読み終わらない本 の商品レビュー
作者からの手紙、というスタンスで書かれたエッセイ。読書論がメインかなと思って手にしたが、どちらかというと言葉についての話が中心だった。 ちょうど『言語の本質』という本を読み終えたあとだったので、言葉つながりで面白く読んだ。『言語の本質』とはまた視点の違う言葉の本質を見た。 先人...
作者からの手紙、というスタンスで書かれたエッセイ。読書論がメインかなと思って手にしたが、どちらかというと言葉についての話が中心だった。 ちょうど『言語の本質』という本を読み終えたあとだったので、言葉つながりで面白く読んだ。『言語の本質』とはまた視点の違う言葉の本質を見た。 先人の言葉や作品、詩歌が多く引用されていた。作者が生きてきた中で影響された人や作品、そして言葉たち。言葉の持つ力を読んでいて感じた。 社会問題にも触れていて、読み応えのある一冊だった。 私にとっての『読み終わらない本』は何だろう……。もう出会っているかもしれないけれど、これから新しく出会うこともあるかもしれない。これからも少しずつでいいから本を読んでいきたいなと思った。
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というわけで「ブクログ Best User Award 2023」においてBronzeを受賞されたまことさんのおすすめ本『読み終わらない本』を読んでみました ちなみに、ほんとちなみになんですがひまわりめろんさんはSilverでしたちなみに で本の内容等々についてはそれこそまこ...
というわけで「ブクログ Best User Award 2023」においてBronzeを受賞されたまことさんのおすすめ本『読み終わらない本』を読んでみました ちなみに、ほんとちなみになんですがひまわりめろんさんはSilverでしたちなみに で本の内容等々についてはそれこそまこっさんのレビューを読んで頂きたい で、ワタクシがこの本を読んで思ったことはまことさん「らしい」本だなってことでした もちろんこの「らしい」というのはひまわりめろんが勝手に思うイメージに過ぎません しかしながら決して短くない期間フォローしフォローされる関係として多くのレビューを読み、どんな本を読んでいるか知り、どんな本に高評価を与えるかを知っている関係性であるなかで思う「らしい」ですのでそれなりの説得力があるのではないかと思います 別にぜんぜん違ってもいいのです別に またまことさんが選んだ本て知ってるからそう思ったんじゃねでもいいのです 答え合わせはいらんのです 2023年の一冊をを選ぶということをブクログさんがどう捉えているのかわかりませんが、これって真摯に向き合えば向き合うほど相当な苦行です(一冊だけ選べてあーた) そしてこの苦行はひたすらに自分自身と向き合う作業です つまりこの一冊はどうしたって自己を投影したものにならざるを得ないのです そしてなんかちょっといいこと言っていますがほぼほぼkuma0504さんの受け売りです 要するにこの『読み終わらない本』とはまことさん自身であり、まことさんの運命の一冊候補であり まことさんを知る手がかりとなる一冊なのですよ で、この一冊を読んでみてまことさんがどんな人だと思ったのか?ってことになるわけですが…うんそれはまぁいいじゃない(そこまで考えてなかったらしい) ちなみに、ほんとちなみになんですがおびのりさんが自己を投影して選んだおすすめ本は木原音瀬さんの『箱の中』ですちなみに
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良くも悪くも詩に近い。 「人は心からも血を流す」という言葉に感動できる読者と困惑する読者とで評価が二分するだろうが、自分は後者。このフレーズがある意味この本の論の典型で、論拠の提示も敷衍もなく、要するに「自分はそんな気がした」という事実の披露に過ぎないので、このフレーズ自体をあり...
良くも悪くも詩に近い。 「人は心からも血を流す」という言葉に感動できる読者と困惑する読者とで評価が二分するだろうが、自分は後者。このフレーズがある意味この本の論の典型で、論拠の提示も敷衍もなく、要するに「自分はそんな気がした」という事実の披露に過ぎないので、このフレーズ自体をありがたがれる人には刺さるが、そうでないと「あなたにとってはそうなんですね」の一言で終わってしまう。 さらに言えば、作者の「そんな気がした」は尊重されるべきだが、それが人生経験から得られた「事実」として語られる瞬間があり、危うい。そして、自分の発想に我田引水する際は他人の著作をアッサリと切り取ってしまう二面性が怖い。 自分のバックグラウンドが法律なのもあると思うが、言語に限界があるのはわざわざ指摘するまでもなく、だからこそ我々は一語一語の定義を積み重ねながらその機能性を高めてきたわけで、たとえば「私にとっていつくしみとはこういう意味です」と宣言するのは構わないが、そう理解されるべきだと言われると突っ込まざるを得ない。 (「いつくしみ」の例を深堀りすると、作者は導入にローマ法王をひいているが、法王がItsukushimiなんて言葉を使うわけがない。調べると"MISERICORDIA"というPityとCompassionのニュアンスを併せ持つ単語のようで、そのうちCompassionのニュアンスを持ち帰って日本語の「いつくしみ」の定義を拡大しているようだが、こちらのニュアンスは日本語でいう「同情」あたりに棲み分けされるのが相当だろう。神谷美恵子や石牟礼道子のくだりは、無理やり拡張した「いつくしみ」の例として読むより、MISERICORDIA≒Compassion≒同情の例として読んだほうがスッと落ちませんか) 青少年に語る体をとっているが、その実態は反論を避けながら上から一方的に教える立場でありたいというエゴイズムだろう、というのは穿ち過ぎか。
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2023年初版。著者が青少年に向けて、本を読むということを手紙の形で伝えようとする本です。文章には優しさや愛が溢れています。著者よりも長く生きている私は、読み終わらない読み返したい本と出会うより一冊でも多くの本を読むことに注力しています。心も血を流すと言うのは、そうだなあと思えま...
