滅茶苦茶 の商品レビュー

染井為人(著者)

2023/11/03

三人三様の普通の人がひょんなことからものすごい勢いで転落していくお話。あまりに不運で痛々しくて読むのが辛くなる（特に男子高校生の話）ほどだったが、スピーディーな展開と三人の話が同時進行というのがいい。エンターテイメント性の高い小説でした。

2023/10/02

そんなに悪人と言う訳でもない人があれよあれよと転落してゆく。そしてまさに滅茶苦茶w 希望のある終わり方で良かった

2023/09/23

安定のおもしろさです。完全にはまりました！
今回は３人の登場人物のオムニバスのような展開。
その下敷きにあるのは、コロナ禍が変えた日常。
出会い系で国際結婚詐欺にはまるOL。
親から継いだラブホテルを買春に利用される経営者。
進学校で落ちこぼれ、不良仲間と事件に巻き込まれる
男子校生。まじわらなそうな３つのストーリーが
最後、衝撃的に交錯する。たしかに滅茶苦茶だけど、
荒唐無稽に感じないストーリーテリングの技が
ある感じがします！次回作をl期待してしまう作者です。

2023/09/18

感想
終盤がかなりの滅茶苦茶な展開でスピード感があり、一気に読めた。

コロナ禍でフラストレーションが溜まった昨今、OL、高校生、ラブホ経営者が犯罪に巻き込まれ、最後にはタイトル通り、三人の人生が滅茶苦茶の状態で交錯する。

エピローグが短かったので、それぞれのその後がどうなったのかもう少し知りたいところだ。

あらすじ
コロナにおいて、日本国民の心も疲弊していた。そんな中、四十手前でマッチングアプリでマレーシア人と出会ったOL、県内一の高校に入ったが勉強について行けず幼馴染の不良と付き合い始めた男子高校生、給付金の不正受給に手を染めたラブホ経営者。

OLは国際ロマンス詐欺、高校生は犯罪の片棒担ぎ、ラブホ経営者は給付金の不正受給。それぞれの人生がどう交錯するのか？

2023/09/15

落ちて落ちて堕ちていく。
悪いのはコロナか国か自分自身か！？

東京でシングルライフを謳歌する三十代女性、進学校に通う男子高生、ラブホテルを経営する中年男性。
ちょっとしたつまづきからどんどん人生の歯車が狂っていく。

ジェットコースターの頂上から、うねって回転して真っ逆さまに急降下する姿が脳内に浮かんだ。

この三人に絡む登場人物が揃いも揃ってたちが悪い。
悪い奴らに関わったばかりに途中で留まる事も出来ず、戻りたくても戻れない三人の行方が気になって一気読み。

終盤に向け心拍数は爆上がり。

もうこのタイトル以外有り得ない結末。

2023/09/10

マッチングサイトでの出会いに心をときめかせるアラフォー女性。不良になった同級生と親しくする進学校の高校生。家族のために頑張ろうとするラブホテル経営者。三者三様の人生に揃いも揃って降りかかるのは、どうしようもないさまざまなトラブル。どんどん深みに嵌まり抜け出せなくなっていく彼らに救いはあるのか。他人事なら楽しめるけれどいつ自分がその立場になるかわからない、という意味では恐ろしいサスペンスです。
日常にぽっかりと開いた陥穽。傍目からは「あーダメだよ、取り返しのつかないことになっちゃうよ」と冷静に見ることができるのでしょうが。当事者だとこれは気づかないものなのでしょうね。あるいは気づいたところで引き返せなくなってしまう。彼らは誰も、格別愚かでも悪辣でもない至って普通の人なので、トラブルに巻き込まれてしまったこの状況を単に「自業自得」と片付けてしまっていいものか、と悩みます。かといって何もかも全部「コロナのせい」と責任転嫁してしまうのもなんだかなあ、なのですが。はらはらどきどきで面白いのだけれど、彼らが気の毒で読み進むのがつらい気分にも少しなります。

2023/09/08

早く続きが読みたくて途中からラストまでは一気読みした。コロナのせいかもしれないけど、悪い方へ悪い方へ堕ちていく様は読んでいて辛いものがあった。3人が出会ったところからは、ハラハラするけど、この3人なら最強だわ❗と変な自信があった。この作家さんは初読みだったので、デビュー作も読んでみたいと思った。

2023/09/05

タイトルが「滅茶苦茶」ですからね。
不幸に落ちていく様をまぁ仕方ないかと思いながら読み進めていました。
最後の3人の出会いの場面、めちゃ面白かったです。疾走感があって、でもやってる事エグくて。
事故からエピローグの間を知りたい気持ちはあるけど、まぁ仕方ないのかな。

犯罪は絶対だめ。それならずるい事する人、おかしな制度を何とかしてよって意見には賛同します。でもこの叫び、偉い人には届かんのでしょうね。

2023/09/02

おいおいおい。何でそうなるんだ。途中までは面白いと思ったのに....最後が題名どおり滅茶苦茶だ。キャリアウーマンの女性、進学校の男子高校生、ラブホテル経営の中年男性...コロナ禍ならではの大打撃による三者三様の転落人生。奥田英朗さんの『最悪』にプロットが似ているので新鮮味はなかったもののスピーディーな展開は面白かった。ただ終盤からは回収されていない人々で溢れているのが気になるし、無理矢理なハッピーエンド？？も不必要では。個々のエピソードは興味深かったぶん個人的には残念なオチだった。

2023/08/31

コロナ禍が収まってきた今だからこそ面白く読めるのかも。
コロナで世界中の人が行動を制限されて、人間らしい生活が出来なかった時。人々はどのような日々を過ごしていたのか、そしてそれがこの本の中では全く交わりのない3人が最後唐突に交わり、人間の温かみに触れ、生きる活力を得る様子が、これから世界が取り戻していく世界観のように思えた。
ハラハラとドキドキ、そしてコロナへの納得が詰め込まれた本でした。