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透明な夜の香り の商品レビュー

4.2

312件のお客様レビュー

  1. 5つ

    120

  2. 4つ

    126

  3. 3つ

    44

  4. 2つ

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2025/02/10

書店員をやめて、この不思議な調香師のもとで働くことになった一香は、ある不穏な匂いを持っていた。朔自身も自分の能力ゆえの苦しい過去を持っていた。 なんとも不思議な世界の中に引き込まれる小説だった。 朔の屋敷はまるで別世界で、さながらファンタジーを思わせるのに、一歩外に出れば殺人や...

書店員をやめて、この不思議な調香師のもとで働くことになった一香は、ある不穏な匂いを持っていた。朔自身も自分の能力ゆえの苦しい過去を持っていた。 なんとも不思議な世界の中に引き込まれる小説だった。 朔の屋敷はまるで別世界で、さながらファンタジーを思わせるのに、一歩外に出れば殺人や嫉妬など人間の欲望が渦巻く世界が描かれる。どちらの世界もリアルを感じさせるのが、さすがだと思った。 覚え書きに、あらすじを簡単にまとめようと思ったが、たとえば紅茶を淹れる、朔のレシピに従って料理を作るなどのエピソードのディティールにも、大切なことが含まれすぎていて、簡単にはまとめられなかった。それだけでも繊細で、綿密に構成された小説だということが理解できた。

Posted byブクログ

2025/02/07

ガラス細工のように繊細で美しい。本から匂いが漂ってきそうな描写。どの匂いも惹かれるけれど、食べ物の描写でお腹が空くわ。 解説を読んで、安易に恋愛ものとして読んでしまいくっつけとか思ってスミマセンと反省。

Posted byブクログ

2025/02/02

ナツイチのYouTubeで、山下大輝さんが朗読していて 気になる…と思って購入しました。 アスパラガスを焼いて食べた後の濃い緑の味。 紺色の声、ハーブやスパイス、料理、飲み物、依頼人がお願いした秘密を抱えた香り、本当に匂いがしてきそうでゾクゾクしました。 読み終わってしまった...

ナツイチのYouTubeで、山下大輝さんが朗読していて 気になる…と思って購入しました。 アスパラガスを焼いて食べた後の濃い緑の味。 紺色の声、ハーブやスパイス、料理、飲み物、依頼人がお願いした秘密を抱えた香り、本当に匂いがしてきそうでゾクゾクしました。 読み終わってしまったのが、なんだか少し寂しい。

Posted byブクログ

2025/02/02

極上の言葉を浴びた 「あなたがいなくなってから紅茶の味が違う。香りは変わらないのに」って朔さんからの最大の愛情なんじゃないかと思う。 心に残る1冊になった。

Posted byブクログ

2025/01/31

こんなに早く続きを読みたくて、でも読み終わってしまうことが受け入れがたい作品ははじめてでした。淡々としてるんだけどそれがとても静かで優しく感じたな。あと朔さんの不安定さがとても美しかった。 私は朔さんが綾野剛で新城が北村一輝で脳内再生されてました…異論は認めます。

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2025/01/30

初めて千早茜さんの本を読みました。 文章がとても綺麗で、嗅覚や視覚の描写が素晴らしくて素敵な本です。 繊細な一香と朔さん、2人を見守る周りの人たちの優しさ。 悲しくて辛い経験をした2人だけどきっとこれから優しい世界で生きていけるんじゃないかなと思えるラストでした。 続編も楽しみで...

初めて千早茜さんの本を読みました。 文章がとても綺麗で、嗅覚や視覚の描写が素晴らしくて素敵な本です。 繊細な一香と朔さん、2人を見守る周りの人たちの優しさ。 悲しくて辛い経験をした2人だけどきっとこれから優しい世界で生きていけるんじゃないかなと思えるラストでした。 続編も楽しみです。

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2025/01/30

はぁ〜〜…面白かった!(感嘆) 千早茜の物語はどれも繊細で精巧な印象があるけど、この物語は特にそうだなと この本を読んでいた間は鼻をスンスンさせて周りの匂いに意識を向けることが増えたよね きっと私だけじゃないじゃないと思う!笑 あと、自分の雰囲気だけじゃなくて、自分の精神的に求...

はぁ〜〜…面白かった!(感嘆) 千早茜の物語はどれも繊細で精巧な印象があるけど、この物語は特にそうだなと この本を読んでいた間は鼻をスンスンさせて周りの匂いに意識を向けることが増えたよね きっと私だけじゃないじゃないと思う!笑 あと、自分の雰囲気だけじゃなくて、自分の精神的に求めるものを満たしてくれるような香水が欲しくなった もっと日頃から身にまとう香りに気を配ってこだわりたくなっちゃったよ 少し前に読んだ『ガーデン』でも匂いの描写が多かったので、千早さんは匂いに何か特別な思い入れがあるのかな?なんて思ったりしました 苺とミントのスープや、ドライハーブが混ぜられているケチャップとか料理の描写もおしゃれかつ心くすぐるものばかりで千早茜の食エッセイが早く読みたい… でも続編の『赤い月の香り』も気になるし、忙しいですハッピーです

Posted byブクログ

2025/01/30

「誰もが永遠を持っているんだけど、なかなか気がつかないんだ。そのひきだしとなる香りに再び出会うまでは」 そんな香りに出会いたいな 不器用ながらも人間らしい二人の関係と、心地よい空気感が魅力の一冊

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2025/01/29

また素敵な本に出会ってしまった… 空の色や人の感情、風の香り、それらがとても綺麗な言葉で表現されている。読者それぞれが自分の中で香りを想像しながら読み進められる、それはきっと唯一無二で素敵なもの。 雨上がりの匂いや、冬の凛とした香り、普段からそういった物に気づくタイプの人が読んだ...

また素敵な本に出会ってしまった… 空の色や人の感情、風の香り、それらがとても綺麗な言葉で表現されている。読者それぞれが自分の中で香りを想像しながら読み進められる、それはきっと唯一無二で素敵なもの。 雨上がりの匂いや、冬の凛とした香り、普段からそういった物に気づくタイプの人が読んだら、とても読み応えのある、心に残る作品になると思う。 この本を読んで、自分も香りや色や雰囲気を、様々な言葉を使って表現したいと思った。香りの表現に色を使ったり、色の表現に香りを使ったり、日本語の綺麗さを再認識するきっかけにもなった。 物語自体も若干のミステリー要素があり、依頼者や朔たちの抱えるものが紐解かれていく様がとても読み応えがあった。 早速次作を買いに行く笑

Posted byブクログ

2025/01/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ひとつひとつの描写が丁寧で、なかでもどこか行動に冷たさを感じる朔さんの、話し方が穏やかなところが良かった。 物語を通してずっと洋館の森の香りが想像できるようで香り立つような本だった。 一香を遠ざけた理由が不器用で人間らしさを感じる。 2人のこれからに余韻が残る終わり方も好き。 あと食べ物が美味しそうで作ってみたくなる。

Posted byブクログ