君は医者になれない の商品レビュー
戸島光一は医学部に入学したものの、血が怖いため実習に参加できず留年の危機を迎えていた。医学部長による救済措置として、アレルギー・膠原病内科の外来医長・漆原光莉のもとで手伝いをすることに。言動で患者と揉めることもあるが、些細な症状も見逃さない。漆原のもとで戸島は様々な患者と出会う…...
戸島光一は医学部に入学したものの、血が怖いため実習に参加できず留年の危機を迎えていた。医学部長による救済措置として、アレルギー・膠原病内科の外来医長・漆原光莉のもとで手伝いをすることに。言動で患者と揉めることもあるが、些細な症状も見逃さない。漆原のもとで戸島は様々な患者と出会う…。 母の死から医師を目指す反面、血が怖いというトラウマから逃れられずにいる主人公が医師として必要なものを見つけていく。 「……医者にいちばん必要なもの、は」 「自分は患者を殺しうるーー殺せてしまう、という自覚だと、思います。」 医師である作家さんの作品らしく、医師の友人が読んだらどんな感想を持つのか少し気になった。2巻も出ているようなので読んでみたいと思った。
Posted by
めっちくちゃ良い小説。 世間ではマイナーな膠原病。 こうやって小説に取り上げられるだけで患者にとっては希望になる。 展開もケアに繋がる内容でもある。 読んでいて、患者、医師、理解につながったり、人の気持ちに寄り添えたりしてこちらの心にも優しさが広がる。
Posted by
膠原病患者として読まなければと思い手に取りました。設定がわかりやすく物語もさくさく進むので読みやすかったです。日々膠原病を知らない人に対して自分の病気を説明することの難しさを感じていたので、こんな病気、こんな科があるんだと知ってもらえるだけでも患者としては嬉しい。
Posted by
よかった。医者になるために、成長していく過程がよかった。周りの人の言葉は力になる。―医者に一番必要なもの、は 自分は患者を殺しうる。殺せてしまう、という自覚だと、思います
Posted by
午鳥志季 プロフィール 1993年神奈川県生まれ、東京大学卒、内科医。第25回電撃小説大賞“最終選考作”『AGI‐アギ‐バーチャル少女は恋したい』(電撃文庫)にて作家デビュー 「医者にとって大切なのは、自分の力と責任を自覚することだ。なら、アレルギー・膠原病内科医に大事なのはな...
午鳥志季 プロフィール 1993年神奈川県生まれ、東京大学卒、内科医。第25回電撃小説大賞“最終選考作”『AGI‐アギ‐バーチャル少女は恋したい』(電撃文庫)にて作家デビュー 「医者にとって大切なのは、自分の力と責任を自覚することだ。なら、アレルギー・膠原病内科医に大事なのはなんだと思う」 「患者から逃げないことだ」 「自己免疫疾患は治らない。一度発症したらずっと外来に通い続けるんだ。私たちがちゃんと治療をすれば、完治はしないまでも寛解には持ち込める。逆に見当外れな治療をして病気を抑えられなかったら、患者の人生を破壊してしまう」 「膠原病内科は、患者の人生を背負う科なんだよ」 医者に一番必要なものとは? 現役医師が描く感動の医療ドラマ! 血が怖いという致命的ハンデを抱える医学生・戸島光一郎。落第にリーチが掛かった彼は、救済措置として人手不足のアレルギー・膠原病内科の手伝いを命じられる。 免疫が己の身体を傷付けてしまう難病患者を診療する、膠原病内科、通称アレコー。その外来医長・漆原光莉は、歯に衣着せぬ言動に加え、人として残念な面が多々あるものの、どんな些細な症状も見逃さない名医として大きな信頼を得ていた。そんな彼女の下で戸島は様々な患者と出会い、多くのものを学んでいく。
Posted by
現役医師が膠原病内科を舞台にした医療小説。 『治る事が無い病気』への向き合い方に興味があって読みました。 自己免疫疾患はある日突然災害の如く訪れる病。 三章は泣きました。
Posted by
こんなにも無理ならやめときな〜と思ってしまうけど、なりたいんだもんなぁ。辛い。 医者にとって一番必要なものとは。 がんばれ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
血液恐怖症の医学生を主人公にした医療ドラマ。 現役の医師が書いているだけに絵空事でない迫力がある。 自己免疫疾患という完治しない病気に関わる物語は人の死も当然のように扱いながら、医者になるということの意味、医者にとって一番大切なことは何かという問いを投げかける。 そこには医師だからこその重い実感がある。 そして何より、医者にとことん向いていない主人公の、それでも唯一の才能を指導教官に指摘される場面には救われる。この主人公がこれからどうやって自らの欠点を克服していくのか、その道程に期待したい。
Posted by
〈出会いのエピソード〉 医療に携わっているからなのか 医療関連のキーワードがあると 無意識に手に取ることが増えました。 今回も‘医者’の文字に目が留まりました。 既に手には数冊の本を手にとっていたので 「一度に手に取り過ぎなのでは? まだ未読の本もあって 今日も数冊手に持...