2023年初版。著者が青少年に向けて、本を読むということを手紙の形で伝えようとする本です。文章には優しさや愛が溢れています。著者よりも長く生きている私は、読み終わらない読み返したい本と出会うより一冊でも多くの本を読むことに注力しています。心も血を流すと言うのは、そうだなあと思えました。詩を書くということに興味を持ちました。青少年が読むと大きな影響を受けるでしょう。でも、もっと高齢の人にとっても読書に対する認識を変えることに意味のある本だと思います。
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自分にとって大切な「ことば」。 それを読書していくうえで、感じ取っていければと思った。そしてもし、そんなかけがえのない言葉に出会えたら、書き出していこう。 「読み終わらない本」。そんな本に出会えると思うし、もう出会っているかもしれない。
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※このレビューにはネタバレを含みます
孤立と孤独はちがう。孤立は、社会から追放されることで、これはあってはならない。でも、孤独はなくてはならない。それは、自分と向き合うことであり、今の自分にほんとうに必要なものを見極めるときでもある。 . 本はいかに多くを読むかが問題ではない。むしろ、どうやって「読み終わらない本」に出会うかが問題だ。 . 言葉という器には収まらないものはたくさんある。だから、絵画があって、音楽がある。彫刻があって舞踊がある。無数の芸術が、言葉からこぼれおちるものをすくいあげている。 文学は言葉によって言葉にならないものを表現しようとする芸術だ。 . 書くという行為は、料理に似ている。言葉という食物を書くことで「料理」にし、それを食べる。ほかの人のために作ることもできるが、ぼくたちは、まず自分のために作らなくてはならない。 . あるときから人は、本を「あたま」で考えながら、読むようになる。知識を得るために読むようになる。だが、童話は「あたま」で読むことはできない。それは別なところで味わうことを求めてくる。 . 子どもにはむずかしいことは分からない、とよく言われる。でもほんとうだろうか。大人たちが世界を複雑にしているだけで、子どもはむしろ、世界の本質をしっかりとらえているのかもしれない。子どもの方が「孤独」の意味を深く感じているのかもしれない。 . 日本語の「自由」は“freedom”と“liberty”のどちらかではなく、この二つが折り重なったものなのかもしれない。それは「自らに由る」という語感だ。人は誰も、真の自己に忠実であるとき、ほんとうの意味で「自由」だといえる。 . どう生きたらよいか迷っているとき、ぼくたちが探さなくてはならないのは、何が自分にとって得で、何が損かという判断基準ではなくて、たった一つの言葉なのかもしれない。 . 言葉の種子をはっきりと感じ取る方法、それは書くことだ。思ったことをどんどん書くのではなく、書きながら自分が何を思っているのかを確かめるように書くんだ。考えたことをそのまま文字にするんじゃなくて、むしろ、書くことで自分の心の中にあるものを知るように書くんだ。 . 人は何かを「作る」力をもっている。しかし、「生む」ちからもわが身に宿している。(中略)人生の困難にあるとき、ぼくたちを救うのは「作る」力だけではなく、さらにいえば「作る」力よりも「生む」ちからなんだ。 . ぼくたちは、そのとき必要な本に自分で出会うことがなければ、いつも誰かに薦められた本を読んでいなくてはいけない。書店や図書館に行って、本を探す。「探す」というよりも本に「呼ばれる」ような経験をする。それが最初の、そして最重要の課題なんだ。 . 心の深みにある何かを言葉にすることで、君を、絶望の底から救い出すことができる。なぜなら人は、自分を救い出す言葉を自分のなかに宿して生まれてきているからだ。 .
