ヤバいBL日本史 の商品レビュー
今よりも昔の方が性に寛容だった、異性愛、同性愛の境目が曖昧だった、というのはとても興味深い。 光源氏も、女性だけでなく男性相手にも愛を交わしたというのは面白い。当時は特にそれがセンセーショナルなことでもなく、受け入れられる時代背景があったということか。
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源氏物語は読んだ事無いが女性遍歴の話だと思っていたがBL要素があるとは知らなかった。弥次喜多道中も悪友同士ぐらいの感覚の認識だったので驚いた。 ヤマトタケルも指摘されるまではスルーしてたが確かに女装してたし頷ける話ではある。院政にまで及ぶとなると上も下もBLだらけな感もあるが歴史...
源氏物語は読んだ事無いが女性遍歴の話だと思っていたがBL要素があるとは知らなかった。弥次喜多道中も悪友同士ぐらいの感覚の認識だったので驚いた。 ヤマトタケルも指摘されるまではスルーしてたが確かに女装してたし頷ける話ではある。院政にまで及ぶとなると上も下もBLだらけな感もあるが歴史そのものに書かれるのが男性の方が多いのが理由なのだろうか。昔の方が性には寛容だった様にも読める。
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BLと男色の違いはっきり分かって、なんかスッキリした。 自分で「男色」って言っても本当は「BL」だったりすんの面白い。 私なんか腐り始めたかも。草
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古事記から江戸時代までの、日本史、日本文学にあらわれるやばいBLの歴史、事例集である、テーマはBLなれど内容は日本史。 日本史の人物に詳しい人にはあのひともこの人もと面白いだろう。高校まで歴史に触った程度でもなかなか楽しめる。源氏物語や仏僧の話はよくあるものだが非常に詳しく、そし...
古事記から江戸時代までの、日本史、日本文学にあらわれるやばいBLの歴史、事例集である、テーマはBLなれど内容は日本史。 日本史の人物に詳しい人にはあのひともこの人もと面白いだろう。高校まで歴史に触った程度でもなかなか楽しめる。源氏物語や仏僧の話はよくあるものだが非常に詳しく、そして、東海道中膝栗毛のヤジキタさんも!? ととにかく面白く読み進んだ。 夫婦別姓もLBGTQ差別禁止も法律にできない国、日本のなにかが変わるとか失われるとかくだらないことを言い鵜呑みにし、、という噴飯物の2023年5月に刊行された本書。著者の先生はふんわりやんわりと、そしてちくりと書かれたのではないかなと思う。実に日本史はbl抜きには語れないのです、と。身分権力財力というパワーをベースにした、支配と被支配の関係性上に成り立つものという実態、歴史の裏街道ではなく大動脈を貫くもの、そしてその一因には女性に対する抑圧制約差別身分の低さなどもあったと。 取り上げられた事例、物語の中には声出して笑うような奇怪なものもあり、読み物としても日本史ブラッシュアップとしてもよい。とにかくBL同性愛バイセクシャル日本は古来より柔軟たおやかで美しい関係性の広がりを普通に持っていたこと、を再度認識し今の価値観を考える時の柔軟さたおやかさを担保したいと思う。
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日本史や日本の古典文学で見られる男性同士の濃密な関係や性愛をBLというくくりでカジュアルにまとめた本。 女装したヤマトタケル、とりかへばや物語、頭中将と光源氏の怪しさ、敦盛、義経、世阿弥、エレキテル平賀源内。 日本史のお勉強中に「これは……ちょっと怪しいのでは⁈』となったアレ...
日本史や日本の古典文学で見られる男性同士の濃密な関係や性愛をBLというくくりでカジュアルにまとめた本。 女装したヤマトタケル、とりかへばや物語、頭中将と光源氏の怪しさ、敦盛、義経、世阿弥、エレキテル平賀源内。 日本史のお勉強中に「これは……ちょっと怪しいのでは⁈』となったアレやこれやの有名どころはほぼ網羅されている。その手の「怪しい関係」に目がない人にとってはありがたいまとめ本だろう。 ただ、すっかり西欧化されてしまった現代日本人の感覚からすると、対等な個人と個人の恋愛こそが「正しい愛」だが、この本に描かれている男たちの関係性は、そんな狭い価値観では割り切れない、当時の文化的な背景があってこそ成立する未知の世界だった。 実際、BLがどうこうよりも、家臣の家族全員が性愛対象になるだとか、禁欲するどころか男色に邁進する仏教界とか、近場で性愛関係を結びまくって最早なにがなんだか分からなくなってる上流階級の相関図に新鮮な面白みを感じた。昼ドラなんか目じゃない。 これに「野蛮だ未開だ人権侵害だ」とレッテル張りをして、暗黒時代の汚点など全部忘れてしまえばそれでいいみたいな、非常に雑な扱いをするのはもったいない。捨て去るには豊かすぎる世界だ。そもそも、昔の人たちを今の人たちと全く同じだと考えるのは馬鹿げているし、世界をあまりにもつまらなくシンプルにしてしまうだろう。 その点、BLというくくりででカジュアルにまとめているようで、実はそれぞれをそれぞれの面白さのままに紹介してくれる本書は、同時に歴史の面白さをも伝えているのではないか。 また、キリスト教が文化の基盤にある西欧において男性同性愛はタブーであり、命懸けのドラマだが、日本文化においてはむしろ上流階級が嗜む「かっこいいスタイル」だったし、女装も男装もタブーどころか人気を呼ぶ風俗であったという決定的な違いは忘れてはならないと、読みながらつくづく思った。 そうした文化だからこそBLがこれだけ栄えているという見解は他では見たことがなかったが、なかなか鋭い指摘だと思う。 そんなBL震源地の日本でも、実社会では同性愛がタブー視されるようになっている。それだけ頭の中が「キリスト教化」されたのだとも言える。 過去を忘れて、無いことにしてしまうことで、私たちはどれだけの文化的な豊かさを失ってきたのだろう。もちろん、本書にあるように、男色には男尊女卑が付きものであり、過去に戻ればすべて良しという話ではないのだが、何か途方もないレベルで消え去りつつあるものを感じざるを得ない。単なる「おもしろ歴史トリビア」を越えた問題意識を感じる新書だった。 ところで、特に心に残ったのは、親友くらいの関係性なのに熱烈な恋歌を送り合っていた家持・池主コンビのプラトニックラブと、上田秋成『雨月物語』が中国古典のBL二次創作アンソロジーだった衝撃の事実。あともちろん十返舎一九『河童尻子玉』。尻子玉は知っていたが屁玉って。もうそれだけで笑ってしまう。やはり江戸時代のベストセラー作家十返舎一九先生は大天才だと思った。
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