エリオと電気人形(1) の商品レビュー
私達が住む世界では絶対的に必要な電気が敵視される世界とはこれまた一風変わっている。おまけにその世界を旅するのは体内で電気を作れる体質のエリオと電気を動力源とするソルディロイドのアンジュですか 世界から隔絶された灯台で二人だけで暮らしてきた。変わるものなんて何も無い場所なのに、昔馴...
私達が住む世界では絶対的に必要な電気が敵視される世界とはこれまた一風変わっている。おまけにその世界を旅するのは体内で電気を作れる体質のエリオと電気を動力源とするソルディロイドのアンジュですか 世界から隔絶された灯台で二人だけで暮らしてきた。変わるものなんて何も無い場所なのに、昔馴染みの猫が病魔に冒され死んでしまった アンジュは兎も角、エリオは人間である以上変わらずには居られない。だから二人は旅立つわけだ、電気を憎む世界へ 電気がない都市は何処か近代に差し掛かった時代の都市構造を思わせつつも、一度文明の華を経由しているためか歪みが幾らか見られるね 電気を得るために危険な橋を渡る若い兄弟が描かれる裏では、老人は大昔に会ったアンドロイドに囚われ続けている 最初に訪れた都市では少し恋の匂いを感じさせるエピソードとなったね ストラウスが若い頃に出会ったメヌエット。この二人をエリオは「恋人同士だったのかな」と想像するけどアンジュは「ありえないことなんだ」と切り捨てる 実際、ストラウスとメヌエットは恋人なんて穏やかなものではなかったけど、かといって何もなかったわけじゃない。 人間同士であれば色恋を感じたくなる関係だけど、人間同士ではなかったというだけ エリオの方は鈍すぎて自分に向けられた好意に全く気付いていなかったね(笑) 次は工場のお陰で景気の良い都市 そこで出会ったのは新しい命の息吹だね。迫りゆく死を感じ取って始まった旅、その意味では命の誕生に立ち会う事になったのはエリオにとって大きな経験となったような 元々は栄えていたが、AIメティスによって大勢の人が死んだ都市ではアンジュは滅びを齎した側、いわば命を奪う者。そんな彼女だからマリーと赤子が命の危機を迎えた際に、どちらかしか助けられないと当初は提示した それを変えたのはエリオの純粋さだね。彼女の無垢な諦めの悪さがアンジュに命を奪わない選択を提示させた 外の世界に求めた非合理な判断、それを遺憾なく発揮したシーンだったかな 本作を読んでいる私達は電気が生活に欠かせないものだと知っているし、欠かせなさ過ぎて有る事を感じない時すら多い でも、本作のように電気の存在が知られつつも、生活の中に存在しないとこのような認識になっていくのかという点は目を見張る物があるかもしれない 一方で面白いのは憎むべき電気への認識が人によってバラバラになっている点かな アレクは電気を「魔法の力」と表現し、工場主のスミスは「強大な力」、シュプレヒコールを上げる市民は「安全で便利なエネルギー」 まだ本作の物語には明かされていない領域が多分に含まれているようだし、様々な電気への認識が今後の物語をどう彩っていくのか気になる第1巻だったかな
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インスタ紹介で気になった『エリオと電気人形』(黒イ森)。 ミュシャっぽい表紙に惹かれて選んだというのが大きな理由ですが、 内容もまた興味深い。 「いくら人間に似せようと機械である事に変わりないじゃないか」と思うAIも、学習の先には人の心の獲得にまで至るのか。 一定...
インスタ紹介で気になった『エリオと電気人形』(黒イ森)。 ミュシャっぽい表紙に惹かれて選んだというのが大きな理由ですが、 内容もまた興味深い。 「いくら人間に似せようと機械である事に変わりないじゃないか」と思うAIも、学習の先には人の心の獲得にまで至るのか。 一定数の割合でこんなAIが出てくると、良い意味でいろいろ考えてしまうな。 本作品や『ターミネーター』(ジェームズ・キャメロン)を見て相互理解の未来って良いよなぁとホッコリ思ってました。 次巻早く出ないかな。
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表紙買いしたら当たりでした。 100年に及ぶAIとの戦争を経て 人類は集合知AI「メティス」を止めるために電力を完全に放棄し、 生き残った人類は蒸気機関を頼りに生活しています。 主人公は電気を作る体質を持つ人間の女の子エリオと、 人類と戦うために作られたソルディロイドのアンジュ。 実験体として囚われていたエリオはアンジェに育てられ、 アンジェはエリオから口移しで電力を供給してもらって稼働し続けている関係です。 孤島で10年2人だけで生きてきた彼女たちが、 人間を知るために旅へ出るところから物語は始まります。 スチームパンクって良いですよね。
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ターミネーター的な未来世界の人類とAIとの戦争後の世界を舞台にした、アンドロイドと少女の旅の話。作品の雰囲気が良かった。
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