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黒蝶貝のピアス の商品レビュー

3.9

16件のお客様レビュー

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2024/06/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

菜里子と環、2人の女性を中心に男女関係、女同士の友情や仕事関係などが描かれる。 人間関係の煩わしさ、生きにくさみたいなものをひしひしと感じた。 読みながら気分悪っ!と感じたこともあったのだけれど、同族嫌悪みたいな感じかもと気づく。 共感できること多々。 辛いことや苦しいことがあっても周囲の支えがあって人は生きているんだと思えた。 読みながらため息連発、読み終えてほーっと大きな息をついてしまうそんな物語だった。

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2024/04/03

「人間関係なぁ。距離感なぁ。女同士なぁ。恋愛なぁ。」ってなりながら。 でも、好きwww ゾクゾクしながら読んじゃった。 ☆邂逅 ☆諦念 ☆屈託 ☆希求 ☆崩壊 ☆伴走

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2024/03/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

すれ違い傷つけあう登場人物の中で環と亮輔のカップルがしあわせになれて良かった 後半、環の両親への失望はちょっといただけない。愛されて育ててくれたんだからそれで充分じゃない?感性が鈍いとかって厳しすぎ。

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2024/02/07

繊細な心理描写がリアルで、「わかるわかる」と思いながら夢中になって読み進めた。 恋愛も絡むけど、ヒューマンドラマのような感じ。 伏線回収もすごくて、「え、これミステリー?」って思ってしまうくらい!!! ただ、日本語が若いなあって感じてしまった。 慣用句を略したり、カタカナ語をや...

繊細な心理描写がリアルで、「わかるわかる」と思いながら夢中になって読み進めた。 恋愛も絡むけど、ヒューマンドラマのような感じ。 伏線回収もすごくて、「え、これミステリー?」って思ってしまうくらい!!! ただ、日本語が若いなあって感じてしまった。 慣用句を略したり、カタカナ語をやや多用してる感じが、今どきな印象。 カタカナ語は置いておいて、やっぱり本は、正しい日本語(人により定義は異なるだろうけど)で読みたいなあと思ったので、ちょっとだけ★厳しめに。 時代の流れなのかなぁ。 本来の日本語が失われていくのは寂しいなあと感じてしまう。

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2023/12/13

女同士の友情っていいな。 まだ読み終わらないうちから、 仲の良い友達の顔がチラホラ浮かんできて 思わずランチの約束を取り付けてしまいました。 いつもべったりと一緒いることが友情だった学生時代にはわからなかった、相手との距離の大切さ。 どんなに仲が良くなっても 守らなくてはいけな...

女同士の友情っていいな。 まだ読み終わらないうちから、 仲の良い友達の顔がチラホラ浮かんできて 思わずランチの約束を取り付けてしまいました。 いつもべったりと一緒いることが友情だった学生時代にはわからなかった、相手との距離の大切さ。 どんなに仲が良くなっても 守らなくてはいけない個があること。 大人になってから、心から信頼できる人に出会えた主人公たちの未来が明るくて とても健やかな気持ちになれました。

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2023/11/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2023/06/03予約 7 転職活動をする環は、小さなデザイン事務所の求人に応募する。社長は元アイドルで環が憧れていた、菜里子だった。 そんな都合のいい、と感じたものの話かスピーディに進むためどんどん入り込んだ。 環は、事務所に入ってしばらくは有能な先輩、亜依に圧倒され、憧れの菜里子のそばにいることで意気込むもののうまく行かず空回り。 それが、様々な出来事により菜里子と環の距離感がちょうどよいところに到達する。 ゼロでもなくちょうどいい距離感。 でも彼氏の享輔とは、ゼロがいい… それぞれ家族に問題を抱えていたり、気づいていなかったり、距離感をつかめずにいる。 環の両親はすべてを受け止めやりたいようにやらせてくれる、それは興味がないことの裏返し。 菜里子の家は、『気づいた人がやればいい』が合言葉だったが、気づくのは菜里子だけ。貧困家庭を支えていたのは父親の弟からの援助だった。そして菜里子にアイドル活動をさせていたのは一家の収入源になるから、だった。 弓子の彼氏は、おかしな男らしさに縛られている。 どのエピソードも読みながら身がキリキリする。 恋人との距離感より、友人知人、会社、家族、血族、そんな話がとても染み入った。 『炭酸水と犬』よりずっと好きな作品。

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2023/10/27

最初は主人公、環のウジウジしている感じが嫌で読みにくいなぁと思ったけれど、環の彼氏の言葉が環同様私の胸にもすとんと落ちてきた。 『わかり合うっていうのは、相手との距離をゼロにするためじゃなくて、適切な距離を探すために必要なんじゃないかな。』 そこから環がどんどん彼女らしくイキ...

最初は主人公、環のウジウジしている感じが嫌で読みにくいなぁと思ったけれど、環の彼氏の言葉が環同様私の胸にもすとんと落ちてきた。 『わかり合うっていうのは、相手との距離をゼロにするためじゃなくて、適切な距離を探すために必要なんじゃないかな。』 そこから環がどんどん彼女らしくイキイキしてきて、とても面白くなった。

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2023/10/08

砂村かいりさん三作目 前作2作品は恋愛物でしたが、今作は女同士の関係性。プラス恋愛も。 地元アイドルをしていた菜里子と、小さい頃に菜里子に憧れてアイドルを目指した環。 アイドルを辞めてデザイン会社を経営している菜里子の元で働き始める環。 少しずつ変化していく2人の関係性と、環の成...