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ある想定したひとりの若い人への長い長い手紙。 生きるということ、自立と孤独、詩の力、人生が問いかけてくるもの、著者がひとりの若い人を通して私たちに伝えたいこと、知っておいてほしいことが丁寧に心を込めて愛情深く、時には厳しく綴られています。今生きていることの重みを感じる本でした。 ...
ある想定したひとりの若い人への長い長い手紙。 生きるということ、自立と孤独、詩の力、人生が問いかけてくるもの、著者がひとりの若い人を通して私たちに伝えたいこと、知っておいてほしいことが丁寧に心を込めて愛情深く、時には厳しく綴られています。今生きていることの重みを感じる本でした。 著者の言う読み終わらない本を持てるように、いつも自分を助け、成長の糧となるような本を見つけたいです。
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言葉の持つ力について、考えさせられた。著者の言うことは、自分にハマっている。 読書することは、孤独になること。孤立ではなく。自分に向き合う時間になる。でも、言葉を書くことは、もっと自分に向き合う厳しくも慈しみ深い時間である。と、理解した。 そのほかにも、沢山の言葉が心に響いてき...
言葉の持つ力について、考えさせられた。著者の言うことは、自分にハマっている。 読書することは、孤独になること。孤立ではなく。自分に向き合う時間になる。でも、言葉を書くことは、もっと自分に向き合う厳しくも慈しみ深い時間である。と、理解した。 そのほかにも、沢山の言葉が心に響いてきたのでメモしておく。 「さようなら」と彼は言いました。 「さようなら」と狐は言いました。 「僕の秘密を教えてあげよう。とても簡単なことだ。心で見なくちゃよく見えない。大切な事は目には見えないんだよ。」 「大切な事は、目には見えない」と、小さな王子様はよく覚えておこうと繰り返しました。 「君のバラをそんなにも大切なものにしたのは、君が君のバラのためにかけた時間だよ。」 「僕が僕のバラのためにかけた時間・・・」と、小さな王子様はよく覚えておこうと繰り返しました。 「人間たちは、この真実を忘れてしまった」と、狐は言いました。 「でも、君がそれを忘れてはいけない。君は自分が飼い馴らしたものに永遠に責任を負うことになる。君は君のバラに責任がある…」 「僕は僕のバラに責任がある…」と、小さな王子様はよく覚えておこうと繰り返しました。 これから 世の中に出ていく 君たちの胸には たくさんの 希望や喜びの 予感があるのかも しれない でも ぼくは 君たちが 希望と喜びと一緒に いくつかの 大切な悲しみに 出会うことを 願って止まない 真の悲しみは 本当に愛した者を 失ったときにだけ 経験できる 稀有な出来事 悲しみは いつの日か 愛しみとなって 美しみへと 姿を変じる そのとき君は 君のままでありながら 新しい君に 生まれかわるんだ 自由は無私の精神と置き換えてもよいのかもしれない。自由の地平にもっとも早く、確実にたどり着けるのは自己犠牲的であろうとすることよりも、無私であろうとすることなのかもしれない。 自己犠牲的であるとき、人は、他者を大切にしているが、自分を苛んでいることもある。だが、無私であるとき、人は己の人生への愛を失うことなく、他者にも愛を注ぐことができる。無私の人は見返りを求めない。そして、自分が何をしたのかを覚えていない。
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若い人にあてた手紙という形をとっているけれど、本に日常的に接している身に沁みてくるような気がした。 「君にたくさんの本を読んでほしいとは思っていない。でも、簡単に「読み終わらない本」には出会ってほしい。そして、君を変えるだけでなく、変わっていく君と共に「生きて」くれるような本に...
若い人にあてた手紙という形をとっているけれど、本に日常的に接している身に沁みてくるような気がした。 「君にたくさんの本を読んでほしいとは思っていない。でも、簡単に「読み終わらない本」には出会ってほしい。そして、君を変えるだけでなく、変わっていく君と共に「生きて」くれるような本に出会ってほしい。」 読み終わらない、とは必ずしも最後まで行きつけない、ということではないだろう。何度も繰り返し読み、そのたびになにかを感じられる。そういう意味での読み終わらない、ではないかな。本というのは、もともと何度も読み、そのたびに新たな何かを感じさせれくれるものである、とは思うけどさ。 ちょっと地味っぽい本で、俺自身がこの本を「読み終わらないんじゃないか」と思ったけど、最後まで読むことはできた。ときにまた、読み返す魅力もある本なんじゃいか、と思う。
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青少年に向けた大人からの手紙という感じの 本。 いわゆる、最近はやった君はどう生きるかと同じ感じの 本。 詩を書くこと、言葉を紡ぐことの大事さを説いている感じですが。少し自分にはあまり響かなかったかなと思いました。
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