ダッドリーくんの12のおはなし の商品レビュー
ダッドリーくんと誰かの、ほのぼのとした会話に癒される12のお話。お天気の良い日に散歩しているような気分で一話一話を読んだ。クスッと笑える上質なユーモアがどのお話にもあって楽しい。 いちばん好きだったのは、「ダッドリーくんとパパ」だった。さわやかな朝日を眺めながらシリアルを食べて...
ダッドリーくんと誰かの、ほのぼのとした会話に癒される12のお話。お天気の良い日に散歩しているような気分で一話一話を読んだ。クスッと笑える上質なユーモアがどのお話にもあって楽しい。 いちばん好きだったのは、「ダッドリーくんとパパ」だった。さわやかな朝日を眺めながらシリアルを食べているダッドリーくんが、「あぁ、いまのままが、ずっと、つづくといいな」とつぶやく。うんうん、そういうことってあるよね。なんでもないような時間に、たまらなく幸せを感じるようなときって。 「そうできることと、できないことがあるんだよ」「すべては、かわっていくからね。気づかないくらい、ゆっくりと。」お父さんのこの言葉は真理。だから寂しさを感じた。毎日見てるつむぐが、気づかないうちに成長してることや、親がいつの間にか歳をとってること、もちろん自分自身も気づけばもう34歳になりそうなことなど、変わっていくことが避けられないことについて考えてしまった。それにしても、「たとえば、かみの毛が、のびていくところは見えないけれど、いつのまにかのびていて、かならず、きらなきゃならないだろう?」は秀逸なたとえだなー。 「でも、かわらないですむほうほうってないの?」とダッドリーくんは訊ねる。あくまで変わらないでいたいダッドリーくんは可愛い。でも、「いやーさすがに無理じゃない?」って自分は思っちゃった。それは間違いだった。 「おぼえておけばいいんだ」「もし、だれかが、あるものはこうだったと、おぼえておけば、それは、ずっとかわらない」。 「おぼえていること」を伝え合う2人のやり取りは美しい。思い出せることが増えていくのが、「おとなになるってことの、いいところなんじゃないか」というお父さんの言葉を聞くと、さっきまでちょっと寂しさを感じていた心に希望が灯る。 「でも、いまだって、おぼえてることがたくさんあるのに、これからのことを、どうやっておぼえたらいいの?」と訊ねるダッドリーくん。「おまえが、いちばんいいとおもったものをおぼえておくといい」と答えるパパ。 ああーこの2人が好きだ。
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童話?寓話?のような…クスッと笑える12のお話。ダッドリーくん、まさにユーモアだな。 アーノルド・ローベルの挿絵が可愛らしくて素敵だった。
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