砂村かいりさん三作目 前作2作品は恋愛物でしたが、今作は女同士の関係性。プラス恋愛も。 地元アイドルをしていた菜里子と、小さい頃に菜里子に憧れてアイドルを目指した環。 アイドルを辞めてデザイン会社を経営している菜里子の元で働き始める環。 少しずつ変化していく2人の関係性と、環の成長が素敵。 弱いまま強くなりたい。 いいなぁー、若さ!! 亨輔がすごくいい人。いやぁ~、素敵。 恋人よりも必要で、親よりも近くにいたい。 そんな2人の関係が長く良いモノでありますように。 好きです、砂村かいりさん。

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2023/09/18

描写も、心情も、人間関係もリアル。 汚い側面ときれいな側面があってこその人間。 わかりあうことは距離を0にすることではなくて、適切な距離を見つけるために必要なこと。 近づけばいいってもんではないし、接していくうちに合う合わないはわかっていくもの。 結婚するとかしないとか、子供...

描写も、心情も、人間関係もリアル。 汚い側面ときれいな側面があってこその人間。 わかりあうことは距離を0にすることではなくて、適切な距離を見つけるために必要なこと。 近づけばいいってもんではないし、接していくうちに合う合わないはわかっていくもの。 結婚するとかしないとか、子供がいるとかいないとか、女が男の身の回りのことをするとか、親との確執とか、全部全部些細なことと考えられるようになりたい。

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2023/12/31

ストーリーの端々が、主人公たちの言葉の端々が、心に響くお話だった。コロコロと変わる語り手たちのおかげで、全く退屈することなく読み終えた。自分が見えている世界はとても狭いもので、自分勝手に見ているんだなと、自らが持つ偏見を感じた。コロナも夫婦の姓の問題も推し活も、今を代表する話題だ...

ストーリーの端々が、主人公たちの言葉の端々が、心に響くお話だった。コロコロと変わる語り手たちのおかげで、全く退屈することなく読み終えた。自分が見えている世界はとても狭いもので、自分勝手に見ているんだなと、自らが持つ偏見を感じた。コロナも夫婦の姓の問題も推し活も、今を代表する話題だが、とても生活に馴染んだ形で登場して、どこまでも自然で、だからこそ彼女らを襲う問題に向き合う感じがしてとても苦しかった。でも運命の出会いってあるよね、それが苦しいことも多い人生を救ってくれるよね。わたしも出会いや縁を大事にしたい。最初は疎ましく思っていた環の存在を大切にする菜里子さんの存在がとっても自然で、よくよく気持ちがわかって、共感の嵐だった。 p.116 お節介な子だった。人と人とをつなぐのが自分の使命だとでも思っているようだった。 p.130 テレビに出る仕事と言うのは、用意された台本に則り、自分の感情を殺して動かなければならない。ときには、無知なふりをし、不条理を受け止め、平気な顔をして振る舞わなければならない。お金をもらうとは言え、なんて酷なんだろう。人の心が殺されていくの鑑賞するので、なんてグロテスクな娯楽なんだろう。 p.136 私、最近、順子の感情のゴミ箱にされているような気がする。そんな自分の気持ちに気づいて菜里子はぞっとする。 p.157 「分かり合うっていうのは、相手との距離をゼロにするためじゃなくて、適切な距離を探すために必要なんじゃないかな。うまく言えないけど」 p.158 その迷いのない瞳がとらえる世界に、どうかずっといられますように。そのために、ぶれない軸を持った人間になれますように。チョコレートを花咲に差し出してくるような風に吹かれながら、環は小さく祈った。 p.238 「たとえ悪意ある振る舞いじゃなくても、自分の負担になることってあると思います。本当に自分を大切にしてくれる人っていうのは、自分との距離感を大切にしてくれる人のはずですから」 p.244 「料理の数だけ、料理の作った人と間接的に出会っているわけだしね。感謝の気持ちで取る人もいるんじゃない。きれいなものとかうまそうなものを写真でコレクションするっていうのもさぁ、文化の発達によって生まれた1つの趣味なんだから、意味なんかなくていいんだよ」 p.250 たった1人で吸うこと。満たされすぎているときは吸わないこと。吸う時は3本まで。そんなルールを自分に貸していた。誰も知らない小さな儀式のように。 p.316 物心ついた頃から、どんなことだって無邪気に量子に話してきた。よく遊ぶ友達の名前も、嫌いな先生の話も、初め、ての恋人のことも円なんだって笑顔で受け止めてくれていた。2人の中に、それらが記憶となって蓄積される事はほとんどなかったのだろう。見えていた世界の色が、反転していく。 かわいいと褒め、そやし、何でも自由にやらせてくれる。優しい両親。でも気づいてしまった。彼らは愛情部会というより、繊細さの欠落した鈍い人たちであると言うことに。何でも好きにやらせてくれる事は、無関心の裏返しでもあることに。表面的な愛情は注いでくれるが、娘に対する深い理解や興味があるわけではないことに。 p.325 「あのね。亨輔が言ってるみたいに、わかりあうって距離をゼロにするためじゃないと思うの。あの家はやっぱりお父さんとお母さんの家だし、お父さんともお母さんとも、わかり合うために離れたほうがいいような気がするの。じゃないと、私、いつまでも甘えた子供のままだし、勝手にいろんな期待しちゃうから」「でもね、亨輔との距離はやっぱり0がいいの」ずっとあったため続けていた言葉をようやく喉から解き放った。 p.357 そうだった。あの人、心にもないことを言わない人だった。気づけば、手汗でふやけてしまいそうなほど、婚姻届の両端を強く握り締めている。どうして自分はいつまでたっても弱い人間なのだろう。パソコンのOSをアップデートするように簡単手軽に強くはなれない。せめて、弱いまま強くなりたい。大切にしてくれる人を思いっきり大切にできる程度には。

Posted byブクログ