる=社会化。 日本では自己主張を慎み謙虚でいる方がうまく生活できる。 アメリカでは説得力を磨き堂々と主張する。 日本の教科書では温かい人間関係、最後には誠意が通じる物語が多い(ニャーゴ、きつねのおきゃくさまなど)。性善説。 中国では逆(尻尾を振る狼、農夫と蛇など) 何のために勉強するか。アメリカでは自分の知識が増える、日本ではお母さんが喜ぶ、だれかのために。罪悪感に基づく達成への義務感=モラルマゾヒズム。 絶えず相手の期待を意識して裏切らないように行動する。 制空権がない中で大和が沖縄まで到達することはできない、と分かっていた。空気で突撃が決まった。 採否は空気で決まる。 日本ではお任せする方式になじんでいる。 寛容な態度で良好な雰囲気で相手の譲歩を引き出すことが日本流。 コロナで罰金ではなく自粛要請で大丈夫だった。 自粛でうまくいくことの功罪=本屋の営業を続けるか、自主警察が出現する。 県外ナンバーの車に張り紙がされる。県内在住者です、のステッカーまで出現した。 英会話は頭を鍛える勉強ではない。英語が学びなおしの一位。 小学校低学年から英語を始めることは効果的ではない。母語をしっかりしてからのほうが効果がある。言語は思考の道具でもある。 英会話は幼児期にできることを教えるだけ。文章を読むことは言語能力も鍛えられる。日本語への翻訳は国語力と英語力が必要。英語ができる子は勉強ができる子である理由。 実用性を重視して英会話を教えると英語力は低下する。 見ればわかる教材の功罪。スライドの功罪。ノートを取らない=スライドを配るから。 現代文は、論理国語と文学国語に分かれる。 知識は思考の邪魔をしない。知識と思考は双方向の関係にある。 ネットで得られる情報は答えではなく考える素材。 日本では認知的複雑性の高さに価値がある。多方面から見る習慣。反論しにくくなる。 欧米人は、自己主張しなければ生き残れない社会。薄っぺらな意見でも堂々と自己主張する。 日本人の礼儀正しさ、思慮深く不平不満を口にしない。お上にお任せ、謝罪すれば水に流す。 欧米ではうっかり謝ると責任がかかる。「アイムソーリー法」=患者が死亡したとき医師がアイムソーリーといっても、医療過誤の証拠にしないという法律。自己正当化が必要な社会。 日本では、非を認めているのに責めるのは弱い者いじめ、みっともない、粋ではない。世間体を気にする感受性がある。 日本組織は空気で動いている。コンプラ重視は運用面で属人志向が入り込む。 2016年の大統領選では、イギリスのコンサルティング会社が、Facebookの個人情報を不正利用してトランプ当選の後押しをしたといわれる。 マニュアル主義の功罪。 脱知識偏重教育の弊害は知識がなくて視点をもてないこと。指示待ち人間や承認欲求に振り回される。思考停止に向かっている。 知識を高めることと思考は矛盾しない。知識の吸収は思考力を高めることに必要。 本を読むと情報収集だけでなく素材が活性化せれる効果がある。 グループワークよりも知識の吸収が必要。 考えることの苦痛=昔は外に出ると考える以外にできることはなかった。 考えることは魅力的な娯楽。
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タイトルですべてを語っている本。そしてデータというよりは、著者の主張がひたすら続くんだけど、まあそうだよね〜と共感する点は多かった。日本は性善説、海外は性悪説っていうので、どなたかが調べた小学校の国語の教科書のお話のテーマの話はほんとかいな、と思いつつ気にはなるエピソード。 思...
タイトルですべてを語っている本。そしてデータというよりは、著者の主張がひたすら続くんだけど、まあそうだよね〜と共感する点は多かった。日本は性善説、海外は性悪説っていうので、どなたかが調べた小学校の国語の教科書のお話のテーマの話はほんとかいな、と思いつつ気にはなるエピソード。 思考停止はマズいけど、かといって陰謀論もヤバいしなあ。まあ陰謀論もある種の思考停止なわけだが。
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▪️情報にお任せする姿勢 洗濯、公共交通機関の遅れ、傘を持つなど、天気予報+αの情報は確かにこの10年くらいで当たり前になってきたかもしれない。自分で情報を統合して判断する心の習慣に影響があると著者は述べている。 「自分の身を守るべく自己中心的に動く国の人たちは、決して飲食店で...
