法廷遊戯 の商品レビュー
時間の真相は気になったが、あまり共感のできない話、登場人物だった。自分の犯した罪から逃れられない悲哀を感じる。
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※このレビューにはネタバレを含みます
メフィスト賞受賞作品。映画化されるということで帯に俳優さんたちの写真付き。メフィスト賞って何か知らず、その紹介の意味するところを全くわかっていなかったのだけど、映画化が予定されているということだけで手にとった。これまで手にとった映画化作品は、近く映画公開もしくは公開中だったけど、これは映画まで随分時間がある時に読んだから、少し忘れかけちゃってる。 メフィスト賞とは、「究極のエンターテイメント」「面白ければ何でもあり」という賞なのだそう。本作が受賞するのは納得と思えたのだけど、導入部の軽やかな感じから徐々に複雑化していって、後半は暗くなっていくし、登場人物たちの発言を理解するのも一苦労だった。 話は法都大ロースクールの学生たちが参加する「無辜ゲーム」から始まるのだけれど、「冤罪」や「同害報復」というキーワードがメインだったように思う。結城馨と久我清義の二人の秀才の言動を追いながら、冤罪や刑事政策について考えさせるという教育的な側面もあり、「あー、面白かった」だけで終わらせない読了感がある本だった。 裁判を題材としているから、登場人物たちのやりとりがロジカルで、読みながら、頭から湯気が出そうになるような感じだった。私だったら即逃げ出したくなるような知的な会話。 父親の冤罪を晴らすために法律を学び始めた馨。無辜ゲームを私物化してしまったことへの報いとして、死を選んだ、というより、再審のために、父親が自殺することを放置した自分の罪に対する罰として、自殺しようとしていたのではないかと感じた。 「犯した罪が、そのまま罰として敗者に跳ね返る。この同害報復の考え方こそが、正当な報いを意味してると思わないか?財産権を侵害したものには、その程度に応じた財産上の制約を科する。名誉を毀損した者には、その分だけ社会的信用の低下を甘受させるー。裏を返せば、それ以上の復讐は認めない。正当な報いを受けた者は、許されなければいけないんだ。在るべき報いの形を理解するために、僕は審判者として多くの敗者に罰を与えてきた。だとすれば、美鈴にはどんな罰が相応しい?」(p.366) 結局最後まで読んでも、結城馨の父親はどうして再審請求をしなかったのだろう、どうして自殺したんだろうと謎が残った。映画を見てから、改めて読み直してみたい。
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本職の人が書いているだけに、極めて論理的で一つ一つの筋立てに意味があった 第一部で重要な要素を散りばめつつ、裁判そのものに対するルールを読者に説明しておりエンタメとして読みやすくなっていた
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著者が弁護士さんというだけあって、後半の裁判の場面は緊迫感があって引き込まれました。なぜ美鈴が黙秘を続けていたのか、清義にもすべてを話さなかったのか、それが分かったとき、おおー、となりました。そして最後まで繰り返される、真実を明らかにして罰を受けることで人は赦されるのだというメッ...
著者が弁護士さんというだけあって、後半の裁判の場面は緊迫感があって引き込まれました。なぜ美鈴が黙秘を続けていたのか、清義にもすべてを話さなかったのか、それが分かったとき、おおー、となりました。そして最後まで繰り返される、真実を明らかにして罰を受けることで人は赦されるのだというメッセージ。おもしろかったです。
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五十嵐律人『法廷遊戯』講談社文庫 読了。模擬法廷で無辜ゲームなる私的制裁に興ずるロースクール生の間で発生した事件をめぐる青春系リーガルミステリ。同害報復、無罪と冤罪、再審請求など、刑事裁判に関する論点が物語を解く鍵になっている点も面白い。同世代の著者なので今後の活躍に注目したい。
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法律用語が多くて、一応法学を習って忘れてしまった自分には、大学時代を思い出しました。(そんなに熱心ではなかったけど…) 司法修習生を目指す学生さんが、模擬法廷をしながら学ぶ中、過去に起こった疑惑が解き明かされる。 真相は、そうだったのかぁ! 面白かったです。
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映画化前にと思って読みましたが、私には今ひとつ合わず。。 主人公たち(特に清義と美鈴)に全く感情移入できなかったのが原因かな?動機の厚みがあんまりなくて拍子抜けというか、動機に対して同意できないというか。唯一ちょっと移入できたなと思ったのは脇役の泥棒くらい。 法律論は現役の弁...
映画化前にと思って読みましたが、私には今ひとつ合わず。。 主人公たち(特に清義と美鈴)に全く感情移入できなかったのが原因かな?動機の厚みがあんまりなくて拍子抜けというか、動機に対して同意できないというか。唯一ちょっと移入できたなと思ったのは脇役の泥棒くらい。 法律論は現役の弁護士作家さんということで、すごく面白かったです! 軽めのミステリーが読みたい人にはちょうどいいかも。
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大きい罪でも、小さい罪でも、その罪に対してどう思うかは人それぞれ違う。 気にする人も、気にしない人も、恨む人も、恨まれる人も、自分が過去に犯した事に対してやり直しはできないから、取り戻しはできないから、周りから見て、正解、不正解があったとしても、自分が思う道を進もう。
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ネタバレになることは承知の上で、11月公開の映画を観る前に読んでみた。ストーリー展開的には面白かったが、クライマックスがあまりに淡々と進みすぎてやや拍子抜け。
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おもしろかった!と素直に言ってしまう、いろんな驚きが重なっていく展開でした! 法律についての説明も、ほとんど難しすぎず、ちょっと説明っぽすぎるなぁーってとこもあったけど、わかりやすくて、読みやすかったです。 ひとつの正義心から起こしたはずの出来事からどんどん歯車が狂っていく…運命...
おもしろかった!と素直に言ってしまう、いろんな驚きが重なっていく展開でした! 法律についての説明も、ほとんど難しすぎず、ちょっと説明っぽすぎるなぁーってとこもあったけど、わかりやすくて、読みやすかったです。 ひとつの正義心から起こしたはずの出来事からどんどん歯車が狂っていく…運命はやるせないなぁーと。
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