〈出会いのエピソード〉 医療に携わっているからなのか 医療関連のキーワードがあると 無意識に手に取ることが増えました。 今回も‘医者’の文字に目が留まりました。 既に手には数冊の本を手にとっていたので 「一度に手に取り過ぎなのでは? まだ未読の本もあって 今日も数冊手に持ってるぞ?」 「ここで出会ったのも何かの縁かもしれん。 もしかしたら次書店に来た時は 見つけられないかもしれないぞ」 「医療に携わってるからこそ読むべきでは?」 って脳内会議をしながら まぁまぁ大きい書店の中を一周してました。 決め手は色々あるんだけど 「患者の人生を背負う」 って言葉が心に刺さったなぁ。 膠原病内科と無縁ではないから 物語が気になって気になって仕方なかった。 〈感想〉 血嫌いなのに医者って大丈夫? 生半可な覚悟じゃこの先大変じゃない? って初めは戸島光一郎を反対する側でした。 でも 血嫌いというハンデがあっても挫けない覚悟や 大切なことを学んでいく姿に心打たれて 気が付けば光一郎に医者になって欲しい って応援するようになっていました。 そして 漆原光莉先生の冷たいような言動の裏には ちゃんとそこに行き着いた理由があって 漆原先生の医者としての覚悟に感動。 最後の漆原先生の光一郎に対する言葉も 胸に刺さって大切なことを思い出しました。 経験を重ねるにつれて看護が 業務の1つに変わってくる瞬間があります。 もちろん 仕事を続けていくためには必要だと思います。 でもそれじゃいけないんですよね。 患者さんの人生の中で辛い時期に 看護師だからというだけで 看護させてもらっているんです。 本当は家族にも見せたくないかもしれないのに 家族でも友達でもない赤の他人の私に 看護師というだけで見せてもらっている。 だから 看護を業務の1つだけで終らせられない。 看護学生の看護とはって講義を思い出しました。 いつまでも初心を忘れずにいたい。 全てに感謝をもって向き合いたい。
Posted by
膠原病内科は患者の人生を背負う科という言葉と 自己免疫疾患について、改めて考えた。 糧にしろよ、センセイ。 ありがとう。光一郎。 君はきっと膠原病内科医になれる。 この言葉を得たことで、戸島光一郎は、いつの日か医者になるんだろうなと思う。 皮膚筋炎、全身エリテマトーデスなど...
膠原病内科は患者の人生を背負う科という言葉と 自己免疫疾患について、改めて考えた。 糧にしろよ、センセイ。 ありがとう。光一郎。 君はきっと膠原病内科医になれる。 この言葉を得たことで、戸島光一郎は、いつの日か医者になるんだろうなと思う。 皮膚筋炎、全身エリテマトーデスなど罹患すると一生付き合わなければならない病に向き合う膠原病内科医の漆原光莉。彼女のように、本当に病気に向き合ってくれる医師に出会いたい。
Posted by
- 1
- 2