トヨタ生産方式のIE的考察 の商品レビュー

新郷重夫(著者)

2023/08/08

# すべてのものづくりに通じる叡智に触れた聖典

## 面白かったところ

- 「徹底的なムダの排除」がトヨタ生産方式の真髄であり、この思想こそがすべての文化に通じている点

- 「不良を見つける検査」だけじゃなく「不良を作らない検査」みたいな考え方が、テスト駆動開発的なソフトウェア開発にも通ずる思想があって示唆に富んでいた

## 微妙だったところ

- 時々業界人しか分からなさそうな知識や表現があって読みづらい

## 感想

ソフトウェア業界人的なポジショントークとしては、アジャイル・スクラムの本質をついていると激震が走った一冊。

MVP（Minimum Viable Product）の開発なんかは、徹底的なムダな排除の思想と合致していると感じた。
必要最低限だけを作ることは在庫を最少にするし、機能を最少に留めることに繋がる。

アジャイル・スクラムで振り返りやスプリントレビューを行う中で無駄を点検し、排除するのも同じ。

QCのテストを行う前にユニットテストで「不良を作らぬ検査」することも合致した。

アジャイル・スクラムという思想や手法が生まれる遥か前からものづくりの核心を突くようなものがこの日本で生まれていた事を誇りに思うし、たまには良い古典を読もうと思った。

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