▪️情報にお任せする姿勢 洗濯、公共交通機関の遅れ、傘を持つなど、天気予報+αの情報は確かにこの10年くらいで当たり前になってきたかもしれない。自分で情報を統合して判断する心の習慣に影響があると著者は述べている。 「自分の身を守るべく自己中心的に動く国の人たちは、決して飲食店で「お任せ」にすることはない。いくらぼったくられるか分かったものではないから」という趣旨の記述を見て、「お任せ」文化は当たり前のことではないのだなと改めて考える契機になった。これもひとつの日本特有の性善説の帰結なのだろう。 ▪️昨今の教育環境の課題点 「すぐにわかる」「見ればわかる」というのが良いことのように受け止められがちだが、それは「じっくり考えずにわかったつもりになる」傾向を助長しているのではないか(p.154) 自分の現状に「このままではダメだ」と思い、もがし苦しみながら自分の道を見つけ、軌道修正する。しばらくすると、また「このままではいけない」という心の声が聴こえてきて、再度もがき苦しみながら自分の道を見つけ、軌道修正する。そうしたことの繰り返しが「自分の人生」を歩むということではないでしょうか。(p.209) →子どもの教育の場でのコスパはあまり良いことはない気がしている。むしろじっくり無駄に悩む時間こそが学生時代には貴重なものになるのではないか。とはいえ、全国の同級生の様子が昔よりも可視化されている時代なので、その中でそのスタンスで生きることは難しいだろうなとは思う。 ▪️読書をすること 本を読むことの意味は、けっして情報収集のためだけではない。本を読んでいると、自分の記憶のなかに眠っているさまざまな素材が活性化され、ふだん意識していなかった記憶の断片が浮かび上がり、それをきっかけにいろいろなことが連想によって引き出されてくる。(p.200) →これは自分の感覚的にもその通りだと思う。連想するにも引き出しが多くあったほうがいいと思う。ほんの断片だけでも構わないので、多すぎて損することはない。
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欧米人は性悪説、日本人は性善説、ここに大きな隔たりがあるという発想はなるほどと思えた。他の本からは、先進国を含む25%は男女平等社会、それ以外の国75%は父系社会、日本は父系だったのを急に男女平等に舵を切ったために混乱をきたしているとあった。なんでもマネをするのではなく、知識を蓄...
欧米人は性悪説、日本人は性善説、ここに大きな隔たりがあるという発想はなるほどと思えた。他の本からは、先進国を含む25%は男女平等社会、それ以外の国75%は父系社会、日本は父系だったのを急に男女平等に舵を切ったために混乱をきたしているとあった。なんでもマネをするのではなく、知識を蓄え、思考して最善策を取るべきだ。
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日本人は性善説を前提に教育が行われており、相手にお任せすることで悪いようにはされない風土が根付いている。しかしそれは思考停止へ拍車がかかっておりコロナ禍で強制力のない自粛要請が成り立つほどのものだった。 上に任せておけば大丈夫、疑うのは失礼だという風土が根強く、何を言ったかではな...
日本人は性善説を前提に教育が行われており、相手にお任せすることで悪いようにはされない風土が根付いている。しかしそれは思考停止へ拍車がかかっておりコロナ禍で強制力のない自粛要請が成り立つほどのものだった。 上に任せておけば大丈夫、疑うのは失礼だという風土が根強く、何を言ったかではなく誰が言ったかが重視される。現状の描写は普段の生活においてまったく異議がないが、インプットを重視する原点回帰を提唱するのは疑問だ。時代が変わることで思考力を鍛えることは必要だと思うがただインプットすれば思考に繋がるわけではなくどのようにアウトプットをするか想定しながらインプットすることで、自分なりに噛み砕ける部分はおおきい。
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自分で物事を考えないと、いいようにカモにされるのは事実なんだろうが、考えることも負担であったりストレスだったりもするので、本人がそれでも構わないと思うなら他人がどうこう言う話でもないような気はする。内容的にはそんなに目新しいものはなく、半分ぐらいは老人のボヤキという印象。
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礼儀正しくて、従順な日本人。政策に対して不信感を抱いても他国のように抗議デモから暴動に発展することはない。アメリカのような自己主張は慎み、良好な人間関係を好む。また、教科書から性悪説が読み取れる中国に対し、日本は人間不信になるような教え方はせず、性善説を掲げる。 著者は、こういっ...
礼儀正しくて、従順な日本人。政策に対して不信感を抱いても他国のように抗議デモから暴動に発展することはない。アメリカのような自己主張は慎み、良好な人間関係を好む。また、教科書から性悪説が読み取れる中国に対し、日本は人間不信になるような教え方はせず、性善説を掲げる。 著者は、こういった良さげに思える日本人の特質、文化・習慣が「思考停止」を招いていると警鐘を鳴らす。 要するに、何でも「お任せ」にする習慣があるというのだ。 その上で、自らものごとを考え、判断し、行動しなければ、都合よく利用される危険性が高いと主張する。 著者は、また、近年の教育が「思考停止」を招いていると論じる。 英語教育を引き合いに出し、会話ができさえすればよいという実用性重視により、英文解釈のような知的格闘もなく、読解力の向上など本当の知的能力を高める教育ができていないと主張する。 現在の教育では、思考力重視のため、知識偏重教育からの脱却が強調されているが、知識が乏しければ思考も深まらない。知識・教養を身につけることの再認識が必要だとする。 さらに、スマホの検索に頼り、自分の頭でじっくり考えない、SNSによる発信主義による自己主張が「認知的複雑性」という多様な視点からのものの見方を阻害するなどの問題点も指摘している。 やや、極端で力み過ぎた議論であると感じながらも、スマホに頼る弊害、自己中心的で異質な他者の考え方や感じ方を攻撃的に見る危険性、読書習慣を促し、読解力、思考力、教養、多様な視点からの見方を身につける重要性など、共感できることも多かった。
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新型コロナ関係で、毎日の感染者数報告やマスクのゴタゴタなどで、世の中の思考停止具合にあきれることが多かった。なぜそんなことになっているのか考えるために読みたい #思考停止という病理 #榎本博明 23/5/17出版 #読書好きな人と繋がりたい #読書 #本好き #読みたい本 ...
新型コロナ関係で、毎日の感染者数報告やマスクのゴタゴタなどで、世の中の思考停止具合にあきれることが多かった。なぜそんなことになっているのか考えるために読みたい #思考停止という病理 #榎本博明 23/5/17出版 #読書好きな人と繋がりたい #読書 #本好き #読みたい本 https://amzn.to/3Ih3E4H
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