イタリア暮らし の商品レビュー
内田洋子さんの四十年を超えたイタリアの暮らし。 私も内田洋子さんを長い間追いかけてきた。 エッセイからイタリアの歴史を知ることもある。 第1章は タイトルは短く単語のみ。 そこから広がる食と人の物語にため息が出る。 内田洋子さんのエッセイには常に人がいる。 ページとページの間...
内田洋子さんの四十年を超えたイタリアの暮らし。 私も内田洋子さんを長い間追いかけてきた。 エッセイからイタリアの歴史を知ることもある。 第1章は タイトルは短く単語のみ。 そこから広がる食と人の物語にため息が出る。 内田洋子さんのエッセイには常に人がいる。 ページとページの間から 喧騒が聞こえ美味しそうな匂いが漂ってくる。 叶うならば市場で売っているチーズを食べてみたい。 また、おいしいイタリアを届けてほしい。
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「できるだけ行きにくいところを目指し、知られていない光景を探し出す。今までも、そしてこれからもイタリアを訪れることはないだろう人たちへ、自分が代わりにとびきりの眺めを切り取ってくる。その場にいっしょにいるかのように、音や匂い、木影や日向の温もりを感じてもらえるように伝えよう。そう...
「できるだけ行きにくいところを目指し、知られていない光景を探し出す。今までも、そしてこれからもイタリアを訪れることはないだろう人たちへ、自分が代わりにとびきりの眺めを切り取ってくる。その場にいっしょにいるかのように、音や匂い、木影や日向の温もりを感じてもらえるように伝えよう。そういう報道もあっていいのではないか」(あとがきより抜粋) その言葉どおりの本だった。 イタリアの街角のバールのざわめき、エスプレッソの香りやミラノの冬の寒さ、聖堂の鐘の音、農村の乾いた空気と出来立てのチーズ、干潟の満ち引き、そういう一つ一つが目に浮かぶだけじゃなくて擬似体験したような感覚になった。 ミラノもヴェネツィアも行ったことはあっても同じようには書けない。ジャーナリストの力のおかげで、経験していないイタリアの日常の景色や、会ったことのないはずの人たちが夏休みの思い出になった。
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内田洋子さんの本は、上質な絵画を観ているかのよう。 物語かと思うほど情景や人が美しく、読みながらうっとりする。 通勤電車ではなく、新宿御苑でレジャーシート引いて、美味しいカフェラテを飲みながら、ゴロゴロしながら読んだらさぞ素敵だったはず。 秋にぴったり。夏に読んだら夏にぴった...
内田洋子さんの本は、上質な絵画を観ているかのよう。 物語かと思うほど情景や人が美しく、読みながらうっとりする。 通勤電車ではなく、新宿御苑でレジャーシート引いて、美味しいカフェラテを飲みながら、ゴロゴロしながら読んだらさぞ素敵だったはず。 秋にぴったり。夏に読んだら夏にぴったり。 電車のアナウンスやベルでハッと気づいて現実世界に戻ってくると、自分の生活のガヤガヤやセカセカが際立ち、本当に同じ世界の生活の話?と信じがたくなる。 あとがきにある通り、イタリアの「音や匂い、木陰や日向の温もり」を感じ、「とびきりの眺め」に出会える、良質な一冊。
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筆者のスッキリとした書き味が好み。 文章も長くはなく、少しづつ読み進めることができる。 よく出てくる土地や場所馬あるが、バールや知り合いの伝手を活かし色々な話が出てくるのが面白い。
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「モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語」の著者であり、それから読み始めた内田洋子さんの最新作。以前読んだ「カテリーナの旅支度」の方が、人間描写が生き生きと陰影が濃かった分、イタリアという国の空気感が伝わってきて、個人的には興味深く読みました。 本作はコロナ禍で人との直の交...
「モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語」の著者であり、それから読み始めた内田洋子さんの最新作。以前読んだ「カテリーナの旅支度」の方が、人間描写が生き生きと陰影が濃かった分、イタリアという国の空気感が伝わってきて、個人的には興味深く読みました。 本作はコロナ禍で人との直の交流が絶たれた時期に書かれたせいか、人の体温まではなかなか伝わらず、著者自身も現場に行けない想いをあとがきで触れていらっしゃいました。
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内田洋子の最新作。装丁の色が鮮やか。 日本経済新聞等の新聞に書かれたもの、および、「Webでも考える人」という新潮社のサイトに書かれていたものが1冊にまとめられたもの。 日本経済新聞に書かれていたものは、2021年7月から12月まで連載させていたもの。時期的には、コロナ禍が始ま...
内田洋子の最新作。装丁の色が鮮やか。 日本経済新聞等の新聞に書かれたもの、および、「Webでも考える人」という新潮社のサイトに書かれていたものが1冊にまとめられたもの。 日本経済新聞に書かれていたものは、2021年7月から12月まで連載させていたもの。時期的には、コロナ禍が始まってから1.5年くらいが経過した時点のものであるが、まだまだ警戒が続いていた頃である。イタリアでのコロナ禍の様子がよく分かる。 本書に書かれたエッセイは、1編1編が短いものである。日本経済新聞に連載されていたもので言えば、余白が多く字も小さくない本書でも、3ページ程度のもの。内田洋子のエッセイは、けっこう沢山読んでいて、とても好きな作家なのであるが、これくらい短いエッセイでは、彼女の良さがあまり出ない気がする。ある程度、起承転結のあるストーリーが語れる長さがあると、とても面白いエッセイを書かれるのであるが、本書のエッセイでは、残念ながら彼女の持ち味が出ていない。
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ほぼイタリア人といっても 過言ではなさそうな著者がみた コロナ禍のイタリアの姿 海があって 歴史があって 魅力的な人々で 料理までうまい 正直かけてるものが なさそうに思える ぼーっとしてるだけで満足してしまいそう そう思うのは 私が年いったからかなぁ なんて
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同作家さんのジーノの家、ミラノの太陽〜が好きで、新刊のこちらを買いました。が、何故かあんまり心に響かず。なんというか、色と独特の風合いが感じられなくて。いろいろとお疲れなのかなと思いました。 残念ですが、新書で場所も取るため本棚コレクションに入れるのを諦め手放します。
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今の所今年のベスト1。 内田洋子さんの長年のイタリア暮らし、街から村へときには洋上で、それぞれに場所を変えての日々をそれぞれを綴った本で読んできたけど、これは新聞やウェブに発表されたその断片的エッセイをまとめたもの。 初めて知るエピソードもあれば、昔会った人に再会したように感じら...
今の所今年のベスト1。 内田洋子さんの長年のイタリア暮らし、街から村へときには洋上で、それぞれに場所を変えての日々をそれぞれを綴った本で読んできたけど、これは新聞やウェブに発表されたその断片的エッセイをまとめたもの。 初めて知るエピソードもあれば、昔会った人に再会したように感じられる話もあって、しかも一編一編が極上の短編小説のような味わい深さ。 装丁や用紙の厚さも最適で、読書の楽しみを満喫できた。 遠く離れた、行ったこともないイタリアの風景や人間味に、なぜこんなに共感できるのでしょう。故郷や同胞を愛する人の気持ちは国を越えて共通だから? またそれを見つけ筆で著す内田さんの技が優れているから? 味わい深い本でした。
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イタリアでの暮らしが長い著者がイタリアの普通の人たちの暮らしを伝えてくれる。 コロナ禍でロックダウン中のイタリアや、水に沈みつつあるヴェネチアでの生活など、一挙にイタリアへ連れて行ってくれる。
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